2025/10/26 のログ
ご案内:「宿屋『綺羅星の籠』」にブールドさんが現れました。
ブールド > 「こーの天気じゃぁ客は来ないかねぇ。」

営業中の宿屋兼マッサージの宿。宿帳の置かれた机の上に突っ伏す様にして扉の隙間から見える外の天気を見ていた。
雨が土を叩き、跳ねた泥水や雨粒が道に飛び散るような平民地区。それも賑わいから少し離れたこの宿に来るのは、珍しい温泉に飛びつくか、マッサージに興味を持つものか。
懐事情が寂しく安目の偶然近くを通りかかった人間くらいか。

「あぁ、そういえば薬草採集の同行依頼も張り出しちゃいたが――」

その張り紙は今日が期限。しかもこの天候となっては依頼を受ける人物もいないだろう。
寒空の下で野宿となれば嫌がる冒険者も多い。
天候からも依頼自体は今日の深夜に不受理としてギルドから返される可能性が高かった。
突っ伏しながらも何をするでもなく、ぼーっと外を見やりつつ。
時折音声を消して映像だけで過去の記録をこっそり楽しむ程度の時間が流れていた。

ブールド > 試したいものは数多くあるがそれも客あればこそ。
相手がいなければ使う事のないお手軽魔道具の数々も、試験的に配られた非合法な媚薬も試しての料金を得る事は出来ない。
極端な堅物、人外、とかくこの国の暗躍する側は気高い者を堕とす事を好みやすい。
その為なのか配られている物の中に精神系に作用するものや屈辱的な思いを刻み込む物が多くなるのは理解できる範疇だ。

「もっとも、俺らが捕まらないためのモノまでくれれば万全だがねぇ。」

マッサージについての論文も書いておかねばならない。
やる事は多いがやる事に集中するためにも。
(ぎせいしゃ)が来てもらいある程度の発散をしておきたいのは本音だ。
論文を捨てられても出し続けるのは、まぁ稼ぎを減らしたくないのと半ば意地でもある。

ブールド > 扉は重く、それ以上に雨雲が重く宿屋の上を覆っていた。
客が来たかは神のみぞ知る話。

ご案内:「宿屋『綺羅星の籠』」からブールドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にムルムルさんが現れました。
ムルムル > 曇りの日が続いている。セレネルの海から出て平民地区まで足を延ばした娘は
自然地区での長い昼寝を経てまだ少しぼんやりした頭で歩いていた。

王国や帝国でもあまり見かける事のない露出度の高い衣服を身に着けている娘は
ただ目的も無く歩いていて、歩いているのにも飽きるとその辺の手ごろな場所に腰掛け
ただ人の流れを眺めて過ごしていた。

ムルムル > 人を眺めるのに飽きてくると、そのまま静かに立ち上がり
人ごみの中に消えていった

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からムルムルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にガルディさんが現れました。
ガルディ > しん、とした、深夜。
気付けば空が白むまでももう少しという頃合い、得も言われぬ焦燥が胸に湧き上がる時間。

こんな時間になると吸い込む空気が透き通って、肺の隅々まで行き渡るようで堪らない。
新鮮な空気を自分だけで独り占めして、それが頭を冴えさせていく感覚。

何をしよう、と言うわけでもない。
たまたま妙な時間に目が覚めたから。
どれひとつまだ人気のありそうな裏通りでも冷やかしに行こう、というだけだ。

足音を潜め、息を潜め、歩いた。
街灯もない路地裏、通り抜ければ娼館や宿屋の並ぶ通り。

誰ぞと衝突する?それもまた、面白いだろう。
あくび混じりに、ふらり、と樽を避けて前へ。

ガルディ > そう、そうそう、いくらこんな街でもいつも誰ぞが立ちすくんでいるなんてことはない。

灯りの消えない通りへと出る直前。
ある店の裏口から潜り込んで姿を消した――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からガルディさんが去りました。