2025/08/13 のログ
ティアフェル > 「あとで値上げするのはなし。そんなせこい男じゃないでしょ」

 ぷい、と顔を背けてから戻し、にやりと口角を上げる。
 みみっちい男に自分を格下げするほど落ちぶれてもおるまいと踏んで。

 一本いただいて味を占めたらしい野良犬。ぱたんぱたんと尻尾を振ってくんくんと懐く様な声を出して愛想を振りまきソーセージの乗っていた手に鼻先を擦りつける。
 おねだりは功を奏してもう一本おいしい餌にありつけた。
 はぐはぐはぐ、とやはりあっという間に平らげて。
 あわよくば……とソーセージをくれる人間を見たが、これでお終いというようにもう取り付く島のない態度を見せられ。
 くぅん、と惜しがるようにひと声鳴いたが。どうも本当にこれ以上は出てこないらしいと察すると、わん、と短く吠えて背を向け路地の向こうへ消えていった。

 犬の姿が見えなくなると、ほぉぉ~と胸に手を当てて大きく息を吐き出し安堵の心地で。

「ぅ……あ、ありがと……助かった…」

 本当にべたべたに濡れているぅぇえ…と思わす何ともいえない顔で眉を歪めて。ハンカチを乗せた手を差し出して、先に涎を彼のハンカチで拭ってもらったそれを受け取っては、自分のハンカチに乗せたタイにウェストバッグから取り出した消毒液をばさばさと景気よく振りかけて消毒し。

「あ、ほら手、出して手、消毒するよ」

 彼の手も涎でべちゃべちゃだ。ハンカチで拭った後に消毒しようと液を振りかけるだろう。じゃないと正直近づくのも躊躇する。
 その程度には犬恐怖症は末期症状だ。

オズワルド > 「馬鹿野郎お前、男なら平気な顔してそんなことないよーって言いだすぞ。
 ま、まあ?オレはせこい男じゃないから今回は負けておいてやるけど。
 …最初にベッドインって言っておけばよかった。」

最初に吹っ掛けて置く交渉術はどうやら、ふいの事態には浮かばなかったらしい。人の良さがにじみ出る。

ともあれ、犬は無事立ち去ったようではあるし。
相手も多少気は抜けるだろう。
安堵する様子に、ふ、とこちらも息を吐いて。

「どういたしまして。…豪快に使うなあ!?」

消毒する様子があんまりにも豪華で笑ってしまった。

「お前ホントに犬だめなんだな…。街中ですれ違っただけで逃げ惑いそう…。
 いや別に水で洗えばいいだろ…。」

と、口では言うものの、まあ相手のやることだと、消毒液を振りかけ得られるのはされるがままに任せ。

「ああ、そうだ。お前もう飯食った?
 俺食いに帰るとこだけど、一緒に来る?」

ティアフェル > 「うん、イケメンはそんな雑魚みたいな対応しないよね?
 イケメンだもんね? ねえぇえ??
 最初にそれを云ったらダメメンだよ」

 彼のイケメン力に全てを託してみる。矜持や自尊心があるならばそんなせこい真似をして自分の価値を下げては見せまいと踏んでいるのでそれなりに有効な手だとは自負している。

「いやー、ようやく平穏が訪れた……えっ? そお?」

 消毒液をばっしゃんばっしゃん惜しみなく振りかけながら真顔で首を傾げ。
 ちゃんと消毒して殺菌しないと……と真剣な顔でお手々を清め。
 まあ、野良犬の雑菌は舐めてはいけないし唾液からの狂犬病も舐めてはいけないので間違っちゃいないが。大仰であることは誰も否まない。

「ほんとにダメなんだよ。高所恐怖所とか見た事ない? あれの犬バージョンで犬に限らず猫や鼠、一般的なところだと蛇やトカゲや爬虫類…総じて動物恐怖症と呼ぶ。わたしは犬限定だけどね。珍しくはない疾患の一種だよ。治療法はない!」

 ばっしゃんばっしゃん。彼の手を容赦なく消毒液まみれにしながらの熱弁。
 
「あー、夕方軽く食べたけど……云われたらお腹減ってきた。よし、恩人に付き合おうじゃない。一人で食べてもあんまおいしくないしねー」

 こく、と素直に首を縦にして食う。と肯いた。

オズワルド > 「馬鹿野郎お前冒険者にイケメンがいると思ってるのか。
 まあオレはイケメンだけどな!!!」

ちょろい。

「せいぜい布を濡らしてしっかり拭うのが通常の対処だろ。
 布がないならしゃーないけども。」

ないの?と首をかしげて見せる。
まあ、すでに清められたから後追いで意味のない発言ではあるのだけれど。

「いやー、オレみたいなイケメンを怖がらせるにはドラゴンくらい持ってこないとなー。
 んじゃ行くかー。今日はBBQの気分だったんだけど他に誰もいないの寂しかったんだよね。
 焼いた茄子好き?」

問いかけながら、歩いて向かうのは金払って借りれる炊事場の方だ。炭代払えば炭も使えるので、BBQやるには楽で良い。
たどり着いたら、さっさと炭代払ってBBQのための場所を借り受けよう。

ティアフェル > 「そう、オズはイケてるメンズだからね!
 知ってる!存じてる!ヒューかぁっこいィ~」

 やばいね兄さん!と手放しで持ち上げておく。
 こういう扱いは……弟で若干慣れている。

「野良の有害性を甘く見てたら危ないわよ。特に唾液はね。病原菌の塊みたいなもんなんだから」

 脳が溶けるわよ、ととにかくただのヒーラーという以上に警戒心マシマシ。
 消毒液の方が確実だ。ついでにハンドオイルで荒れないように自分の手に塗り込んでから消毒した後のループタイはそのまま身に着けずハンカチに包んでバッグにしまった。

「特になんの恐怖症もない自分の体質に感謝するがいいわ。逆にドラゴンの方が恐怖的なものはまだマシだな……自分の脳のバグを感じる。
 あーいーね、夏だね。
 焼きナス好きー。
 なんか買い足してこよっか? ほら、さっきソーセージあげちゃったし、二人分だとそもそも足りなくない?」

 共同で使える焼き場か。なるほど気を遣わなくていい。一緒に食べるし炭代くらいは出すよ?と訊くが。
 先に払われてしまった。じゃあ買い足し食材をひとっ走りと提案して。そもそも材料はなにがあるのか確認しようか。

オズワルド > 「持ち上げ方がすげえ三下っぽい…。
 もうちょっと女の子っぽい持ち上げ方できない…?できないか…。」

流石のオレですらダメ出しをする。
女とかかわりのない童貞ならともかく、流石にそういうわけでもないので。

「…まあ飯食う前だし、ありがたく消毒されとくか。」

犬のよだれがついたハンカチはポケットにねじ込んで、消毒液濡れの片手はぱたぱた。
夏場だから、そのうち乾くだろう。

「えー。オレにだって怖いものはあるぞ?エロエロサキュバスの美人局とか。
 ん?買い足しなあ。とりあえず野菜は安いから多めにあるしな…。」

籠の中を見る。
南瓜、人参、茄子、玉蜀黍、胡瓜、オクラ、その他いろいろ。
なお、肉は無い。
肉は無い。
代わりに南瓜はまるまる1個ある。

「南瓜全部焼いて食えば足りるだろ。
 まあ、それで足りないってんならひとっ走り行ってきてくれれば。その間にオレ調理しとくし。」

The、おおざっぱ。野菜男飯。
なお、調理と言っても、野菜を切るくらいである。 味付け?野菜そのまま美味いよな。

ティアフェル > 「できるけど今やりたくない。それはそれであんた笑いそうだし」

 きぱっと真顔で首を振る。わたしにだってそういう気分はあるってもんだと主張した。

「それは少なくとも恐怖症じゃねえ。引っかかって強面剛腕兄さんにど突かれてるがいいわ。
 ………えーとどれどれ……へえ、結構あるね。かぼちゃニンジントウキビにきゅうり…オクラ……草食動物ラインナップ!!」

 まさかの野菜のみ。かぼちゃ丸ごとってこれはこれで多いな!と即突っ込み。
 無肉状態にさっきソーセージくれてやってる場合じゃなかったんだなと申し訳ない気持ちにもなって。

「若いんだから肉食え肉! ひとっ走り行ってくるわ! 肉と魚介……あ、食べられないものある? なかったら適当に買ってくるから!」

 内臓系がダメとか魚嫌いとか。あれば聞いておく。
 それからダッシュで買い出しに行こう。買い物用の袋あったかな、とバッグを探って。
 てか塩もねえんか!と調味料も追加される。

オズワルド > 「ひどい言い草だ。いや気分にまでは嘴つっこまねえが。
 女の子の精一杯の可愛さを笑うやつはイケメンじゃねえよ。」

俺ぁイケメンだろ?って言い張る。
きりりっ!  引き締めた顔はまあそこそこみられるかもしれないし、相手によってはそうでもないかもしれない。

「コワモテ剛腕兄さんが来たらさっさと逃げるわい。
 えー?野菜美味いだろ?後安いし。 肉は美味いけど量食えねえんだよな…。
 あ、買ってきてくれるなら歓迎。別に苦手なもんは無いから、安いホルモンでもいいぞー。」

お腹いっぱい食べたい若い奴。南瓜をたらふく食べても満足いくようだ。
とはいえ自分の金じゃないなら歓迎。買い出しに行くならこれ使え、と。野菜を取り出した後の籠を貸し出そう。
そうして、相手が買い出しに行く間に、水を汲んで野菜を洗って、ナイフを使ってさっさと切りそろえていく。
戻ってくるころには、厚みのある南瓜を焼き始めている頃合いだ。

ティアフェル > 「えぇ……精一杯じゃない場合はそりゃ全メンズが爆笑でしょ?
 今全力のかわいさを見せる時じゃないってことくらい5歳児だって知っている」

 いやいや、今はその時じゃなさすぎるでしょう。と冷静に論じてみる。
 今はな……漫談中だ。とそう信じてやまないのである。キメ顔をスルーする鬼畜振りは垣間見せておこう。

「そこを簡単に逃がさないのがサキュバス姉さんだと思うんだ。
 野菜好きだけどさ。……あ、そうなんだ、されどタンパク質は大事だよ。えーモツはちょっとしつこいでしょ。レバーにしよっかな。わたしに任せるとほぼほぼエビになるが」

 そう云い放って駆け足で買い出しに。籠を渡されて受け取ると「じゃ、行ってく!」とすちゃりと片手をあげて軽いフットワークでお買い物に。
 閉まりかけた店で売れ残っていたものを適当に買い込んだのでちょっと偏った品になったが。
 下拵えが済んで火の通りにくい食材が焼けて来たくらいで戻ってきて。

「お待たせーぇ。
 買ってきたよ、エビそしてエビ、さらにエビ。あ、種類は全部違うんだー、あとイカと…ムール貝…お肉がねー…ひき肉しかなかったんよ。
 くりぬいたナスに詰めて焼くかな。輪切りにした玉ねぎに乗っけて焼いてもいいし」
 
 売れ残ってたたき売りされてたエビを全買いしてきた。エビばかりが目立つ買い物籠。ちょっと生臭いかも知れない。
 早速焼こうーと買い物籠を置くと手を改めて洗って消毒して調理を手伝おうと腕まくり。
 魚介の下処理を始める。

オズワルド > 「それは流石にメンズを悪しきものとして見すぎだろ…。
 或いは自分の行動が漫談だと思っているか。」

…流石にそれは無いよな?と伺うが、この女の顔…!
実はこの場を漫談の席だと思っているのでは…!?

「ちんこ掴まれて逃げられなくなりそ。
 なんでエビだ? 行ってらっしゃい。」

そんなわけで、見送って、帰ってくるころには下ごしらえも終わって南瓜を焼いてる真っ最中。
おかえりー、と手を振ってお迎えし。

「エビばっかじゃねーか! まあ良いけど。
 あ、ナイフ来れ使っていいぞ。」

ほれ、と腕まくりをする君に野菜を切るのに使ってたナイフを、持ち手をそちらに向けて差し出して。

「しかしイカ…イカか…食ったことねえな…。悪魔みたいなやつだろ、イカ。」

ひき肉の扱いについては、お任せの模様だが、イカは気になるようだった。
あ、南瓜の良い匂い。人参も焼き始めるか―。

ティアフェル > 「いや、普通の反応でしょ? むしろ老若男女問わずに笑うんじゃない?
 あっはぁ。今はチョケてるよねぇ~どう考えても~」

 ははっと軽やかにいい笑顔で笑い飛ばして肯定しておく。
 今真面目にやってるとしたら……それはそれでやばいぞ、とくらい思っていた。

「あーそれうけるー。あんま同情できんやつ~。
 エビはうまい。良質なたんぱく質である」

 髪の色の海老茶っぽいし触覚的なアホ毛はあるし全体的にエビ色の強い女。
 予告通りエビ仕入れてきた。むしろエビ7割くらいの偏り具合で買ってきた。
 ただま、と手を振りかえしては。

「好き嫌いないって云ったじゃん!エビの何が悪いのよ! エビよ!?何故喜ばぬ?!
 あー、はいはいこれね。おっけ。
 あぁ、うん分かる。わたしも実家から出てきてこっちで海産物初めて食べて…これ食べられるもの?って思ったなあ。
 イカはね魚よりも処理が楽なんよね。こうして足をぐいっとやってー……骨が一本通ってるからこれを抜いてねー……あとは輪切りでいいかなー。この三角のひれみたいなとこがおいしいの」

 ナイフを受け取ってイカを捌いてはゲソ、腹、ひれ、と切り分けて下拵えし。エビは殻と背ワタを取って。
 ひき肉は適当に捏ねて丸めてスライスしたナスに挟んだり輪切りにした玉ねぎに挟んだりして。
 やはり入手しておいた塩コショウを振りかけて。

「よーし、これも焼いてってくれる? 魚介はやるわ」

 エビイカ貝は担当する。ナスと玉ねぎのひき肉挟みは野菜を焼くついでによろしくと渡して。
 火の通りにくい野菜が焼け始めてきたらその隅で軽く塩を振った魚介を焼いていこうか。

オズワルド > 「ティアの考える老若男女の反応がオレにはわからんよ。
 世の中もう少し、かっこつけに優しいものだと思ってたんだけどなあ。」

それとも学院が平和なだけだったのだろうか。
世の流れはわからぬ…。
ともあれエビである。

「いや別に嫌いじゃないし、エビ一種くらいなら、ああエビだなって思うよ。
 3種類じゃねーか!多いよ!エビ頭か何か?」

もはや気分は漫談である。

「えっ、そんなぬるぬるなのに骨通ってんの?変な生き物だな…。
 まあいいか、美味いってんなら食ってみよ。」

焼いてって、て言われちゃそちらを網の上に。焼きの管理くらいは楽なもの。

「お、南瓜もうそろそろいいな。 食ってけ食ってけ。」

はいよ、と差し出した串一本。それで刺して食え、の心地。
二人分の食器までは無いので、網から直に取って食う感じになる。

「オクラもそろそろ焼くかー。 これ焼いて種のあたりが温まったのがうめえんだよな。」

野菜乗せつつ、茄子やらタマネギやらは適宜裏返す。

ティアフェル > 「ふふ、君にはまだ早いか。まだまだよのう。
 気取り屋には世界は厳しいと思うよ。云う程気取ってなしかっこつけようとしてもあんまし上手くいってないのがかわいいけど」

 ちょっと上なだけで姉さん振るのは事実弟五匹いるせいか。
 しかしエビとイカの方がそんなことよりも大事だ。

「だよね! エビ嫌いな人類いないよね! え、なにその薄い反応。エビ様に失礼過ぎる。
 三種のエビなんてもはや贅沢の極みじゃない!なにこの子分かってない!」

 エビ信者としてはちょっと理解できない。そしてエビ嫌いな人間なんてたんまりいるし、なんならアレルギーな人だって大勢いる。

「そうだよー、イカはね。貝の仲間だったとか聞いたような。
 そうそ、食わず嫌いは良くない。あ、串足りるかな。いいや詰めちゃえ」

 焼くのが網だからひき肉そのまま捏ねて焼いても下に落ちちゃうので野菜で挟んでじっくり焼いてもらって。
 エビやイカを串に刺そうとしてぎりぎりだなと思えば串にみっちりと刺して、よしとする。
 
「ぁ、ちょっと待って……これ網に乗せて……
 ん、ありがと、いただく……一本目かぼちゃスタートって地味に受けるわ」

 菜食主義のBBQみたいだと小さく笑いながら、エビとイカを交互に差した串を網に乗せて焼きながら、そのまま立ち食いで渡されたかぼちゃを受け取り。
 ふうふうっと息をかけて冷ましてからアツアツほくほくのかぼちゃに噛り付いて。

「あつあつっ……んぅ、あー焼き加減ばっちり。ほくほくしておいしいーかぼちゃ甘いー。
 あー、オクラいーね。イカは炙るくらいでいいから…もうちょっとかな」

 わいわいと二人にしてはやたら賑やかに夜中のBBQもくもくと湧き上がる煙に時折噎せながらも焼き立ての野菜にかぶりついて。
 イカに火が通ってくると、

「ほい、初イカ、味付けは塩だけだけど…炭火だしけっこいけると思う。この皮のところ…詰まりやすいから気をつけてしっかり噛んでね」

 と、串に刺したイカの輪切りを手渡そうか。こちらはかぼちゃを食べ終わってゲソをいただく。

オズワルド > 「そこで年上ぶるあたりが信用ならんのよなぁ。」

ジト目で見やる。が、

「ま、そんなことより飯だ飯。
 まあ、種類が多いのは贅沢だけどさぁ。エビの食べ比べとかできないなら、エビはエビの味だな、って終わらない?」

エビ信者の事ちょっと理解できない。エビ嫌いな人間なんてたんまりいるし、なんならアレルギーな人だって大勢いる。
後、エビより蟹好きだっている。オレは蟹派だった。

「あー、貝の中身っぽい感じはするよな、ぬるってしてるあたり。
 串足りなかったらナイフで刺して食えばいいだろ。 あ、下処理終わったなら返してー。洗っとくから。」

ほい、と手を伸ばしてナイフを受け取ろうとしつつ、逆の手で串刺した南瓜を口元に運んで、ぱくり。

「っぱ、焼き立てホクホクのカボチャは良いわ…。うまし…。
 ん、炙るくらい?火ぃ通さないと危なくね?」

この時期だし、と言い添えはするが、調理経験はないので相手にお任せだろう。
オクラを網に乗っけつつ、南瓜のおかわりと人参も乗っけて焼いていこう。

「ありがとよ。 んじゃ一口。」

手渡されたイカの輪切りを、では一口。ばくり。 一口で全部いった。

「あっふ」

はふはふ、ほっふ。イカ汁じゅわー…。
もぐもぐ、むぎゅむぎゅ、良く噛んでから、ごくん。

「やっべ、イカ美味いわ…これはBBQ革命だわ…。」

ティアフェル > 「少なくともオズは背伸びしがちじゃね?」

 まあわたしのトシはともかくよ、と一旦おいて小首を傾げて。

「熱いうちに食べないと勿体ないよね。
 あんた本当……分かってないなぁ……もういい、エビを崇拝しないやつとの会話は成り立たん」

 ふる、と至極重々しく首を振って打ち切った。蟹も美味しいけどプリン体が多いんだもの。

「だからこの骨は貝殻の名残なんだとか。
 えぇ……口切っちゃうよ……まあ本当に切ったら緊急ヒールするけどさ。ん、よろしく」

 捌いた後のナイフを渡してお願いしては、かぼちゃを一緒に頬張って甘くておいしいね、とその感想には大いに同感し。

「イカはすぐに火が通るし焼き過ぎると硬くなるんだよ。輪切りだからもういける」

 食べてみ?と渡してみると……味付けこそ塩だけだけどイカのポテンシャルはそれで充分発揮されたらしく。
 お、いい反応、とこちらも焼き立てのゲソをぱくっと頬張ると。やっぱあつあつ、と目を白黒させつつ。

「んねっ、うまいっしょ。イカぱねぇでしょ。このむちっとした触感がいいんよねえ……わたしどっちかというと魚介派……」

 イカを伝導できた……今日はそれで満足である。彼のBBQにレボリューションしてしまった。だけどエビはイカより地位が低いのか?否。断じて否。
 次はエビが焼けたよ、と人参もいいかな、と野菜を挟みながら魚介を食していこう。
 その間にひき肉の挟み焼きがじゅうじゅういってきたので。

「あ、焦げちゃう焦げちゃう!」

 そっちも早く食べちゃわないと…!となかなか二人では忙しい作業である。

オズワルド > 「男はそういうもんだろー。
 背伸びしないと見れない景色は、一緒に見たじゃんな。」

背伸びしてナンボ、それに届こうとしてナンボ。
それで見える景色は、美しいし、見てて楽しいし、少なくとも街で適当に働いてるより気分が良い。

「ついでに言うなら焦げる前になー。
 エビ嫌いじゃないけど崇拝はわからんわ…。
 …貝殻の名残が体内とかマジ異世界の生き物じゃね?」

一体どうやったらあの硬いもんを飲みこもうと思うのか。
とまれ、受け取ったナイフは、汲んできた水が入ってるバケツに突っ込んで、大雑把に洗っておく。ジャッジャッ。

「マジ? じゃあすぐ食わねえとか。美味いうちに食っちまおう
 …すぐ食わないとやべーもん多くね?エビもそろそろだろ。」

言いながら、追加の南瓜やら人参やらが焼き目ついて来たらひっくり返し。

「魚介美味いのはわかるわぁー。この汁ッ気でパンいくらでも食えるしな。」

そんな会話を交えつつ、魚介と野菜を食い進める。
人参もほっこり焼けててうまいぞ、とお勧めもしつつ。

「やっべ、肉焦げるのはもったいねえ!
 一口で食うのは無理だろうしナイフで切るわ。」

ざっくざく。焦げる前に食べきれるように、一口で食いきれるようにナイフで半分に切り分けるひき肉の挟み焼き。
そいつも串にぶっさして口に突っ込み。

「あっふ、あふ、」

もっぐもぐ。肉汁うまぁ…。
もぐ…もぐ、ごくん。

「肉と茄子は…最高だな…そろそろもろこしも焼くか。」

じゅぅ~…魚介、肉、野菜の焼ける音が静かに響く…。

ティアフェル > 「男一括りにしすぎでしょ。そんな一種類しかいない生き物でもあるまいに。
 あーね。まあ……確かに背伸びは背伸びだったかな。わたしは便乗しただけだったけど」

 自力で見たというよりもガイド付きの背伸びだったから……ちょっとずるい背伸びだったかもな、と思い返しながら微苦笑気味に肯いて。

「それな。ちょっと苦いくらいならいいけど、最終的には炭だもんな気をつけよ。
 いいよ、あんたはイカ食ってたら。
 海の世界が陸の者にとってはすでに異世界でしょ。いくら冒険者でも未知の領域よね」

 その深部まで潜っての冒険はかなり難しい。
 鰓呼吸できない哺乳類には近くて遠い世界。切って焼いて洗ってと良く動くなと感心しながら見やり。

「そうそ。――BBQは割と忙しいもんよ……でも、ほんと、おっつかないな、食べるの!」

 焼き立ては熱いからそんなに早食い出来ないし。
 てか、明らか焼きすぎ! ぎゃあ、もう焼けてる!と焦ってエビを引き上げ。冷ましてぱくっと頬張ると。

「んんぅ~~っ、エビ、最っ高…!」

 適当に焼いてもエビ様はやっぱりおいしい。ぷりぷりして旨味が強くて堪らない。目をくの字に細めておいしい…とエビ女幸せに浸る。
 そして魚介についての感想にはうんうん肯いて。

「よねえ、なんというか旨味が強いのよね。お肉もおいしいけど……魚介はもたれないのもありがたいし、ついでにカロリーも低め」

 食べ過ぎで悩む女子にはありがたいたんぱく源。
 人参を勧めてもらってほんとだ食べごろ!と引き上げて。はふり、と口に入れると、あっつ!とまたやってしまった。
 口火傷する…と慌てて水筒をバッグから取り出して。

「そうだそうだ、急げー!まだ食べごろな内にお腹に入れるんだ!
 わたしも食べよ。っはっふ……めちゃ熱…っ。
 っぁ~……でも確かに……ナスと油って相性いいよね。玉ねぎもまたいけるんだこれが」

 ナスが肉汁を吸ってひき肉に茄子の旨味も移って相乗効果で旨い。
 玉ねぎも少し焦げ目なところがまたおいしくて、結構食べれてしまう。

「オクラもいい頃よね。あぁ~もう、お腹いっぱいになってきた~」

 と大分食べたので…野菜は全部食べ切れなかったかも知れない。
 もうそろそろギブぅ……とお腹を押さえ始め。
 水を飲んでふう、と息を吐き出し、そんな感じでBBQは満腹で幕を閉じるのだろう。
 その後の後片付けがちょっと億劫なまでが醍醐味か。協力して片付けていくのだろうけども。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティアフェルさんが去りました。
オズワルド > 「男なんて全員ドスケベでヤリチンで背伸び上手だよ。」

ほぼ自白である。

「まあそっちの金で買ったエビだし良いけどさあ。イカ美味いし。イカと肉ありがとうな?
 海の冒険は戸板一枚下は地獄って言うしな。水魔法でもつかえねーと関わる気にならんわ。」

風魔法は役に立つらしいけどさあ、とかなんとか。冒険話もぽんと投げ込んだりもしながらBBQは続く。
ほっこり焼けた人参は甘くてうまいし、オクラも良い感じにアチアチになってきたのが美味い。

「でもよぉ、この追っつかなさを追いかけ続けてアッツイの食うのがBBQの醍醐味じゃね?
 エビうまそうに食うなお前~。オレも食いたくなるだろぉ?」

言いながらイカを食う。今度はげそのトコ。味濃いなコレ!って驚く一幕もあり。

「あぁ~、わかる。タマネギも美味いよなあ。火ィ通したタマネギと肉にしか出せない味ってもんだあるよ。
 でも俺はやっぱ野菜が一番うめえと思う。」

おくら、かぼちゃ、人参、口を冷やすのに水で冷やした胡瓜。
自分で野菜を用意しただけあってガンガン食べる。
最終的には、南瓜もすっかり食べつくして、野菜も看板。ごちそう様!

「片づけはやっとくから別に手伝わなくても良いぞ?」

なんて言いはするけれども、それで相手が手伝わないということもない気がするので。
最終的な面倒な焦げ付き落としなども手伝ってもらったかもしれない。
ともあれ、今日の一日の締めくくりには、満足なBBQであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からオズワルドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリルアさんが現れました。
リルア > 「ん~……」

平民地区にある小さな酒場。
隅っこの席で固いパンを齧りながら、先程ギルドから取ってきた依頼書数枚をテーブルに広げ、見下ろしている。

「単独じゃちょっとキツそうだな」

ひとりごち、ほぅ、と深く息を一つ吐き出した。
依頼自体は討伐であったり採取であったり、シンプルなのだが…
とかく量が多い。複数の採取地が記載されていたり、討伐ターゲットが複数指定されていたり。

1人で全て回っていると時間がかかりすぎる。とはいえ相棒も今はいないので、誰か見繕うしかない。
面倒だなぁ、と溜息混じりに視線を上げて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリュミエールさんが現れました。
リュミエール > 一仕事終えた帰り。素直に住み込み宿に足を向ける事に抵抗を覚えて向けた爪先の方向は飲み屋街。

「ちょーっとだけ、今日は頑張ったし。うん。」

客引きや賑わう店を通り過ぎ足が止まったのは落ち着いた小さな酒場の前。その扉を開けば、賑わってはいるものの比較的落ち着いていそうな店内に安堵の吐息を。
そのまま給仕の手で席へと案内される。独り身である事から配慮されたか、通された席には先客。
テーブルに色々と広げる先客へ、給仕より『相席でも宜しいでしょうか?』との問いが。

「あら、同業みたいだし、お邪魔してもいい?」

そう給仕の声に続くように先客である彼女へと声を。彼女が広げる紙には良く見覚えのあるものだから。

リルア > 「ん? あ、どうぞ~」

給仕から声をかけられれば、笑って応対しながらテーブルに広げた依頼書をささっと拾い集め、傍らにまとめて置く。
改めて相席の客に視線を向ければ、褐色肌の美女。
思わずその革鎧に目を惹かれつつ、向かい側にある席を促す。

「同業…ってことは、冒険者? へへ、あたしは学生と兼業みたいなもんだけど」

よろしく、とにこやかに。
片手に持っていた固いパンの残りを口に放り込み、飲み込む。

リュミエール > 「ごめんねー。仕事吟味の邪魔しちゃったかな。」

テーブルの上を整理し始める様子に軽く手を合わせて向かいの席を促されれば給仕にも軽く頭を下げつつエールとナッツを注文。
それから腰を下ろして向かい合う相手へと視線を向ければ、問いかけに腰のレイピアを軽く揺らして見せて。

「本業の方が忙しくて最近は中々出られてないけど。冒険者もやってる……けど、やっぱり片手間ね。」

よろしく。と笑みを浮かべて言葉を返すも、硬いパンだけの食事に少し首を傾がせると。

「私も食事まだだし、何か食べる? 果物でも、お肉でも?」

一人で食べるには酒場の食事は少し多いから、一緒にどう?なんて誘いメニューを眺めているうちに、届いたエール。そのジョッキを両手で持つと口元へ。

リルア > 「あは、全然大丈夫だよぉ。並べてたやつ、どれもあたし1人じゃ難しいかなーって依頼ばかりだったし」

示された腰のレイピアを見、なるほど…と頷く。
頬杖をつき、注文を受けて下がっていく給仕を何となく見送る。

「冒険者が本業、というわけじゃないんだねぇ。ま、あたしもそうだから人のこと言えないけども」

冒険者一本で稼ぎ、食べていくには相応の腕が必要だろう。
いずれそうなりたいもんだなぁ…なんて思いつつ、パンを噛み砕いているとそこにかけられるお誘い。

「ん、いいの? じゃあ折角だから…」

ありがたく乗っかり、一緒になってメニューを覗き込む。注文したのは肉入りのシチュー、それとエール。

リュミエール > 「最近のはどうしても、それなりの人数が欲しい依頼が多いしね。 一人だと薬草摘みとかの採取系ばっかりで……。」

だから、兼業に行きついてしまう、勿論パーティー等組めるなら理想ではあるのだが、目の前の彼女の様に若そうに見えるだけでも足元を見られるだろう。

「まぁ、本業は本業で楽しいし、皆優しいから私は最近、それでもいいかなって思ってるけど。友達と依頼を受ける事もあるしね。」

軽く肩を竦めて見せる。冒険者になって自由に、活発に人生を謳歌したいと思った事もあったけれど、
今の安寧もいう程悪くはないと思えているから。

「ん、じゃぁ私もそれにしよう。 あと、ブドウ少し頂戴。」

そんなこんなで注文をして、他愛もない話をしているうちに彼女にエールが、シチューが届き、
少し飲んでしまってはいたが、ジョッキを彼女へ向けて持ち上げた。

「私はリュミエール。 偶然の出会いに乾杯、とでもしておく?」

そう冗談めかして笑いながら、彼女も掲げたならばジョッキ同士を軽くぶつけよう。