2025/07/25 のログ
■ルルマリー > 相手から身を剥がせば漸く、少女の方も落ち着きが生じてきた。
ぺち、ぺちり。すっかり火照った頬を軽く掌あてがってクールダウンしつつ。
「ぁ。いつもは花を売っているん、ですけれど…
今日はたまたまお手伝いで野菜を売りにきていて――…
わぁ。祭、ですか。 依頼が成功したお祝い、みたいな…?」
今だって十分賑やかくて興味深いのに、男の言う宴の夜が想像つかない。
一体どんな賑わいなのだろう、と想像を巡らせながら
思わず店内見回して―― ほぅ、と感嘆をちいさく鳴らし。
そして相手の言葉を聞きながら――さらに補足が片割れの冒険者より交わされれば、
小娘の双眸が、青年の容貌に添えられて、吃驚したように瞳がまあるくなった。
「!! ぁ、あの!そうしたら、 トニーさま、と呼んだ方がいいのでしょうか…っ…?」
■ケストレル > 落ち着きを取り戻しつつある少女の様子に、内心安堵して胸を撫で下ろす
どうかこのまま穏便に、何事も無く少女がギルドを後に出来る様にと密かに願う……が、果たして願いが叶うのだろうか
「へえ、なるほど、お手伝いでか……偉いねえ
花売りが本業なら、機会があれば一つ買わせて貰いたいもんだ
そ、成功祝いでパーッとね、報酬の8割くらいはそれで飛ぶんだ」
難儀な職業だよ、と心底愉快そうに笑う
その難儀者の中には勿論自分も含んでおり、それを恥じるつもりは更々無い
店内を見回す少女に、いつか居合わせられると良いねえ、なんて目を細めて
「っ、んもう……いいよ、そんな気を使わなくて
俺は家督を告げる立場じゃないし、気儘な冒険者の方が性に合ってんだから」
ルルマリーの驚きの表情と呼び方を問う言葉に、ほらこうなるから、と苦虫を頬張った顔で片割れへと非難の眼差しを向ける
片割れの冒険者は悪びれる素振りも無く、飄々とそれを受け流した挙句、
『悪かったって、トリーがあんまり兄貴風吹かしてるからつい、な? これで許して?』
と、少女の背後から窮屈そうに柔肌が納まるドレスの胸元をずり下げてしまおうと試みる
それが成功してもしなくとも、乗合馬車の時間を理由に、そそくさとその場から逃げ去ってしまうのだった
■ルルマリー > 「じゃあ、またぜひ今度… っ。
つ、次にくるときは、お花も一緒にもってくるので、そのときに――…」
青年の言葉に、少女が漸く、緊張を少しばかり解いて頬を綻ばせる。
はにかむように少しわらって、こくりと頷いてみせて。
「いつか、そういう賑やかなギルドも見てみたい、です。
ぇ、ぁ、でも――…… 貴族さま、にわたしなんかが気安くする、のも…っ…
ぅ、 あ。 ぇっと、――――…じゃあトリーさん、で。」
青年の表情が僅か苦くなったのを、ほんのりと少女も察した。
他ならぬ本人がそう言っているのだから、きっとあまり畏まらないほうがいいのかも、と、
空気を読んで告げたとき。小娘の背後から彼の共連れの腕が伸びては―― 少女の着衣の胸元を引き下げる。
少女すら、何が起きたか分からない一瞬に、
――――ぷるんっ。
たわわに過ぎる乳房が、その仄かな乳輪の色づきも、ぷっくり膨れたニップルも。
何もかもが青年の視界に露わになった、途端。ふと下を向いた少女が、
ぶあっと体温を急上昇させ。
「 !???!??? 」
ひぁ、 とか細くひと声のあと、声無き悲鳴ヒトツあげ。
途端。 ――――… ぱ。 と奇跡のように小娘の姿が消失する。
あまりのことにやらかした、自分でも御せてない小娘の特殊能力――空間転移。
転移というからには、見知らぬ何処かに胸元丸出しで出没してしまうのだろうけども――
そして少女がまたてんやわんやの大パニックに陥るのは大確定なのだけども――
それはまたきっと、彼の知らない別の話であり…。
■ケストレル > 「ああ、その時はよろしくお願いするよ
まあ必ず居ると約束出来ないのが、冒険者って立場の悪いとこなんだけどさ」
おどおどびくびくしている姿も庇護欲がそそられる愛らしさがあるけれど、
やっぱり女の子は笑顔の方が良い、と咲いた笑顔に対し思う
「もしその時俺も居たら、ジュースか何か奢ってあげようか
賑やかなのが嫌いじゃ無ければ、雰囲気だけでも十分楽しめるだろうしさ?
ホントにアイツは要らん事言って……
ギルドに居る時は、俺はただの冒険者、ケストレルさ
だから……うん、トリーって呼んでくれた方が嬉しいな」
複雑な事情を抱えることが多少なりと伝わったのか、呼称から堅苦しさが抜けると安堵したような笑みを浮かべる
同時に、余計な事を告げた旧友にも謝罪をさせようとした矢先、
「……ッ!?」
極力意識せずにいたものの、終始意識の端で存在を主張していた双丘が、目の前でまろび出る
直前に旧友の手の動き、という視線の誘導もあり、少女が気付くよりも先にたわわな全貌を確りと目に映していた
服から零れた肉鞠の勢いが波打つように揺れて落ち着いた後、少女がそれに気づくまでの僅かでも十分過ぎる時間、視線は釘付けとなる
「っ、でっか……」
思わず呟くのが先か、少女が声にならない悲鳴を上げるのが先か
ともあれ目に焼き付けた直後、少女の姿が瞬間的に消える
あまりにも一瞬の出来事で、理解に遅れたケストレルだったが、我に返ると辺りを見回し
「あれ? マリーちゃん……?」
果たしてどこへ消えてしまったのか
ケストレルには与り知らぬことではあるし、その後少女がどうなったかも知る由もないところではあるが
次に会えた時は、誠心誠意謝ろうと固く決意するのだった
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からルルマリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からケストレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシュティレさんが現れました。
■シュティレ > 久しぶりに、来たと言って良いのでしょう、ヒト達の国、ヒト達の町。
今宵もまた、夜だというのにヒト達は、道を行き来していて、活気にあふれております。
美しい光景と言えるでしょう、楽しげに笑う彼ら、お酒に酔い、明日を信じて疑わない彼ら。
ヒトの営みという物は、短い命だからこその輝きを持つと、私はそう思います。
今まで、ヒトと会う事がほとんどなく、知らなかったからこそ、ヒトを見下していましたが。
今は、私はそうは思いません、私の教わった技も、ヒトが磨いた技術、なのですし。
愚かな物も居るのでしょうが、相対的、全体的に考えれば、見くびるべきではない、そう評価します。
「――――はぁ。」
そう考えると、逆に。
逆に、ですが、私たち血族は、余りにも、因習、慣習にとらわれているものなのですね、と。
長命ゆえに、発展や進化が遅く、長い中を怠惰に暮らす。
それも、それで良いのでしょう、現に、私もそれが良いと、今も思います。
ただ、行き交うヒト達をみれば、その輝きに触れれば。
もう少しだけ、急いでも良いのではないでしょうか、という気にも、成るのです。
思考をしていては、行き交うヒトの邪魔になりましょう。
特に目的は定めてはいませんが、私は、ヒトの流れに沿うように、ゆるり、と歩き始める事にしました。
■シュティレ > ヒト達に紛れて、私は歩いていきます。目的はないので、ヒトの流れのままに進むだけです。
それでも、目に付くものはあります。
楽しそうに、笑いあう男女、恋人でしょうか?
BARに入っていく人々は、労働者だと思います。
冒険者と呼ばれる、戦闘階級のヒト、恐らく依頼を終わらせたのでしょう、ボロボロですが、意気揚々としています。
そんな、ヒトの暮らしという物が、ここに集まっているのです。
私は、そんなヒトたちを、観ています。
歩きながら、止まらずに、進み、観ています。
羨ましいのでしょうか?自問してみますが、答えは出ません。
こつ、こつ、と歩くたびに石畳を踏みしめるヒールの音が聞こえます。
周りのヒトの噂とか、楽しそうな笑い声が聞こえます。
喧噪という物は、ヒトの特色ではありますが。
私は、静寂が欲しく思うのです、お役目があり、ヒトの中に、町の中に居ますが。
喧噪だけは、慣れないものです。
それを顔に出すほど、幼くはないと自負しておりますが。
意識がそれました。
私は、ヒトの生活を、観ながら進み、そして、一つの場所にたどり着きました。
―――BAR―――
考えてみれば、そうです、ヒトは、仕事の後は高確率でここに来ます。
ヒト歩みの流れに乗れば、此処に着くでしょう。
なので、私は、その流れに逆らわず、BARに足を踏み入れました。
■シュティレ > BARの中は、とても騒がしく、とても楽しそうではあるのです、そう、楽しそうなのです。
足を踏み入れたからには、何も注文せずに出るのは無粋、その位は、私も知っております。
なので、楽しそうに踊る踊り子を、物語を紡ぐ吟遊詩人の脇を滑るように進みまして、席に着きます。
「ワインと、ハムを。
白パンもあれば。」
私は、血族ですが、血を吸うだけではありません。
食事でも、精気でもどちらでも活動は出来ますし。
何も摂らなくても、活動に問題はありません。
それでも、購入する、という事が経済活動という事は知ってますし。
ヒトの食事は美味しいのです。
美味しいものを食べるのは、とても心が温まります。
なので私は。
暫く食事を堪能し、終わったところで、代金を払い移動することにします。
今宵のお話は、此処まで、です。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシュティレさんが去りました。