2024/09/16 のログ
ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」」にジェイミ・アイニーさんが現れました。
ジェイミ・アイニー > 欲望の街ナグアルと呼ばれる街にも秩序があり
一応は秩序を守っている側の双子
その双子の耳には色々情報も入ってくる


「んー?人間の街の犯罪者?」
『また面白そうなお話しですね…』

中央区の警邏の途中、道行く魔族からの噂話だ
面白そうな相手なら絡んでみるのもいい
しっかり覚えてからまた歩き出す

「砦に行ってみるのもいいなあ」
『あそこはいつも騒がしいですからね』

くすりくすり、笑いながら今日も双子はゆったりと仕事?をしている

ジェイミ・アイニー > 歩いている双子の周りには、ぱちぱち、ぱちぱちと魔法の火花が小さく舞っている
遊びまわっているように見えても、自分の地区…というより序列を守り、勝ち取るため常に魔力の修行とも言える行為を行っている
火花は双子の魔力であり、ぶつけ合わせることで新たな双幻魔法を生み出せないか思考錯誤している
膂力自体は大したことが無いからこそ、戦い方を狡猾に、多彩にしていくのが目的だ

「お?今の反応良い感じじゃなかったか?8個前!」
『そうですね…ただ制御するのが難しそうです』
「あはは、そこはなんとかなるだろ~」
『ふふ…ええ、暴発しても面白そうですしね』

半秒に1回ほど瞬く火花の中で新たな反応を探っていく
頭で考えることもできるにはできるが、この方法が双子には合っている

こうしてまた、新たな双子の悪戯の素が出来上がっていくのである…

ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」」に”徒花”ジョーさんが現れました。
”徒花”ジョー >  
この街に来るのは主に旧友に会いに来るのが目的だ。
ジョーには種族問わず、多くの知り合いがいる。
こびりついた記憶の断片、それが示す縁を
頼りに、暇な時に顔を見せている。
ただの安否確認。それ以上の事はない。
ただ、此処は腐っても魔族の国。
外面だけ人間である以上、トラブルは避ける。
面倒はごめんだからこそ、フードを目深に被り
人間としての匂いは消して、魔族の群れを通り過ぎていた。

「……? 魔力……。」

そして、魔術師(しんえんあるき)の端くれであり、
ジョーは枯れていても好奇心はあった。
肌に感じる魔力の反応に、自然と足が向いた。
其処には何時ぞや見た双子の魔族がいた。
花火のように交わる魔力が美しく、
変幻自在に大気を彩っている。
フードの奥、露骨に表情が強張る。
参ったな、面倒な相手が見えてしまった。
だが、使用者はともかく、その魔力の本流には興味がある。

「二人合わせて、か。
 悪くない手法だが……、……いや……。」

いや、考察より絡まれるほうが面倒だ。
踵を返し立ち去ろうとしたその瞬間、

\べきっ!/

あーっと、何故かこんな所に小枝が。
思い切り踏んづけた音が辺りに響き、思わず足を止めてしまった。

ジェイミ・アイニー > 街を傷つけない、などの最低限のルールさえ守られれば
犯罪者であろうとなんであろうとこの欲望の街は受け入れている
それが成り立つのも、十二の支配者たちがそれぞれの"力"を示しているから
そういった事情もあり…怪しげなフードが居てもいつも通り、今回も注目はされてはいなかった

「ん~、でも形にならないなー」
『現象として表すのには向いていない反応かもしれませんね…』

双子もまた、自分たちの仕事をしながら修行をしていたため、まだフードには気づいていなかった
けれど、何か音が鳴ればそちらに気をかけてしまうの単純さが、双子の視界にフード姿を入れた

「あ!不思議爺!」
『あら…ひょろ爺さん…。またいらしたのですか?』

フードを被っているとはいえ、依然感じた雰囲気を見逃すわけはない
面白そうな相手として記憶しているなら猶更だ
わざわざ風の魔法まで使って、砂埃を撒き上げながら…ぎゅん、と近寄って来る

もちろん体当たりなどするつもりはなく、手前で止まってきらきらした目線を向けて

「なあなあ、また遊びに来たのか~こんなひょろひょろでよく来るよなー」
『今回はどこへ向かうのですか?…八区はいつでも歓迎しますよ?』

いつも通りのテンションで青年にウザ絡み
ただ、この二人が誰かに絡むのは日常茶飯事であるから多少見られはするもののがやがやと騒がしくはならないだろう
さらりと自分たちの区画へ誘うあたり、かなり気に入っているのはとてもわかりやすい

”徒花”ジョー >  
ああ、見つかってしまった。
逃げようと思ったが、一瞬の考えが命取り。
わざわざ砂埃を巻き上げて、行く手を遮った。
風の魔法か。何にせよ、わざわざ律儀な事だ。
こんな世捨て人に構うほど暇だとは、思うまい。
観念したかのように、フードが風に撒かれて外された。
色の抜けた白髪を揺らし、翡翠色の片目は呆れの色。

「爺爺と、相変わらずだな。
 外面はあれ以来成長していないんだが……そうか。」

不死者となったあの日から、姿形は変わりない。
とは言え、色は多少"抜けて"いる。
彼女達の言う爺というのは、外面ではなく内面だろう。
枯れている。ズバリその通りだ。
多分そのへんの爺さんのが精力旺盛だろう。
それくらい雰囲気だけなら、力ない。

「旧友が多いからな……特にマリアと、その親族の様子はよく見る。
 その程度しか用はない。まぁ、たまに住民から依頼が来るが、その程度だ。」

ジョーは相手を選ばない。
種族など、諍いなど些細なことだ。
そこに住む者の生活で困っている事がある。
悪性が強く混じらなければ、生活の手助けをする。
ただそれだけ。社会性の潤滑油だ。
人間だろうと魔族だろうと、
この社会の支配権がどちらに傾こうが、
至極、どうでもいい話だ。
じろりと、翡翠の双眸が二人を見下ろす。

「生憎と疲れ知らずだからな。
 お前等が思うよりも、俺はタフだ。」

「その歓迎とやらは、俺を玩具にでもする気か?
 まぁ、お前等と遊んでやるのもやぶさかではないが……それよりも……。」

溜息、一息。

「さっきの魔法は?
 いや、もし思う通りなら驚いた。
 努力という単語が、お前たちに住み着いてるとはな。感服だ。」

とてもじゃないが、勉学に向いているような雰囲気ではない。
暗に小馬鹿にしている。皮肉だ!

ジェイミ・アイニー > やっぱり思った通りの人物だったと双子は不死者のテンションと反比例して嬉しそうだ

「ははっ、この前自分でアタシたちより長生き~とか言ってたからな!」
『それなら…人間基準で言えば十分爺でしょう?』

双子からすれば多分魔族じゃないよなー、くらいの感覚で人間基準という言葉を使ってから

「おお?マリアってあの娼館の?」
『一位サマの母親…でしたよね。……ますます面白いですね…』

この街でマリアと言えば…と思い至った
同時に、それを旧友という爺に更に興味が湧いた様子である
わくわくしているぞ、というオーラが双子からすごく滲み出ている

「玩具だなんて心外だな~、タフなひょろ爺とまた酒を飲もうとしただけなのに…」
『ええ、少し頭がくらくらするかもしれませんが…新商品も続々出てきていますよ』

ジェイミはなんだか矛盾したことを言い
アイニーは全くそそられないであろうアピールをする
イカれた歓楽街の八区で新商品といえば、とんでもない代物であることが大体想像できるだろう
というのは置いておいて、魔法について言及されれば双子が同時に同じ方向に首を傾げる

「ん?もしかして馬鹿にされてるか?」
『努力というより、手遊びですが…』

気付いた!
だが別に怒ることはない。こんなひょろひょろに馬鹿にされていちいち腹を立てる序列持ちではないのだ
ただ、それはそれとして

「ふふん、聞かせてやろう。アタシたちって不思議なもんでさ
あり得ないくらい息ぴったりでそれぞれの魔力も一致してるから、魔法を融合できるみたいで~」
『凹凸を合わせる必要はありますので…そのピース探しをしていたところですね』

強弱と種別を含めて無数にあるパターンからイイ感じになるパターンを探していた…ということを説明しつつ手遊びの続き
魔力の火花をぱちぱちとぶつけ合わせる様をしっかりと見せよう
この双子にとっては日課のようだ

”徒花”ジョー >  
外面も子ども、内面も子どもじみている。
確かに魔族の中では彼女達は若人かもしれない。
だが、人間よりも厄介な手合が多い。
旧友でも、気の許すラインは弁えている。
面倒はごめんだ。出来る限りは、だが。

「……そうだな。自分でも何年生きているか覚えていない。
 少なくとも、お前等みたいな"子ども"よりは長生きしている。
 今は特に忘れっぽいがな。此の街の若い頃も見てきた……つもりだ。」

無論、全てを見たわけではない。
流浪の不死者。今は定住こそしているが、
多くの世界を目の当たりにしてきた。
その分、見えていないものもある。
そういうものだ。相変わらず無愛想で、
お世辞にも口が良いは言い難い。

「そのマリアで合っている。
 昔は良くつるんでいた。アイツも気に入っていたし、
 いい女だったな。いや、ベッドの上では……、……。」

「なんでもない、忘れろ。」

だが、旧友を語るその口は思ったより饒舌だ。
遠い何処かを見ているようではあったが、
少なくとも旧友と呼ぶ以上、一定以上の主入れがあるようだ。
故に、余計なことを口走りそうになった。
は、と気がつけば咳払いだ。
いかんいかん、と軽く首を振った。

「よく言う。目が語っているぞ?
 スキ在らばお前達は何をしてくるかわかったものじゃない……。」

「……それに言っておくが、酔わんぞ。俺は。」

酒を飲むことは吝かではない。
だが、問題はそれ自体が目的とは思えない。
イタズラ好きの、性悪双子。隙を見せれば何をされるか。
ハァ、と呆れた態度を隠すことはなく、
先んじて釘を差しておいた。
酔わないから、それが目的なら無駄だぞ、と。

「…………成る程、ならではだな。」

だが、それはそれとして興味はある。
彼女達の魔法に。ジョーはその手は勤勉だ。
彼女達が再び初めた"手遊び"とやらを網膜に焼き付ける。
魔力の本流が、数々の顔を見せる。
一つのパズルだ。ピース一つ合わさると、
反応が大きく変わる。異なる性質でも、無限の可能性が垣間見える。

「興味深いな……───────。」

好機の色を宿した翡翠が、光を乱反射する。
そう呟かいたのは、無意識のうちにだ。

「……さっきのパターンで相反する反応が爆発を……、……。
 いっそ二倍と言わず、同じものをあわせて相乗効果を……。」

学者気質。
独り言が止まらない。

ジェイミ・アイニー > 相手の話を聞いて、すごくきらきらしている
他人のそういう話を聞くのは大好きである
しかも、一見そういう気配がない相手なら猶更だ

「え、なになに。めっちゃ気になるんだけど」
『ベッドの上…ということはあの淫魔女王と……?へぇー……』

にまにまする双子
酔わないと言えば残念そうにしつつ、魔力の練習を見せつける

「おいっ、見物料として淫魔女王とのこと聞かせろ~」
『それ…何かわかったなら、それも言ってくれていいのですよ?』

この魔力の操作方法は天性の才能…とも言えるだろう
双子で、かつ強大な魔族でなければ実現できない
けれど、若人であるから圧倒的に経験は不足している

ぶつぶつ言っている爺は何か気づいているのだろうかと
魔力を操作しつつ話しかけているため多少操作が危うくなっている

火花が集まり、風や火が小規模に現出し始めている
それらは不規則でありながら、新たな可能性が満ち満ちている
双子が既に技術化しているものもあるがまだまだ色々引き出しというより深淵があることは明らかであるだろう

「なーなー、爺~」
『いいでしょう?序列持ちの技術を見ているのですが?』

ずうずうしく、ぐいぐい迫って来る双子である

”徒花”ジョー >  
 
  ───────カンッ!
 
 

”徒花”ジョー >  
杖が地を鳴らし、一瞬の静寂。
一見、何かをしている様子はない。
但し、術者である双子には分かる。
自分たち以外の何かがそっと、
その手遊びに手を添えている。
それは、目の前の不死者に他ならない。
工程(アクション)一つなく、唯見ただけで、
その不安定になり始めている魔力に自らの力を添え、安定させた。
それは圧倒的な経験則。技量、積み重ね。
他人の魔力の動きを把握し、
即席で制御を手助けを出来る程度には力がある証左。

「……魔力制御は流石だな。
 だが、集中力は問題だ。
 喋るなら、片手間で完璧に御するくらいしてみせろ。
 これは、嵐だ。小さいながらも力の嵐。」

「初めからそのつもりなら知らんが、俺は巻き込まれるのはごめんだ。」

称賛すべきとこは褒める。
だが、それとして咎めるべきは諌める。
教育の基本だ。溜息を吐きつつも、
迫る双子の頭をぽふ、とそれぞれの両手に置いた。

「俺にとって、ナグアルの魔族(おまえら)が決めた序列など、
 数字以上の意味を持ちえはしない。……だが、腐っても数字持ち。
 磨けば光るものはある。……魔力の融合自体はあり得る技術だが……。」

ある程度の指標、階級制度。
そこに住むものの社会制度としてはよくある制度だ。
その理から外れた不死者の目線からみれば、言葉通りだ。
決してバカにしているわけではない。言葉以上の意味は持たない。
頭に添えられた手はぽふぽふ、子どもであやすような手つきであった。

「双子だからこその術か。
 その引き出しは深淵のように深いな。
 ……まぁ、別に所感で良いなら俺の感じたことを伝えるのもいい。」

「マリアの事も……まぁ、聞きたいなら教えてやる。
 若い頃の失敗談のようなものだ。聞いてて面白いものではない。」

「但し」

二人を見下ろす翡翠の視線が、鋭くなる。

「……学んだそれで、何をするかだけは聞かせてもらう。
 くだらんイタズラでも戦争でも、何でも良いがな。理由だけは聞かせてもらう。」

如何なる理由でも構わない。
なんであれ、理由なき事に力は貸せない。
社会の歯車でも、分別は付けねばいけない。

「それと……俺は爺ではない。
 ジョーだ。"徒花(バレンフラワー)"ジョー。」

名を名乗った。
それは不死者なりの敬意の表し方でもある。

ジェイミ・アイニー > 致命的に危なくなれば、流石に双子とて気づいただろう
けれど防ぐのではなく自分たちが操っている魔力に直接干渉されたのは初めての経験であった

「おお?」
『わ……』

驚いている様子から、わざとではないようだ
安定化を施されて乱れていたことに気づけば、徐々に魔力を霧散させて消していく

「…なんか、男だけどサテラに見えてきたな、この爺」
『ええ、更に口うるさくしたような感じがします』

魔力の火花を消した後、二人で顔を見合わせる
いくつか序列が上の存在のことも思い返し、くすりと一つ笑う
現状、序列持ちと同レベルの相手以外には今の技術でも問題ないのだろうが
双子にも当然向上心がある。でなければ、手遊びとはいえ新たな力を模索したりはしないだろう

「もっちろん聞きたいぞー」
『どちらも、非常に興味があります』

そして昔話も、技術のことについての話も聞きたい
はしゃぐ様子は、新たな玩具を買ってあげると言われた子供の様だ

「理由?理由はなー……アタシたちの区域をもーーーっと楽しくするためだっ」
『ご存じでしょうが、この街ではより大きな数字を持っていれば影響力もまた大きくなりますよね?』
「なら!アタシたちが強くなれば…うちに来たやつらがもっと遊べるだろ?」

野心が理由だと告げる

彼女らは、酷い出来の歓楽街を作ってはいるが区域に住む魔族たちのことは気にかけているが故の欲望である
勿論それ以外にも細かく…キモチイイことに対する欲望などもある
子供だからこそ、これがしたい!という欲望のために遊びのように研鑽できる

「ジョー…ジョーか!呼びやすくていーなー
ん?そういえば名前も言ってなかったか?アタシはジェイミだ」
『…そういえば、そうですね。私はアイニーです。ジョーには興味はないかもしれませんが?』

嗤う双子の目は、期待に満ち溢れていた
こちらが言ったからには、話を全部聞くまで逃がさないぞーという目線だ!

”徒花”ジョー >  
ハァ、何度目かわからない溜息が漏れた。
記憶を呼び起こす。否、正確には辿る。
確か、名乗られてはいないが出会ったことがある。
此の街のことはそれとなく調べている。
そのうえで意外な出会いだった。
脳裏に映ったのは、あの魔族の娘だった。

「……生憎俺は、あの娘より優しくないし、
 口煩さは十倍だな。同一視するな。奴に失礼だ。」

所詮はただの世捨て人。
どんな形であれ、社会に居座る者と比べるべきではない。
火花が消えれば、風に攫われて不死者の力も消える。
息を吸うのと、何ら変わらない行いだ。

「……成る程、野心か。
 内容はままごとのようだが、生きる上で悪くない。」

如何にもらしい理由だ。
欲望の街に住まう数字持ち。
人間も魔族も、不死者から見れば同じ者。
どちらも欲望が原動力だ。
醜さではない。生きる上で、必要なことだ。
じ、と見下ろす翡翠は、それこそ子どもを見るように穏やかだ。
頭に乗せた手が離れると思えば、同時に双子の額を小突いた。

「馬鹿を言え。名は重要だ。
 遥か東の国には、"名は体を表す"という言葉がある。
 祝辞もさながら、時には他人を呪うことにも使われる。
 ……つまり、名とはそれそのものを表す重要なものだ。」

物も、者も、名があるからこそ存在できる。
それを覚えるという事は、思うよりも重大なことと捉えている。
記憶に留めるということは、悠久の刻を生きるものにとって、
その者が生きている事を証として背負う事になるのだから
不死者として、真っ当な考えであり、
同時にジョーが名乗らないのは、その裏返しでもあった。

「ジェイミに、アイニーか。
 ……こっちが、ジェイミで、こっちがアイニーか?……ん?」

指差し確認。おじいちゃん、逆逆。

「まぁ、良い。俺は約束を破らん。
 ……さて、まずは何処から話すべきか……。」

コンコン、と杖を叩けば地面が隆起する。
簡易的な椅子。きっちり背もたれまでつけるのが律儀さだ。
なにせ、座学ならともかく、思い出話となると、長い。
静かに椅子に腰を下ろし、顎に指を添えて思案顔。

「……所感ではあるが、俺の言うべき事は意外にもなにもない。
 一人で行うならまだしも、"二人分"だ。俺は見ての通り、一人だ。
 大して参考になるようなものはない。が……強いて言えば、やはり精度か。」

「制御の質を上げれば、自ずと解への余裕が出来る。
 組み合わせを広げる余裕が出来そうだな、と。
 後は、そう、敢えて逆の択を選択する。
 合体ではなく、反発。拡散の力。……勿論、制御出来なければ自爆一直線だ。」

「後はお前等のコンビネーション次第だが、
 双子の容姿を生かした入れ替えのフェイントも敵を欺く上で面白そうだ。」

「……まぁ、こんなところではあるが……、……。」

露骨に表情が嫌悪感が交じる。

「やはり、マリアとの話のが気になるか……?」

ジェイミ・アイニー > 「ははっ、でも鬱陶しくはないんだよな~、いてっ」
『なぜでしょうね…?あう』

理由を鼻高々に告げて胸を張ったが、撫でられていた頭を小突かれて頬を膨らませる
何をされても黙っている…というわけでもないが、小突き程度で激昂するわけでもない

「あはは、おいおい~、説教するならちゃんと覚えろよな~、ア・タ・シがジェイミ」
『…私がアイニーですよ。平時は惑わす意味などありませんから、服装でも見分けらます』

指さし確認しても間違っている様子を見てけらけら笑う双子
平時はジェイミが溌溂そうなボーイッシュ服装、アイニーがひらひらドレスである
という今更ながらの事項紹介を済ませた後

「お~、なるほどなー…制御はれんしゅうちゅーだけど、確かにばちばちーってさせたほうが力は強いもんな」
『今は水と火などの反属性でも融合できるのをメリットとしていますが、逆……参考になりますね』

"授業"に関しては好感触である
序列持ちの魔力を反発させて制御に失敗したらどうなるかは想像に難くない
それが本能でわかっているから無意識に選択肢から除外していた
非常にためになる話だったのは間違いない

そして後は思い出の話だが

「おー、凄ーく気になるぞっ、ただ、長ーくなりそうなら宿屋いこ~っ」
『ええ…お酒ではなく、お好きな飲み物を用意しますよ?』

これはゆっくりと話をしようと提案してみよう
彼女らが管理する場所に案内しようとするが、一応八区にもまともな飲み物くらいはある
そこで根ほり葉ほり聞こうという算段である
そして…そこに行くにしろ、行かないにしろ
昔話で双子の好奇心を満たせば、上機嫌で見送りもすることだろう――

”徒花”ジョー >  
「……、……そうか、そうだな。」

記憶がざらつく。脳裏にノイズがかかる。
不死の代償。記憶障害。
思ったよりも影響が出ている。
寧ろ最近早まっている気もする。
いや、そんなことはないはずだ。
どのみち、記憶がなくなるだけ。
空っぽの某が、そこに残るだけ。
彼女たちには何の関係もない。
静かに首を振り、気を取り直す。

「ジェイミ、アイニー。
 何事も経験だ。お前達には実戦も足りない。
 ……俺の手が空いてる時たま、相手はしてやる。」

下手に戦場に出すよりもそのほうが速い。
なまじ、長く生きてる分力ばかり有り余っている。
ほんの少し憂鬱そうにしつつ、一応付き合う気はあるらしい。

「わかったわかった……聞かせてやる。
 ……言っておくが、酔いつぶれてくれるなよ。」

仕方がない。言ったのは自分だ。
今日は彼女達に時間を預けるとしよう。
その夜、それはもう破廉恥でエロティックで、
ほんのちょっぴり泣けるようなお話を聞けるとか聞けないとか……。

ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」」から”徒花”ジョーさんが去りました。
ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」」からジェイミ・アイニーさんが去りました。