2025/05/22 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中(過激描写注意)」に宿儺さんが現れました。
宿儺 >  
「──ふん。他愛無い」

曇り空、その曇天の下。
九頭龍の山から吹き下ろす風はその日、実に血腥いものだった。

女鬼の足元に転がるは屍。
出立ちを見れば冒険者か傭兵の類である戦士であることがわかる。
それが、2つ…3つ。

女鬼の手指、爪には血と脂が絡み、さも退屈げにそれを舐りあげる様はまさに人喰らいの怪物に他ならない。
賞金に目が眩んだか、義憤によるものか。討伐に赴いただろう者達は斃れ、足元に伏す。
一太刀は浴びせたのだろう、女鬼の身体、その正面には浅くではあるが太刀筋が残り、僅か赤黒く血を滴らせたいた。

「──さて、赤子か女子の類なれば喰らってやっても良かったがのう」

先の日、全盛の姿と力を取り戻した鬼はその気性もかつての人喰いに近しいものになっていた。
鬼が人を喰らうは当然とし、より美味を求めこそすれど、人を食うことにまるで抵抗を感じる様子は見えない。