2025/03/10 のログ
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ご案内:「魔族の国・魔物の巣穴(過激描写注意)」に宿儺さんが現れました。
宿儺 >  
──以前訪れた折、確かな強者の存在が匂った場所が在る。

過酷な環境である魔族の国に跋扈する魔物は、
王国領内の魔物とは一味も二味も違い、その凶暴性も推して知るべしである。
狩り、喰らうには留まらず、十分な好敵手たる種の魔物が多く存在する魔族の国では、強敵は知恵ある強力な魔族に限らない。
故に牝鬼のよき遊び場となっていた。

「ふん」

何かの頭蓋が圧し砕ける音が暗闇に響く。
牝鬼が鼻を鳴らし踏み砕いたのは、子鬼の頭蓋。
力ませで負ける気はしないが、ゴブリンといえど武装し知恵をつけている。此処では油断のならない相手である。

しかし、凡そそれらはより強力な魔物の尖兵である。

「さぁて。何者がおるのは確実だが…? 鬼が出るか、蛇が出るか──」

細身ながら屈強な体躯を鬼火が薄青に照らす。僅かな灯りでも鬼の爛と輝く瞳は暗闇を見通すことが出来る。
風の流れも、このさきに大きな空間が広がっていることを教える。

ビリ、と肌にヒリつくような感覚は、百戦錬磨たる宿儺だからこそ感じ取ることの出来る──とびきりの強敵の気配。