2025/01/31 のログ
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ご案内:「魔族の国(過激描写注意)」に宿儺さんが現れました。
宿儺 >  
魔族の国、広がる魔の森に鬼はいた。

「ほほうこいつは……」

血の匂いに誘われ訪れたのは、剥き出しの岩肌が見え隠れする森の奥深く。

あたりに魔獣の骨が転がり、岩肌に刻まれた爪の痕などが激しい戦闘を想起させる。

「大型の獣のようにも思えるが、何者かに喰われたか」

ふむ、と拾い上げた巨大な骨は一部が噛み砕かれ、その獣が喰われたのだろうことを匂わせる。
どうやら、村や集落に現れれば脅威にもなり得るだろう巨大な獣を狩り捕食する何かがこの森にはいるらしい。

そうとなれば心躍る。岩肌にどっかりと腰を下ろし胡座をかけば、腰元の酒瓶を手をがぶがぶと飲み始める。

「っぷぁ……どれ、しばしこの森で遊んでみるとするか」

まだ比較的新しくも見える魔獣の骨や痕跡に、しばしその場で酒盛りをはじめようという女鬼であった。
あたりからは魔物の気配こそすれど、此処で起こったのだろう闘いを知っているのか、鬼の気配を察知してかは定かではないが、矮小な魔物が寄ってくる様子はない。
訪れるのであれば、相応の戦力を有した強者か、あるいは知恵のない愚か者か──。

ご案内:「魔族の国(過激描写注意)」にキメラオークさんが現れました。
キメラオーク > 雌の匂いだ――

そんな音が、ざわざわと木々の間を抜けていく
骨となっていた獣もまた雌
繁殖を前にして肥え太っていた種だったが、それ故に狩られた

狩ったのは、鬼と同じく森の外から来たモノだ
古い魔族に玩具にされ、雌に対する復讐者と化した真っ当な生き物かすら怪しい気配

雌獣を食って、この場を離れる予定だったそれは、新たな雌の匂いを嗅ぎつけてその場に戻ってきている
ずん、ずん、と。
軽い地響きと共に、木々をへし折り、進む、進む

そのまま鬼が酒を呷っていれば…すぐに出会えることだろう
森の中の怯える小物を蹴散らして姿を現したのは…どちらかといえば後者、愚か者側だ

ただ雌というだけで理性なく襲い掛かる、ケダモノというにもおこがましいモノである
衣服すら纏わず、雌という存在に屈辱を味合わせるためだけに存在するモノが…言葉すら投げかけずその駆ける足を進ませ続ける

獣との戦いで多少傷ついてはいるが、逆に生命力は旺盛。
ぎらぎらと輝く胡乱な眼は…雌である女鬼を蹂躙することしか考えていない

「ガ、ァ、アアアアアアアアア―――!!!」

強靭な気配を纏う黒鬼に、怯むことすらなく
奇形の剛腕を唸らせ、振りかぶった拳を打ち下ろそう

防御が遅れれば人間など容易く肉塊にし、巨大な獣すらも打倒して食らうほどの腕力
理性を失い鬼にとっては謂れも無いであろう、憎悪や執念が籠った浅黒い拳が鬼へと襲い掛かる

宿儺 >  
地が震え、木々の折れる音が響く。
──何かが近づいてきている。

「──来たか」

空となった酒瓶を放り捨て、腰掛けていた岩肌から立ち上がる。
酒もなくなった頃合い、移動するかと考えていた折、望む相手はその場に現れた。
この場にいただろう巨獣を喰らった者に違いあるまい。

現れた者は──異形。
人の雌と比べれば大きなほうの上背である女鬼が遥かに見上げる巨躯。
そしてちぐはぐにも見えるその肉体の各部は、異形と称するに相応しい。

「くく…こいつはなかなかの怪物…。待った甲斐があったぞ」

にたりと獰猛な笑みを浮かべ立ち上がった女鬼は向かって来る巨躯の異形と相対する。

「歓迎する…ぞっ!!!」

打ち下ろされた怪腕。それを打ち払うように、女おにもまた力を漲らせた左腕を振るい、叩きつける。
肉同士が打ち合う音にしてはあまりにも弩派手な──轟音が周囲の木々を震えさせる──。

──ミシッ

「っぐ…!?」

打ち合った己の腕が軋む。──なかなかの腕力(かいなぢから)
躊躇うこともなく襲いかかってきた気性といい──まずは"肉体比べ"であろう。
叩き潰されまいと、屈強な両脚に力が籠もる。そして──。

「──しゃあっ!!!」

女鬼の口から放たれた咆哮と共に、全力の右拳が放たれる。その巨躯の胴の中心に向け、その正面から叩きつける一撃を──!

キメラオーク > 怪物という評は全く正しい
生き物の枠から外法によって外れたこの存在は、正しく怪物だろう
口から血を滴せ、獣肉を綺麗に食らいつくした食事直後と言える様相で女鬼と拳を打ち合わせ

ミシリ

怪物の骨もまた軋む
大抵の攻撃は痛痒となり得ない身体が衝撃を受けたこと
愚かにも、女鬼を一撃で倒れ伏させるつもりであった怪物が僅かな驚愕を見せた瞬間
音が聞こえそうなほど力が籠った両足から力を送った拳によって、筋肉と駄肉が混ざり合った腹に強烈な衝撃が叩きこまれる

「ごぼっ…」

消化器官すら未熟、あるいは奇天烈であるため
腹を殴られた衝撃で、怪物の口からまだ消化されきっていない獣の血塊や小さな肉片がぼとぼとと零れ落ち…衝撃で、巨躯がわずか浮き上がる

女鬼の慮外の力で、肉体には深い拳痕が刻まれ…普通なら悶絶などして動きが止まることだろう
ただし、この怪物に限っては…息の根を止めない限り、目の前の雌への執着、憎悪が止まることは無い

「雌ゥ…!コワす、こわ、ス…!!」

ぎらりとまた輝きを増す眼。
浮いた化け物の体が、奇妙にも更に浮く
位置としては、女鬼が正面を向けば怪物の脚が掴めそうな位置である
その位置で、背に生えた蝙蝠の羽がその体を宙に留め…

そのまま…、ぶぉん…!!!
風切り音を響かせ、空中でわずかに斜め下にベクトルを加えた回転により、女鬼へ…打ち下ろすように強靭な竜の尾による打擲
怪物の拳と同程度の破壊力に、今度は速度を乗せて放たれる
地面に当たれば、当然尾の長さの深い亀裂が刻まれることが予想できる一撃である

宿儺 >  
効いてはいる、か。
殴りつけた腕に確かな手応えを得る。
異形の怪物ではあるが、とりあえず殴ることの出来る生物ではあるという確信を得、鬼が嗤う。

「くくっ…ここいらの魔物を食い荒らしたのは貴様だな? ──ほう、人語を介するのか」

血肉混じりの吐瀉物を撒き散らす怪物に怪訝な視線を向ける。
多少なり知恵はあるのだろうが、狂乱しているのか、意思の疎通は難しいのだろうことを肌で感じる。

「──、翔ぶ、だと…!?」

その背に翼をはためかせ、巨体が浮かび上がる様は圧巻。
その様相に思わず眼を丸くした女の胴を、不意を打つようにして強靭な竜尾が薙ぎ払う。

「っぐ、あッッ…!!」

岩肌へと強烈に叩き伏せられる──巨大な火竜の尾撃にも匹敵するか──。
並の肉体ならば一撃で骨格ごと砕かれ潰れていたところだろう。
しかし怪物の尾に返った感触は、人体…雌の身体にしてはあまりにもな"頑丈"さ。
並の打ち付けでは破壊されぬ、強靭さを理解するに十分な感触を返していた。

「──、く、くくっ…な、なかなかの威力…」

ぐふ、と口から鮮血を吐きつつも起き上がり、まだまだだと言わんばかり、即座に反撃に転じる。
伸ばせば届く、と判じその腕で浮き上がった怪物の脚を掴めば───。

「グ、ゥゥ…!! 墜ち、よッッ!!」

全身に力を漲らせ、怪物を地面へと引っ張り落とさんと力を込める。
数瞬前の自分と同じように、岩肌へと叩きつけてやらんと、宙よりその巨躯を引き摺り落とし──。