2024/12/29 のログ
■宿儺 >
角を叩き折られた女鬼は虚ろに堕ちた焦点の合わぬ眼でぐったりと磔られている。
一方で、見知らぬ巨躯の雄の乱入にその場にいた魔物達の反応といえば、実にわかりやすいもの。
雄への警戒、そして、折角自分達で手に入れた玩具の横取りを懸念しての抗議の様な視線を雄は集めることとなる。
オークやオーガ達も含む軍勢はピリと空気を張り詰めさせ、小鬼どもは後退る様に、雄から距離を取り警戒していた。
獲物を奪おうとするのであれば、同胞に近い種であろうが余所者。
滲み出るのは敵意と、殺意。古戦場跡を取り巻く雰囲気は剣呑の一言となっただろう。
■酗酒 > 「…んぁ?返事もねぇし睨みしねぇな…
おーい、起きろよ宿儺ぁ?」
(虚ろで焦点の合わない目で力の抜けた姿をする雌鬼。
その様子や折れた角の事なんて気にしないままに近寄っては頬に一発強烈な平手を放つ。
室内に肌を鋭く叩く音を響かせながら、叩いた頬が腫れ、その裏にある歯に亀裂を入れてしまう様な衝撃を与える。)
「んー…こりゃ、ダメだな…。
しゃーねぇ、ちょいと直して起こすか…んで、その後にボコそう。
てなわけだ。お前、邪魔」
(元気のない雌鬼には興味もないし、意識があった方が面白いのは以前の戦いで学んでいた。
でかでかと独り言を呟けば、ふぅっとため息を吐きだして殺意を向けるオークに近寄る。
近寄れば唸りを上げ、より一層殺意を高める豚鬼。
だが、そんな覇気にも微動だにせずに至って普通の様子を振舞う。
次の瞬間にはそのオークにも平手打ちを放つ。
鋭く肌を叩く音と共に、叩いたオークの頭は何週も周りながら砕ける骨の音を響かせて元の位置に戻って来る。
数秒間微動だにせねばそのままゆっくりと倒れ、地面を揺らしながらピクリとも動かなくなる。
その様子に更に怯え距離を取る小鬼達。
殺意を向けてきたオークやオーガ達も警戒態勢を取るのであった。)
「そら、宿儺…俺の顔面、一発ぶん殴っても良いから起きろよ。」
(周りから魔物達が離れれば再度雌鬼に近づく。
折れた角を回収し、拘束する鎖を破壊して地面へと落とす。
その後、折れた断面図に角をくっつけ、自分が愛用している瓢箪の口を無理やり宿儺の口に咥えさせて飲ませる。
その後に起き上がり、先ほど煽ったことへの仕返しとして一発拳が飛んでも真正面から受け止めようと完全な隙を露わにしながら回復させようとするのであった。)
■宿儺 >
──元々が強靭なる回復力・再生力を持つ不死身の鬼。
その神気溢るる酒の力も借りれば、万全でないにしろ片角が復元し、虚ろに堕ちていた瞳に生気が戻る。
「───……」
緩慢な動作で上体を起こせば、眼の前には無防備な、見覚えのある雄の鬼。
消沈の内に我が頬を張ったのは此奴か、と頭が良くないなりに察する。が──。
膝に手をつき重苦しく立ち上がれば、めきりと力が籠もるのを確認する様に右腕を振り上げ──。
其の儘、雄の鬼を意に介することもなく、牝鬼は及び腰の豚鬼や小鬼どもへと襲いかかった。
裸体を晒していることなど気に留めるべくもない。
暴風の如く、戦場跡のあちこちに血華を咲かせ──その全てが絶命するまでにそう時間はかからなかった。
「──なぜ貴様が此処にいる」
指先の鋭い爪から滴る赤黒い血を舐りながら言葉を返す牝鬼は返り血に全身を濡らし、爛と灯る翆の視線を雄へと向け直していた。
どこか不満げ、どこか不機嫌そうな声色だ。
■酗酒 > 「お、めぇ覚ましたか」
(上体を起こして意識を回復させた雌鬼の姿を見ればニヤリと笑う。
目の前で右腕を振り上げる様子を見れば、やっぱりやり返すか…っと潔く受けるかとその軌道を眺めようとした。
その瞬間、周りにいた鬼たちが襲い掛かる。
だが、雑魚に対して時間はそう掛からなかった。
数分もすればここに居た全ての魔物が居なくなり、辺りには血の生臭く鉄臭い香りが広がる。)
「んぁ?そーだな…
勘でここに来たって所だな…殺戮は祭りの醍醐味だろうし、あんな声を聞けば顔を出すのが常だろ?」
(自由気ままに生きるこの鬼はたまたまこの近くを通り、先ほどの豚鬼の方向や小鬼達の笑い声を聞きつけていたのだ。
丁度いい殺戮なら、小鬼達共々皆殺しにすれば暇つぶし程度にはなるだろうと考えていたのだ。
その結果、ここへやってきたのだ。)
「ま、そんなわけだし…
いっちょ、死合い…するか?」
(にこりと人間の様に優しそうに目を瞑って笑う鬼。
ゆっくりと片腕を上げれば、その上げた腕を勢いよく雌鬼の体へと下ろそうとするのである。
籠められた殺気や指先からひしひしと伝わる刃物の様な雰囲気。
下ろした腕が見事雌の体を掠れば、刃物で切りつけたかのように皮膚を切り裂くだろう)
■宿儺 >
「相変わらず貴様の言うことはビタイチわからんわ」
勘でやってきた、などと言えば、祭りだのなんだのと。
どのような声を聞けば常に顔を突っ込んでいるのかもさっぱりわからぬ。
酔っ払いの戯言、と言ってしまえばそれまでか。
「どーゆーわけでかも、わからんがなあ!!」
振り下ろされた剛腕。鋭利な獲物を思わせる空気を纏ったその上腕に渾身の蹴りを叩き込む。
亜麻色の毛髪が僅か、宙に舞い。雄を睨めつける貌の頬が浅く切れ、朱が伝う。
「如何なる形であれ借りの出来た相手に死合いなぞ仕掛けようものか。
──大体、今の我の全力が貴様に到底及ばぬのは以前の開講でわかっておるわ」
あるいはもう少し時間を置いて力を更に練り上げていれば望むところでもあったかも知れないが。
その上、万調子という訳でもない。
「強大なる雄に挑むのであれば、中途半端は御免蒙る」
闘争心に準ずる鬼であるからこその矜持のようなものを持ち得ているらしかった。
砦跡の食料箱に投げかけられていた布切れを乱雑に手に取れば、襤褸の様に身に纏い、雄へと向き直って。
「礼は言おう。返礼に死合いが望みとあらば、次は我が腕と力で紅蓮の染みへと変えてやろうぞ」
■酗酒 > 「うぐっ…!!」
(腕を振り下げた瞬間に蹴りが飛んでくる。
咄嗟に伸ばしている腕に手を添えてガードの体制を作るも威力はまともに骨に喰らってしまう。
ヒビが入り込む感触を味わいながらも威力に身を任せて飛び、距離を作る。)
「ほぉほぉ、流石に考えなくとも力量の把握はしっかりとしているのか…
あぁ、こりゃ関心関心…だーっはっはっはっは!!」
(ただの戦闘狂と言うわけでもなくしっかりと力量を把握し、そのうえで断る様子からしっかりと考えは持っているのだと察した。
同時に敵わない相手に対してただ殴られ続けるのも面白みがないのだろうとも思い、自身の頭をパシパシ叩きながらまたしても大声で笑う。)
「そうさな…返礼にまたお前さんの体を使って俺の性処理をしてくれ…って頼んだってあんたは答えるつもりはねぇだろ?
それなら、死合いして殺して、へたれる時にまたオナホみてぇに犯せば良いだけだしな…」
(どこまでも余裕そうに喋る鬼。
向き合う姿を見ればあの時のことを思い出すかのようにニヤリと笑う。
互いに拳や蹴りを放っていたが力の量で比べればこちらが上であり、再生能力も上回っていた。
相手が不利にしかならない決闘になることが十分承知の上であったが、この相手から望める物はそれぐらいしかないと思っていた。)
■宿儺 >
「破壊と殺戮に酔うも鬼の在り様、か」
蹴り込んだ脚に残る痺れ、まるで巨大な一枚岩にでも徐ろに叩きつけたかの様だ。
そう感じるほどに、この雄の鬼の強度といえば只管高い。
「貴様の雄精の処分なればわざわざ褥に不向きな我よりも都合のよい肉の持ち主なぞ他にも大勢おろうが。
──よい。理解った。されば貴様を超ゆる力を身に着け、赤子の様に屠ってやろう。それが返礼ぞ」
襤褸布の下で肩を竦め、踵を返す。
角隠しにも見えよう装いに見返れば、一言。
「礼は言う。一夜の屈辱とて味合わぬに越したことはない」
そう言付け、女鬼は地を蹴り疾風となってその場を後にするのだった───。
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