2024/04/05 のログ
ご案内:「無名遺跡(過激描写注意)」にE・T・D・Mさんが現れました。
E・T・D・M > ダンジョンが居る
ダンジョンが在る

星の数の程の人間達、それに伴う数々の主義思想、そして何よりも性癖
飽かぬ欲望を満たす為には最早普通の二文字だけでは事足りぬという事も在る
嗜虐的、あるいは被虐的願望の極致が齎されて反映されたこの部屋の中を見て欲しい
冷え切った地下世界の一室を照らし出しているのは壁に掛けられたランタンの灯火だけ
石造りの床も壁も問わずに血糊がぶちまけられ、冷え固まり掛けた茶褐色の呈を見せている
そしてその原因の一端たるものが部屋中にインテリアが如くに飾り付けられていた

針山を内包したアイアンメイデンの棺が壁際に立ち、半ば開いている
赤熱した鉄の焼き鏝が木炭の焼ける鉄鉢の火花の中に放り込まれている
鋭角を成す三角木馬と括り付ける為の錘のついた分銅がセットで一揃いになり
親指潰しが、苦悩の梨が、青銅製の牡牛が、抱かせる為の石板が、手枷、足枷、鋸を筆頭とする刃物は数知れず
それと同じだけ汲み上げられた清水の入った木桶、火傷や切り傷に対する軟膏、ポーション、吻合を行う為の医療器具
切断切除した臓器や手足を長持ちさせるための培養液が満たされた硝子器
見るも悍ましきは此処には主に苦痛を与える為の拷問手段の数々が取り揃えられている

E・T・D・M > 人間の業の深さと言ったら、底知らずな事もこの上も無い!
死の奈落に近付くシチュエーションに昂ぶりを抱く者達も居るのだから!
だが、そのようなニーズにも映像娯楽は応じる必要がある
この場の官吏であり、また施術者でもあるのは、今も天井からぶら下がるようにして鎌首を擡げている無数の触手の群だ
その手には夥しい量を誇る手持ち可能な大きさの拷問具を絡め握り締めている

壁にはそれらの作り出した作品群が並んでいるのが見えるだろう
肘から先の手足が切り取られた、あるいは割腹されて臓器が露出しているというのに
血液の循環と肺呼吸が維持されている為にまだ死んではいない標本のように縫い付けられた老若男女たち
安心して欲しい、これらは出演者を脅す為の小道具のようなもの
自らの創造の力によって偽りの生命もどきに捏ね上げた、場を盛り上げる為の肉の人形に過ぎない

部屋に訪れるものがこれからどのような憂き目を見るのか
はたまたは撮影される映像作品を見る視聴者がこれから何を始まるのか、その予兆を報せる為だけだ
部屋の中はどう見ても穢れているが異常なまでに衛生を保ち、二次感染が発生しないように微生物群を除外している
見た目が汚いだけで医療者の施術部屋を遥かに超える清潔さなのだ
拷問とは処刑にあらず、苦痛を与えこそ殺してはならない

ご案内:「無名遺跡(過激描写注意)」からE・T・D・Mさんが去りました。