2024/03/10 のログ
ご案内:「オーガの巣窟(過激描写注意」に天ツ鬼さんが現れました。
■天ツ鬼 >
「むぅ…」
薄暗い山中の洞窟。
ひやりとする洞穴の奥、出張った岩に腰掛け唸る鬼が一人。
一目に強靭と理解る肉体を襤褸布に包み、片胡座で座り込んでいる。
ところどころに殴打の跡と見られる傷や、襤褸布にも裂けた部分が見受けられるが概ねピンピンしていた。
その周囲には倒れ伏した大柄の亜人種…オーガが数体程転がり、何があったのかを想像するには難くない。
「これ程大きな巣穴ならば相応の主がいるかと思ったが…図体ばかりの独活の大木じゃな」
数分前まで大立ち回りを演じていたが、その末に全員殴り倒し、今は小休止。
大きな洞穴だけにもっと数がいるのかと思ったが、わらわらと出てくる様子もない…。
とびっきりの群れのボスでもいるのかと噂を聞きつけやってきた、オーガ共にしてみれば傍迷惑な女鬼であった。
ご案内:「オーガの巣窟(過激描写注意」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 洞窟に棲み付いたオーガの群れの討伐。
冒険者ギルドでの依頼を受けて単身乗り込んだ巣窟は端から勝手が異なっていた。
洞窟に入るなり、遭遇したのは既に何者かと戦いの末、既に力尽きたオーガの亡骸。
同じ依頼を受けた他の冒険者に先を越されたのかと渋い表情を浮かべながら、
盾と剣を構えながら、未だ干戈を交える物音が鳴り響く洞窟の奥へと歩みを進める。
尤も、奥から聞こえてくるのは金属音などではなく、鈍い肉を打つ打撃音であったが。
「――――、これは?」
やがて、洞窟の奥、やや拓けた場所に足を踏み入れれば更なる異様な光景に呆気に取られる。
先程までに見掛けた道中の数以上の地面に倒れ伏したオーガの群れと、そんな中で胡坐を掻く双角の女。
東方異国、シェンヤン由来の雌鬼の姿を見て取ると、武器を構える手指に力を込め直して。
「へぇ、……“オーガ同士”の痴話喧嘩とは珍しいものに遭遇したもんだ。
人魔問わず、何処の世間も“女”はおっかないって事かね」
豊満なラインをボロ布で申し訳程度に覆う女の肢体を眺めつつ、下卑た嗤いを浮かべながら軽口を叩き。
■天ツ鬼 >
「──なんじゃ。この巣の主でも帰ってきたかと思えば、大男とはな」
やってきた気配を一瞥し立ち上がる。
薄暗い洞穴の中でもよく目立つ翆の瞳を輝かせ見るは、冒険者と思しき大柄の男。
しかし鼻の良い女鬼はすぐに気づく。
武器を携えたこの闖入者が、ただの人間の範疇に収まらぬ強者であることを。
「呵々。言葉も解さぬ木偶の坊共と一緒にするな。
──そうさな。おっかない、というところは正解としておこう───!」
下心の滲み出た下卑た笑みを意に介した様子を見せることはなく、
自らの肢体、見目に拘りや頓着がないことはその様相からも伺える。
そんなことよりも、女とってはその男の戦力こそが肝心要。
「丁度よい。少々の喧嘩では物足りなかったところでな!」
ゴキリ、と頸を鳴らしたかと思えば、地を蹴り襲いかかる女鬼。
距離を詰め、軽口を叩く男、自らよりも大きな上背のその腹を目掛け──強靭な脚による蹴りを打ち放っていた。
■トーラス > 「おやおや、まさか人語を解するとはなぁ。
このオーガ連中と、アンタと何が違うと言うんだい?」
三十路半ばで現役冒険者と続けている身として、蓄えられた知識と経験は人一倍。
実際、シェンヤンにまで足を運んだ事すらある故に、
マルーン王国周辺の魔族とは異なる妖の存在も見聞きした経験がある。
だが、そんな事はおくびにも出さず、相手とオーガとを同等としか認識せずに侮り、
戦場に於いて、布からはみ出る女の肢体に好色な視線を向ける間抜けを演じて見せて。
「――――っッ!?」
一息で距離を縮めて襲い掛かる女に対して咄嗟に正面へと盾を構えて防御態勢を取り、
だが、瞬時に考えを改めると盾を斜めに傾けて、衝突の直前で地面を蹴って背後に飛ぶ。
殺し切れぬ衝撃が盾を持つ手に痺れを齎す中、彼女の一撃でひしゃげて凹んだ丸盾を地面に投げ捨て。
腰のホルダーから試験管を二本掴んで、前歯でコルク栓を抜けば、回復薬と筋力増強のドーピング剤を咽喉へと流し込み。
「……おいおい、大切な所が丸見えになってるぞ。誘ってるのか?
だったら、俺のもう一本の剣でひいひいよがらせてやるぞ」
吐き出しそうになる苦味に耐えながら、両手で剣を握り直すと女に向き直り。
乾坤一擲のカウンターに賭けて、次の一撃を相も変らぬ品のない言葉で誘い。
■天ツ鬼 >
「呵々。野蛮と言うところでは同じかも知れんなあ!!」
愉しげに嗤う女鬼。
怒涛の蹴りを叩き込んだ盾は見事に拉げ、用を成さなくなったと判断された主によって投げ捨てられる。
咄嗟に構え身を守れる道具とは便利なもの。
並の体幹の持ち主なら盾ごとぶっ飛ばされていた筈、強者であるという己の直観の正しさに鬼は心底愉しげである。
男から僅かに香る、人間以外の匂い。
それは強き生命の象徴たる龍種に近くも思え、より溌剌と女鬼を滾らせていた。
「鬼に襲われておるというのに、そのようなところを見ていて良いのか?
どうやら只人ではないようじゃが、鬼の一撃をまともにうければただでは済むまい──」
大きな動きで襤褸布から裸体が覗こうが気にかける様子もなく。
向き直り、即座に反撃を仕掛ける様子のない男を見やる。
武人ならばその様子に何かを警戒し様子を探るのだろうが、生憎この女鬼は立合の駆け引きなぞかなぐり捨て殴りかかる戦狂い。
来ないのならば即座に征く。
次はもう守るモノはないぞ、と言わんばかりに、先程よりも隆起し力の漲りを見せる、再度の蹴り。
まっすぐではなく薙ぐような軌跡を描き、男の頸を圧し飛ばさんとする回し蹴りが襲いかかった。
大木すら薙ぎ倒すだろう予感をさせる程の勢い、女鬼本人にも咄嗟に止めることなど出来ぬだろう一撃を。
■トーラス > 「鬼? ははっ、鬼なんて者が何処にいる。
俺の前にいるのは、大股を広げて誘ってくる、ただの雌だけだ」
咽喉に流し込んだ液体が食道を伝い、臓腑に落ちて内臓を焼き尽くす。
火竜の吐息を浴びたかのように全身が発熱して、汗腺から滲んだ汗が即座に水蒸気と化して霧散する。
常人ならば致死に至るか、廃人も余儀なくされるが如きの強烈な魔薬。
効果時間は限定的で連続使用も叶わぬ虎の子ではあるが効果は絶大で、
その瞬間、男の筋肉ははち切れん程に肥大化して、鬼に匹敵する膂力を引き出して。
「ッッッッ!! ――――がぁっ!」
洞窟の岩盤が抉れる程に爪先で大地を掴み、首を薙ごうとする一撃を上半身を後ろに反らす事で寸でで躱す。
空を切る蹴撃の衝撃波が頬や鼻頭に幾重に切り傷を残して血飛沫を上げる中、反らした身体を引き戻す反動にて、
ロングソードによる渾身の一撃を裂ぱくの気迫と共に女目掛けて振り下ろす。
狙うはただ一ヵ所、女の頭部から伸びる双角の片方。
彼女の故国、シェンヤンの妓楼にて娼妓との寝物語で耳にした鬼退治の逸話。
その中にて語られた鬼の弱点を獲ろうと、全霊を込めた一撃を振るう。
■天ツ鬼 >
よくまわる口である。
その口ごと、男の頭部が胴体に別れを告げるだろう蹴りは寸でのところで躱される。
直前、男の肉体が見違える程のその筋量を増したように見え──。
「っ…先程何か飲んでおったな…? その効果か───」
大きな一撃の隙。そう口にしながら視線を戻した時には、煌めく白刃が女鬼に向け振り下ろされていた。
──並の一撃、並の刀剣、並の人間の力であれば、文字通り刃が立たぬだろう。鬼の角。
たまたま、ではなく…準備もされた狙いすました一撃であったことは、男の望む結果を導くことに成功する。
バキンッッ──
洞窟の中に響く硬質な破砕音。
それと共に、鬼の片角が砕け折れ、岩肌の剥き出した洞窟の地面にカランと落ちる。
「───っ…!!?」
女鬼はと言えば、何が起こったのかを一瞬では把握しきれず。
膝が揺らぐ程の衝撃、目眩いを覚える程の一撃にその身をふらつかせていた。
■トーラス > 人外の筋力にて放たれる渾身の一撃。
見た目は古惚けた長剣なれども斬撃の瞬間、銀閃を煌めかせる魔法が付与された魔剣。
並の人間ならば逆に筋肉が引き千切られていたかも知れないが、その身に帯びたるは竜の返り血。
その全てが相俟って、漸く金剛石にも勝る硬度の鬼の角が破砕されるに至る。
「ぐがっ、はぁ、はぁ…、くぅ……」
だが、その一撃を振るうのに攻め手の彼とて十全の状況を維持するのは叶わない。
体内を焼き尽くす熱量と全身に迸る激痛に苦悶の声と荒く乱れる呼吸を洩らしながら、
曖昧になる像を再び双眸にて、しっかりと捉えて女の様子を睥睨すれば、
その体躯をふらつかせる女へと肩からぶつかり、体重を掛けてその身を押し倒せば、
彼女の上に馬乗りになりながら、振り上げた剣の切っ先を地面に突き立てて。
「……はぁ、はぁ、はぁ。んんっ、如何やら、俺の勝ちのようだな?」
組み敷いた女の粗野ながらも整った荒々しい美貌を見下ろしながら、腰のポーチに手を伸ばして、
一本の試験管の中身を口に含めば、徐ろに女の顎を掴み、鬼に匹敵する握力で口を開かせると、
その唇に己の唇を重ね合わせて咥内の液体を彼女の中へと流し込む。
女に飲ませたのは無論、回復薬やドーピング剤ではなく、女を抱く時に用いる媚薬。
本来ならば酒や飲み物に少量混ぜて使用するものを、原液そのものの希釈しない儘で口移しに飲ませようとする。
■天ツ鬼 >
「うぐ…ッ……──ば、莫迦な…?」
漸く、自らの身に起きた事故を認識する。
片角を砕かれ、瞬間意識が飛ぶかと思う程の衝撃…。
「よ、よもや…不覚。 っぐ、おっっ」
膂力の要とも言える角を折られ、男の巨体のよる突進に為すすべなく薙ぎ倒される。
強かに背を打ち表情を歪ませる、その視界に移った男は何かを己の口へと含み、己に手を伸ばしていた。
「ぐぬ…っ、巫山戯るな…!この程度───うぐ!!ん、ぅ!?」
丁度よいハンデだ、と息巻こうとした鬼の顎を無骨な手が掴み、口を開けさせられる。
そこから得体の知れぬ液体を喉奥に流し込まれるまでの鮮やかかつスムーズな男の所業。
「が、ぁ、はっ…!! な、にを飲ませた…!!」
組み敷かれながらも腹に力を込め、上に馬乗りとなる男へと暴れ拳を振るおうとする。
片方の角を折り砕かれ、その力は半減もいいところではあったが、闘争心はまだ萎えておらず。
己が飲まされた薬が何であるかを知るのは、間もなくのこととなるのだろう。
ご案内:「オーガの巣窟(過激描写注意」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「オーガの巣窟(過激描写注意」から天ツ鬼さんが去りました。