2024/03/01 のログ
ご案内:「九頭竜山・自然洞窟(過激描写注意)」に天ツ鬼さんが現れました。
■天ツ鬼 >
霧烟る山奥。
山賊どもが言っていた、『鬼』が出るという洞窟。
それはそれは僥倖と訪れた女鬼は、闇深い洞窟の奥、鬼火に照らされながら憤慨の表情を浮かべる。
「───やれやれ」
足元に在る、小さな丸みを帯びたモノを踏み潰す。
洞窟の中に何か肉塊が潰れる音と、乾いたモノが割れるような音が響く。
濃密な人外の血の匂いが立ち昇り、女鬼は眉を更に顰めた。
「…このような矮小で滓のようなモノに鬼の名を呼び与えることも烏滸がましいのう」
小鬼…洞窟に集団で潜んでいたゴブリンの頭蓋を容赦なく踏み割った女鬼は忌々しげにそう言葉を吐き捨てる。
久しく同族と手遊びなぞしておらぬと喜び勇んだ結果としては余りにも肩透かし。
女鬼にとっては小鬼などと呼び称することすら辟易する弱さであった。
■天ツ鬼 >
山脈の中でも随分と奥まった位置にある自然洞窟。
冒険者からの討伐を恐れてこんな場所にまで縄張りを移動したか。
「くだらぬ。我が冒険者であれば報酬も貰えたのかのう」
洞窟に入ってからは襲ってきた3匹程度を捻り潰した。
相手の戦力を見るや、洞窟から逃げたものもいれば、まだ隠れている気配も多少はする。
このような木端、いくら引き千切ったところで憂さを晴らすにも遠い。
「──ふん。襲ってこぬなら、まあ良いか」
わざわざつまらぬ戦いをする気にもなれない。
襲ってくる気概のある者なら兎も角、逃げ隠れる臆病なゴブリンなど探して殺すにも値しない。
やれやれと亜麻色の髪を掻き上げながら、鬼火の灯す洞窟の中を入り口に向け踵を返す。
■天ツ鬼 >
随分奥まで逃げたものだと歩みを進める中、奥に向け歩いた時には気づかなかったものに気づく。
あちらこちらに散らばる白骨、最初はゴブリンが攫ってきた人間のものかとも思ったが、攫ってくるにはこの洞窟は些か遠い。
それに、そのどれもが小さい。子供のもの…ではなく、ゴブリンども自身のものだ。
共食いなぞという悪食を小鬼どもがするのかどうかは知らないが…。
「…ふむ」
妙だ。
人里を襲うのが小鬼だろうに。
こんな山奥の洞窟に住まう意味はあまりない。
となれば、合理的な理由ではなく止む無くこの洞穴に潜んでいたか。
何者か、例えば捕食者に追いやられたか…。
……などという考えにいたるほど回る頭は女鬼にはなかった。
ゴブリンの住処にしてはやや強い瘴気にも似た、空気の重さをなんとなくは感じ取っていた程度である。
ご案内:「九頭竜山・自然洞窟(過激描写注意)」にノーマさんが現れました。
■ノーマ >
山奥に隠れ潜む化け物退治、なんて仕事を拾ってここまでやってきた。
どうにも色々な意味でクサイ洞窟を見つけた……のだが、どうも察知されていたのだろうか。
小鬼がポロポロと飛び出てくる。
「えー、うっそでしょ?」
袖から伸ばした爪のような刃を一振りしてそれらを屠る。
肉片となって飛び散ったそれらが辺りを赤く濡らす。
「……んー、でもなんか違う感じだよねえ。
そもそも、コイツラ以外の匂いがするような……?」
そういえば、鬼が出る、とかいう噂も聞いたっけか。
いやいや、まさかまさかそんなそんな……などと思いつつ、洞窟へと足を踏み入れる。
遠くに、暗闇の洞窟にはふさわしくないほの明るい火が見える気がする。
あれ、これ本格的にナニカいる?
どうしよっかなー、と緊張感に欠ける思考をしながらも、警戒しつつ歩を進めていく。