2024/05/30 のログ
ご案内:「タナール砦(過激描写注意)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 早朝のタナール
 其処は寝入る者らの静けさ ばかりではなかった。
 早朝の空が白み、青みがかる頃合いで交代となった夜の見張り達。
 この中に、メイラも参加していた。

 昼日中の戦場は本番と言っていい。
 夜になれば自陣へ下がり、飯を喰らい躰を蓄え眠りにつく。
 そして次の朝には再び殺し合いを始めるのが常。

 しかしここは向こう側を見れば魔の領域も同然。
 昼も夜もないかのように、メイラは赤い瞳は闇を見通し、砦の向こう側を眺め
 そして耳は何か密やかな異音がないかを聞き取るように座していただろう。
 周囲も、人気のやや少ない時間帯 酒を口にしながら湿気がひどくなり始めた今の時期
 いつもなら早く終わらないかと思っていた頃も、メイラを含める勢がいれば緊張感も増していた。

 それが終わり、こうして交代となった今メイラは砦内の一角で腰を下ろし、兜を脱ぐ。
 黒い異形の貌が浮かぶ女兜。
 とある鍛冶師の作品であるそれを取ると、赤い瞳と白いギザ歯がくっきりと映し出されながら
 額に張り付いた汗と張り付く黒髪 それが鋭いガントレットの指先で掃われる。


   「また一段と暑くなりましたわね。
    水分と肌 鎧の点検はしっかりなさいな。
    全身汗で弱る肌も、錆びる鎧も見たくありませんもの。」


 周囲に、怠る分だけ命が短くなると伝える
 兜のみを脱いだ状態から、背中の大剣擬きを抜いて壁に立てかけながらも
 メイラはまだ寝床で休まる気がしなかった。
 同輩らと上の小話をしつつも、水分を補うように汲まれた井戸水を適当な器で飲み干すだろうか
 

ご案内:「タナール砦(過激描写注意)」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。