2024/04/25 のログ
ご案内:「魔族の国・地底洞窟(過激描写注意)」に宿儺姫さんが現れました。
■宿儺姫 >
「フフ…くくくッッ…!!」
魔族の国、霧烟る奥地にぽっかりと穴を開けた洞窟にて。
実に愉快である…そう思わせる笑みを零す雌鬼が一匹。天井も高く開けた洞窟内の空洞にて嗤っていた。
「さすがは魔族領…ということか…!」
──雌鬼の前に悠然と聳える巨躯。それはダークトロルとも呼ばれる魔物。
オーガか何かの類かと勇んで真正面から殴り合いに興じた雌鬼ではあったが、相対した相手が想像以上の怪物であった、
全身ズタボロ、満身創痍にも思える様相を見せる雌鬼ではあったが、その闘志が消えていないのは一目に明らか。
一方で大型の魔物であるダークトロルもただで済んでいるというわけではない。片腕は圧し折られてぶらりと揺れ、片足を引き摺っている。
しかしこちらも、目の前の獲物が今一歩と理解っているのか逃走する気配は微塵もないのだった。
「ハァ……ッ!! いいぞ、身を守る、でなく…我を獲物として見るその眼…最高ぞ!!」
牙を剥き出し嗤う鬼、揺れる膝をぶっ叩き、渾身の力を両脚に籠める。
狙うはその首。首を圧し折られてはさすがに動けなくなるだろう───渾身の一撃ももうそう何発も撃つことは出来ない筈。
ならばその何発を一撃に集約して見舞うまで──。
■宿儺姫 >
地を砕き飛びかかる雌鬼の眼前に屈強なダークトロルの頸が迫る。
乾坤一擲全力の蹴りをそこに見舞い、叩き折ってやろうと打ち放った。
──瞬間、爆発にも似た衝撃が大空洞を揺らす。
崩れた岩の欠片が落ちる中、雌鬼の身体が地面に強烈に叩きつけられていた。
「ぐはッッ───!!」
蹴りを放つと全くの同時、ダークトロルの野太い腕に握られた岩塊とも思える巨大な凶器が雌鬼の肉体を強かに打ったのだ。
相打ち。ダークトロルの巨体もぐらりと揺れる、しかしその頸を叩き折るには至っておらず──。
「っ…む……ぐふ…っ。さ…流石に、効い───」
なんとか身を起こした雌鬼を、返す刀の岩塊が跳ね飛ばす。
屈強な雌鬼の肉体が軽々と拉げ、今度は洞窟の壁へと叩きつけられ岩壁を粉砕する。
「───」
こいつはやばい。
命の危機を感じた雌鬼の双角に碧い電荷が弾けはじめる。
ゆらりと瓦礫の中身を起こせば、血に塗れた貌は先程よりも深い笑みを浮かべ──
■宿儺姫 >
次の瞬間には稲妻の如く神速がダークトロルの頸へと突き刺さり──そのまま蹴り脚を振り抜いた雌鬼によってその首は砕かれ、千切れ飛んでいた。
巨大な頭部が血飛沫と共に舞い上がり、大空洞の真ん中にある泉へと落下し、水を血の色に染め上げれば。
その直後にはぐらりと頭部を失った巨体が揺リ倒れ──ズズ、ン…と洞窟を大きく揺らした。
「───かは…っ、はぁ、ぜー、ぜーっ……さすがに、頭を失っては、死んだ、か……」
肉体に帯びていた碧雷が消え失せ、荒らげた呼吸と共にごぽ、と赤黒い血を吐き零す。
そのままその場に腰を降ろし座り込めば、これは当分立ち上がれそうにもない、とまずは呼吸を落ち着ける。
「……さすがにコイツがこの洞穴のヌシ…じゃよな…」
ぶっ倒れた巨体を横目に、肩を大きく上下させながら顔の血を拭う。
強敵との闘争は大歓迎なところではあるが、久々の超強敵だった。真正面からの殴り合い、攻撃の交換だけではおそらく勝てなかった筈である。
故郷の山里にもここまでの巨体の雄鬼はそうそういなかった。
■宿儺姫 >
真っ先に右腕を潰されたのが不味かった。
まさか殴りつけにいった腕を喰らいに来るとは。
咄嗟に蹴りをぶち込んで離脱した故に牙によって骨を砕かれただけで済んだが…。
そうでなければ食い千切られていたところだ。
結果右腕が使えなくなり、苦戦必至となったわけで。
その後もその巨体に散々ぶっ叩かれ、叩き潰されといった展開だったものの、同じ数はやり返していた。
決め手となったのは奥の手による迅雷の蹴り一閃であったが、最強戦闘形態は当然消耗も激しい。
深いダメージが残る肉体ではちょっとした賭けだったが、勝てたので良しとする。
「呵々、しかしこれでこの洞穴は我のモノじゃな…魔族領内での塒とさせてもらうか…」
全身を未だに激痛が走っているのか珠のような汗が伝い、顎先から落ちてゆく。
柔らかさと靭やかさを備えた鋼の肉体……とはいっても、あんな鋼鉄程度を軽く破壊しかねない攻撃力の前には流石に無力。
最後の一振りは雌鬼のあばら骨を粉々に打ち砕き、そのはたわたにまで十分過ぎるダメージを与えている。
それは常人ならざる自然治癒能力を備えた鬼といえど、やすやすと回復するようなものではなく…。
■宿儺姫 >
「しか、し…さすがは魔族、領内……こんなのが、ごろごろ、おるのか…?」
ふ…──と、目の前が白ぎ、意識が遠のき、
座り込んでいた雌鬼はそのまま岩床に崩折れ身体を横たえる。
あんなやつせっかく倒しても喰えそうもない。
となれば回復は、休む以外にはないか…と。
打撲と失血で薄らいだ意識の中で考えはするが、身体は勝手に休むことを選択する。
首のない巨躯の遺骸と、仰向けに倒れズタボロで血塗れの四肢を投げ出した雌鬼の姿。
傍から見ればどっちも死体と見てしまっておかしくない光景である。
■宿儺姫 >
息も絶え絶え、その意識が微睡みへと堕ちる最中。
「───、くく。そう、こなくては」
に、と再び鬼が嗤う。
軋む肉体に無理を効かせ、その見を折り曲げ起こす。
迫りくるは気配。
さて、血の匂いにつられてやってきた獣か。
ダークトロルすらも従えるこの洞穴を住処とする真の主か。
あるいはこの地を治めているだろういずこかの魔王か──。
「良い。歓迎するぞ──」
膝の嗤う両の脚で立ち上がる雌鬼が迎え撃つは果たしてどのような存在だったか。
その後の記憶は洞窟の闇深くへと沈んでゆく。
ご案内:「魔族の国・地底洞窟(過激描写注意)」から宿儺姫さんが去りました。
ご案内:「◆設定自由部屋(過激描写注意)」にマツリカさんが現れました。
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