2023/12/28 のログ
■天ツ鬼 >
血肉の絡んだ自らの爪を舐り、鋭い視線を辺りへと巡らせる。
これで全滅か、それともまだ隠れている者がいるか。
息遣い、鼓動、体温…しんと静まり返った山中にて、鬼は神経を研ぎ澄ませる。
珍しく足元に転がる野党どもは鬼へと襲いかかった。
それが死を覚悟してのものか、諦めと狂乱の狭間か。
それを女鬼が知る由はないが───。
「──ふ。大した規模の山賊ではなかったな」
どうやら廻りに隠れている者もいないようだ、と。
戦利品の酒のボトルの首を捻り折り、がぶがぶとその場で飲み始める。
溢れ溢れる酒が、昇り始めた月の光を纏いながら口元や胸元を濡らす野党達の血を洗い流してゆく──。
ご案内:「◆九頭竜山中腹(過激描写注意)」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 今日もまた、気紛れの散歩で西へ東へ。
いつもの通りに、何か面白そうなものでも…
…なんて、そんな事を考えていたのだが。
それに気付けば、それどころでもないだろうか、と考えてしまう。
嗅ぎ取ったのは、血の臭い、それも人のものだ。
臭いの感じから、まだ時間は大して経っていない。
となれば、とりあえず、行くだけ行ってみるか。
そう考えるのが、当然の事か。
とん、とん、と樹木の枝を伝い、飛び移り、そちらへと向かう。
さて、その臭いの主が、どんな状態なのか。
臭いの強さから、かなりまずい気がしないでもないのだが…
そして、最後の枝を蹴れば、すとんと、その場に着地する。
そう、その惨状を引き起こしたと思われる、存在の真ん前に。
■天ツ鬼 >
飲み干した酒を最後の一滴まで呷ろうとした矢先、鬼の嗅覚が反応する。
すぐにそれは人でない、ということは理解る。
さて何者か、酒瓶を放り捨てその存在を探そうとする、までもなく…それは目の前へと舞い降りた。
わざわざ探らずとも人でないことが見目で理解る。
こんな場所で出会うのもまた意外や意外というものであったが。
「誰ぞが近づいて来るのかと思えば、何時ぞやの狐か」
女鬼、ひいては降り立った狐の周囲には既に事切れた山賊達の遺骸が転がる。
それも比類なき剛力で圧されたかのような、見るに耐えぬ酷い状態、だろう。
「──このような場所に散歩か?
丁度よい、昂ぶっておってな…。貴様の血酒を迎えるのも一興じゃ」
──さて、目の前の狐が覚えているか否かは置いておこう。
覚えていたとしても、その頃の女鬼とは随分と見目が違う。
五体満足なだけでなく髪の色も、瞳から迸る碧い爛々とした輝きも。
どちらにせよ、それは些末事。
女鬼は溢れる攻撃性を隠すことなく、目の前の狐の少女へと向けていた──
■タマモ > 相手は気付いたようだが、己は目の前にするまで、それには気付けない。
まぁ、濃厚な血の臭い、それさえなければ、嗅ぎ分けられたのだが。
着地した、目の前に居たのは…鬼。
己の居た地での鬼とは、少々異なるのだろうが、似たようなものだろう。
ただ…相手は己の事を知っているようだが、己の方には記憶が無い。
それは仕方の無い事だろう、その鬼を前にしたのは、中身が先代の時だったからだ。
いつぞやの狐、その言葉に、はて?と首を傾げる。
「うん?…はて…鬼に知り合いは、居ると言えば居るが…
まぁ、どこかで見掛けたとか、そんな事でもあったんじゃろう。
しかし、これはまた、酷い有様じゃのぅ」
周囲に遺骸の転がる状況に、少々気分の悪そうな表情を浮かべる。
鬼は見た目ほぼ無傷、明らかに一方的な虐殺、みたいな感じに見て取れているからだ。
あの出会った先代とは違う、そうした行為を余り快く思わない様子を見せるも。
「これだけの事をして、まだ足りぬと?
まったく、困った鬼じゃ。
そんな事をばかりしておると、手痛いしっぺ返しを喰らうものじゃぞ?」
はふん、と軽い溜息を吐く、そんな気の抜けた様子を見せてはいるも。
鬼を見詰める瞳には、油断の色は感じられない。
明らかに、やる気の篭った気配、そして相手が鬼と言う事もあっての事だ。
ぽん、と手元に唐傘、そしてもう片手に扇子を出せば。
構えは取らないものの、相手の出方を見るような、そんな視線を向け続けていた。
■天ツ鬼 >
眼の前の狐がとぼけているような気配は感じられない。
以前邂逅した時とはその纏う空気すらも違って感じる。
が、狐とはそういうモノであるかも知れぬと気には留めずに。
「この山を根城にする山賊らしい。
麓で良い酒を奪って帰ってきたのが運の尽きじゃたな。呵々」
気分を害した様子の狐に対して、女鬼は悪びれもせずそう語る。
山賊であろうと徒人であろうと鬼と出逢えば襲われる、それ自体は古の時代からの摂理故に。
「くく、お主がそれを喰らわせてくれると?どうにも以前のような鬼気迫るものを感じぬが──まぁ、よいか!!」
溜息を吐く様子、鬼に睨めつけられて構えを取る様子も見せぬ。
しかし不思議とそこに隙が感じられない。
一端の武芸家であればそこに打ち込むのにやや躊躇するところだろう──。
が、生憎とそのような駆け引きなど吐いて捨てるかのような女鬼。
ただ力を籠めて腕を脚を振るえば人など紙屑のように千切れ飛ぶ。
眼の前の少女とて、姿形は人の少女とさして変わらぬ。
一撃触れれば柘榴のようになるであろうよ、と。
その華奢な胴めがけ、剛脚一閃、横薙ぎに戦斧を振るうかのような蹴りを放った──
■タマモ > まぁ、狐を知る者であれば、疑うのは当然か。
鬼もその類である事、それを判断するのは難しい。
「山賊、なぁ…まぁ、良い連中でもないが、ここまでする必要があったかどうか。
反省をさせる必要はあれど、こうしてしまっては、反省させる事も出来やせんじゃろうに」
と、そんな言葉を向けたところで、目の前の鬼にしてみれば、甘っちょろい言葉だと言われてしまうかもしれない。
それは、鬼の態度からしても、分かる事だ。
人を下等と扱う先代と違い、人と共に生きてきたからこそ、その甘さがあるのだが…それを知る訳もなし。
ふぅ…今度は、少し深い溜息を一つ。
「本当に、鬼と言うのは…いつも力押しじゃ。
どうせ、そのしっぺ返しとて、そんなものだと思うておるんじゃろう?」
そう語る必要もなく、大体の性格は、理解出来た。
そして、こうしたタイプの鬼と言うのは、大体は猪突猛進な事も。
そう言葉を向けながら、くるりと手元の唐傘を回し、とん、と地面に先を当てる。
「仕方あるまい、相手はしてやろう。
…が、まともに相手をする等と、思わん方が良いぞ?
鬼と真っ向勝負なんぞ、割に合わんのは分かっておる」
そこまで伝えれば、力勝負なんてもの、する気がないのは伝わるだろう。
だが、相手の性格から、そんなものは関係なしに、突っ込んで来るだろう。
それが分かっていれば、対処は決まっている。
己に向けて放たれる、横凪に襲い掛かる蹴りの一戦。
たんっ、と少し強く地面を蹴れば、普段は紙一重の回避だが、今回は少し余裕を持って後方へと退く。
…が、それだけでは終わらない。
唐傘で地面を打った時、何かを細工したのだろう。
不意に足元の地面が泥沼と化し、その体が地面へと埋まり出すのだ。
それは、その身が重ければ、それだけしっかりと下半身を嵌まらせてしまう。
もちろん、周囲に手を付いて抜け出そうとも、その周囲も泥となっている、その手が埋まって終しまいだろう。
■天ツ鬼 >
己の悪行を悔い改め、真っ当に生きる機会。
それを得るには残念ながら運が足りなかった。
ただそれだけでのこと。
狐の言い分も理解らぬではないが、鬼は人にそれを与えるものではない。問答無用である。
何より鬼の興味はすでにそんな問答よりも目の前の妖かしとの闘争へと向いている──。
横薙ぎの蹴りは暴風を纏い、直前まで少女のいた空間を削り取るかの勢いで通過する。
ギリギリの回避では巻き込まれていた可能性を考えれば、その余裕をもった回避は正解だろう。そして──
「──!? 術の類か」
足元が沈み込む。まるで沼に嵌ったかのように、力を籠めれば籠める程に女鬼の身体は沈みこみ、自由を奪われてゆく─。
「呵々、しかしそいつは困るな…?
覚えがなくとも貴様には返すべき借りも──ある!!」
汚泥に手をつけば沈み込む、ならばと両腕を頭上にへと振り上げ──雷光が如く速度で、自らの肉体が沈み込む泥へと、叩きつける。
ど派手な音が響く。──水などよりも遥かに粘土の高い泥のこと、その速度で叩かれれば固まった大地と何ら変わらぬ反発を産み──。
ズン、と大地を響かせ、少女…タマモの眼の前へと鬼が降り立つ。
剛力と速度による表面張力への反発によって脱出…などという小難しいことを考えたとは思えぬ、たまたま本気で叩いたら抜けたといった程度のものではあるが。
「──ふぅ。そう意地の悪いことを言わず相手をせよ。
そのいくつもある尻尾、一つや二つ土産にもらってゆくぞ、狐…!!」
ギラリと指先の黒い鉤爪を光らせ、振りかぶる。
真っ直ぐではあるが、力だけでなく速度も在る──逃さぬ、その華奢な身体を引き裂いてやらん、と…鬼の爪が振るわれ───
■タマモ > そう、すべては運が悪かった。
それに尽きる訳なのだが、それだけは言っておきたかった、それだけだ。
考えようによっては、山賊も人を殺め、奪う、自業自得である。
…さて、そんな事を、考えている場合ではないか。
よく分からないが、相手さんは、どうも己に何か拘りを持っているらしい。
さすがに、もう少し真面目になるしかないか、己らしくはないが。
「まぁ、そんなところ………おぉう…
何と言う、力技なのやら」
距離を置き、少し様子見を…とか思っていたら、泥をぶん殴っての、無理矢理の脱出劇。
これは、さすがにちょっと感心した。
「さっきから、借りやら何やら、訳の分からん。
どちらかと言えば、そうしたものは…今から、受けるものだと思うんじゃがのぅ」
目の前に着地した、鬼の姿を軽く見上げる。
ゆるりと向けられていた瞳が、すぅ、と細められれば。
その視線は、己へと襲い来る、その腕へと向けられた。
「いやいやいや、どれも妾の大切なもの。
心地良き柔らかさ、それを感じさせてはやれるものの、これをくれてやる訳にはゆかんなぁ?
…とは言え、遊んでもいられんか」
手にしていた扇子、それをばさりと開かせて。
それと同時に、己を切り裂く為に揮う鬼の爪、それを唐傘を使い、体の軸をずらすのも合わせ、受け流す。
普通の唐傘であれば、簡単に壊れてしまうだろう。
だが、妖力の込められた唐傘は、受け流しに使おうとも、傷一つ残らなかった。
更に、そのタイミングに合わせ、開いた扇子を鬼に向けて軽く扇ぐ。
一見すれば、風でそよいだだけの、何でもない行動だ。
だが、そこに込めれた力は、その目に映さず鬼に絡み付く。
少しずつ、少しずつ、ゆっくりと。
力自慢の鬼の力を削ぎ、その代わりに、その体に疼きと火照りを与える為に。
■天ツ鬼 >
己の力からなる爪撃を反らした傘にややの驚嘆。
磨き上げられた鎧ですら切り裂こうものが、たかが雨具に。
所有者を考えれば、何らかの妖具の類か。と愚鈍なな鬼も流石に感づく。
以前にも体験したことのある、物理的な力では破壊できぬモノ。
そうした類のものか、それとも単に岩よりも頑丈な強度を持っているか──。
で、あれば答えは一つ。どのみち鬼の闘争方法はただ一つの道しかない。
ただただ、鬼の剛力…それで以て全てを圧壊するべし。
「見事な逸品。──しかし風がそよぐ程度のそれに何の意味がある!!」
遊んでもいられぬ、と言いながら攻撃にも思えぬ行動。
狐に化かされている気分ではあるが、ならばその化けの皮をズタズタに剥いでやろうと。
受け流されようが、逸らされようが。
女鬼は咆哮と共に狐の少女に向け乱撃を繰り出す。
頑強な岩に叩き込んだとしても数瞬後には見る影もなくなっているだろう怒涛の爪撃がタマモに襲いかかる。
「さぁどうする。触れでもすれば華奢なその身では耐え得るまい───!!」
己の身の火照りに気づくのは、やや遅れただろうか。
肉体が闘争に昂ぶっていた故に。
しかし力めば力むほどに力が逃げてゆく感覚は──暴風のような乱撃が徐々にその勢いを削られてゆく結果と共に、女鬼にもそれを気づかせる。
「───、何かしたな、狐」
全身に汗を滲ませながら、わなわなと身を震わせる鬼が狐を睨めつける。
■タマモ > 相手からすれば、一見すればただの唐傘、そして扇子。
しかし、己が持つ道具のほとんどは、同じように妖力を注がれ、不壊となった品々。
まぁ、とは言え、大体最初は壊れず驚くもので、鬼も例外ではなかったようだ。
「うむ、長年の間、共に在り続けた道具達ゆえな?
…おや、妾の言葉、聞いておらんかったか?」
扇子で風をそよぐ行為、それを遊びと取られたらしい。
その言葉へと返すように、そう伝える。
先に言った、まともに相手をする気がない、との言葉を指すものを。
それに気付くかどうかは、鬼次第だが。
その性格から、どうせ深くは考えておらず、己の言葉も浮かぶかどうかは分からないか。
ならば、このままずるずると、己の仕掛けに掛かってくれれば良い。
「あぁ、そうじゃな?
妾自身は、そう頑丈ではないからのぅ。
だが…それが続くかどうかは、分からんぞ?」
その力強い攻撃の数々に、反撃をする余地が与えられずにいる。
…なんて、そう思わせるような、防戦一方を見せ付け続ける訳だが。
それが演技だと、そう経たずに気付いたようだ。
もっとも、己の力がすっかりと、その体を雁字搦めに纏わり付いた後。
その力の強さが仇となっただろう、力が強い程に、失う力と、その反動で体を蝕む色香の深度も深まっているのだから。
「うむ、したぞ?
こうすれば…よぉく分かるじゃろう?」
揮っていた力がほぼ抜ける、その頃合を見計らい。
防戦一方だった、己の姿勢が反転する。
ぱしん、と開いていた扇子を閉じれば、唐傘で次の攻撃を受け流し、それに合わせ。
閉じた扇子を振るい、ぱしんっ!と、鬼の乳房を強かに打ち据えるのだ。
力の効果、それがしっかりと効いていれば、それは痛みではなく、快楽となって鬼を襲うのだが、さてはて。
■天ツ鬼 >
風に靡く柳であれば、力のままに引き千切ることも出来ようが。
見目にそぐわぬ古い狐と見ればその手にもつ品々は刮目して見るべきものだったか。
それでも叩き続ければいずれ壊れようという鬼の思惑は、すっかりと狐に化かされた結果に終わろう。
疲労で攻撃を留めるつもりなどさらさらなかったが、そうではない何かによって、己が力が鈍る──。
腕が、脚が、肉体全てが重く感じる。さしもの鬼も動きを止め…‥、
「っ…何を──」
一体何をした、と。
鬼が狐を詰める言葉を吐く矢先、少女の振るった扇子が強かに鬼の胸を打ち据える。
襤褸に覆われた程度の肉塊。乾いた音と共に鬼が感じ取ったのは痛みではなかった。
むしろ、痛みであったならまるで意に介することなどない筈だったのだが……。
「ッ───!!」
ビクンッ、と肉体が跳ねるような反応を見せ、女には珍しい、身を守るように、腕で己の身体を抱きしめるような姿勢を取る──。
「……そういうことか。享楽を好む狐らしい味な真似をする」
ギリ、と牙を噛み締め睨みつけるも、その呼気は荒く、浅黒い肌に滲む珠のような汗は数を増すばかり──。腹の奥に生まれた熱と疼きが、肉体の動きすらも阻害する──。
■タマモ > そこは、己の腕の見せ所、と言ったところだろう。
最初の内は、さすがに、それなりに真面目にやらねばならなかった。
だが徐々に鬼は力を失い、攻撃の手が緩まってくる。
しかし、その失った力に合わせ、己もぎりぎりの防戦を演じてみせる。
…その結果が、今の状況、となる訳だ。
「ふふっ…」
鬼の言葉、それが問い掛けをし切ったとて、己の行動は変わらない。
一手目、反応を確かめる為の一撃が、鬼の乳房へと打ち込まれ。
その一撃が入り、その際の、鬼の反応を見れば…くすりと笑う。
「おぉ、さすがに分かったようじゃな?
もっと早く気付けば、なんとか出来たやもしれんが…
ほれ、もう何も出来んのじゃろう?ん?」
攻撃の手を止め、守るような姿勢を取った鬼。
そんな鬼に対し、更に扇子を扇ぎ、力を纏った風を流し込み。
鬼の残った力、それを一片も残さず、体を蝕む力へと変換させ切ってしまう。
その力は、もはや、下手をすれば人にさえ劣ったものとなってしまっているだろうか。
そこまでを確かめた後に、手元の道具をぽんっ、と消してしまえば。
ずい、と鬼の距離を詰め、体が触れ合う距離にまで近付き。
するりと伸びる両手が、鬼の腰を抱くように、ぎゅむぅ、と尻肉を鷲掴みしてしまう。
今の鬼の体には、そんな行為だけでさえ、強烈な快楽となって駆け抜ける事か。
■天ツ鬼 >
「ぅぐ……──っ」
とどめの一撃、もう一度風にそよがれれば、身体が重い、だけでなく…。
最早、身を支えるだけで精一杯といった様相。
肌の色で分かりづらくはあるものの頬は紅潮し、汗に混じり襤褸に隠れた股座からとろりとした匂い立つ密が太腿を濡らしている。
最初からまともにやり合うつもりなどない、と口にしてい狐を憎らしげに睨めつけるも、
無防備に鬼に寄るその細身を引き裂く力すらも出すことが出来ない。
歯噛みする鬼を細い腕が抱き、それを振り払う力すら、人間の童程度のものか──。
「ッ、やめ…っ…──ッッ♡」
大きく上向きの、弾力に富む女鬼の尻が小さな手に鷲掴まれる。それだけで。
耐えかねたように天を仰ぎ、その強靭な筈の肉体が身動ぎ、屈強な膝が笑う──。
これが自業自得、狐の齎すしっぺ返しであるというのであれば随分をよい趣味をしている。
怒りに満ちた眼で見下ろすと、その狐にとってみれば最早何の圧にもならぬのだろうが──。
■タマモ > 「後悔先に立たず、じゃったか。
お主は今まさに、そんな感じなんじゃろうなぁ」
流し込む力が、鬼の力を完全に掌握し。
抱いていた大きな力は、それだけ体を淫らに貶めるものとなった。
身丈の関係もあるが、下から鬼の表情を覗き込むように、じっと見上げる。
そうしながら、掴む尻肉を、ぎゅちぃ、と少し強めに握り込み、ぐに、ぐにゅぅ、と揉み始める。
「ほれ、たったこれだけで、お主はどれだけ感じておる?
こうしたら、どうなってしまうかのぅ?」
力の大きさに比例して、その感度も引き上げられている。
普段頑強であろうとも、こうなってしまっては、その意味ももはや完全に失われており。
与えられる快楽に、己を楽しませる反応を見せてくれる、そんな玩具と成り下がるか。
尻肉を揉みはがら、覗き込む顔を、ゆっくりと乳房に寄せる。
そもそも、そう体を覆っている事もない、僅かな布地に歯を立て、びりぃっ、と引き千切る。
晒された乳房、そこに向かい、あーん、と口を大きく広げてみせてから。
がりっ、とその先で尖る乳首を、少し強めに噛む。
同時に、尻肉を弄る手が、動きをそのままに、そこを覆うものを剥ぎ取ってゆく。
■天ツ鬼 >
己が尻肉を掴む力が強まる。
ただそれだけのことで弾かれたようにその身を捩らせる。
媚毒の類を受けたこともないわけではないが、まさか己の力がそのままそういった方向へと作用させられるとは。
己の持つ剛力にその信の全てを置いている鬼にとっては勝るもののない屈辱か。
故に、その貌が色の蕩けることこそはないものの、肉体に帰する反応までもを誤魔化すことは出来ず──
「やめろと言って─── く、ぁあ゛あ゛ッッ♡」
むき出しとなった己の乳房の前で大きく口を開けて見せるし、さしもの鬼も何をされるかを悟る。
気を構えるも無駄、抵抗すべき力も失われている女鬼はされるがまま、痛みすら感じる筈のそれが何倍もの快楽信号として身体を駆け巡り、耐える術もなく嬌声をあげてしまう。
──襤褸を剥ぎ落とされれば、両の腿を濡らしきった女鬼の下半身が晒される。最早狐の少女が何をしようが、その一挙手一投足、その全てでイキ狂ってしまいそうな程に肉体は爛れ果てている。
■タマモ > 己の掛けた力だ、その効果は分かっているも。
鬼の力は計っていなかった為、反転した力の大きさは、まだ理解し切っていない。
…とは言え、こうして弄ってみて、その反応を見る限りでは。
相当な力が変換された、と見て良いのかもしれないか。
まぁ、鬼にしてみれば、屈辱的な行為だろう。
…だから、この相手にとっては、これで良いのだ。
「ほほぅ、止めろ?
ふむふむ、そうかそうか…それで、止めて貰えると思っておるとは、大したものじゃなぁ?」
がり、ぎち、乳首を噛んでは引っ張って、嬲りながら。
時折、右から左へと、唇に含む乳首を切り替える。
視線は鬼の顔を覗き込んだまま、そう言葉を紡ぎ。
尻肉を弄っていた手を、一旦離してから。
「そんな輩には、こうしてやらねばならんか。
ほれっ」
離した手が、大きく振るわれ。
すぱぁんっ!と、強めに、弄っていた尻肉を引っ叩く。
引っ叩き、軽く撫でて…再び離し、ぱぁんっ!と打つ。
そして、撫でて、離して、叩く。
己が与える行為は、そのすべてが、鬼にとって今は強烈な快楽となる。
何度も何度も叩き、それを繰り返せば、鬼は何度絶頂を迎えてしまうのか。
そんな様子さえ、楽しそうに、その瞳は見詰め続けているのだ。
■天ツ鬼 >
やめろと制止したところで、無論この狐は止めぬだろうことは目に見えている。
屈強な女鬼が、つい口をついて出てしまった言葉程度のもの。
しかし逆にいえば、それくらい余裕がない状態となっているのもまた事実──。
狐に嬲られた豊かな乳房の先端はといえば、より噛み応えを与えるかのようにカタく尖ってしまっている。
最早それだけで股座はしとどに濡れそぼり、腹の奥の疼きもより強くなっている始末…。
だと言うのに、まるで仕置きだと言わんばかりに、女鬼への尻へと平手が走る。
「あぐッ───ッ♡♡」
乾いた、実に良い音が辺りへと響き、鬼の色めいた悲鳴が重なる。
膝が笑い、何度もそれが繰り返されるうち、何度もイキ潮を噴き散らされる──。
狐が楽しげに見つめる中、とうとう膝が崩れ、女鬼が狐を見上げることになる頃には…。
「ぅ゛…ッ、う、ぁ゛、ぅ…ッッ……♡♡ おの、れ……っ♡」
粗相でもしたかのように水溜りとなった上に膝をつき、全身をガクガクと揺らした女鬼の悔しげな貌が目の前に在ることだろう。
真面目に戦わぬとはいえ、はぐらかすように逃げるつもりかと思えばこのような。
グツグツと煮えるような憤怒とは裏腹に、何度も絶頂を迎えさせられた肉体はすっかりと弛緩し、ちょっとした刺激ですら達し、身震いしてしまう程に───
■タマモ > 今の状態になった、その時点で、余裕なんてある訳がない。
ただ、その余裕の無さが、どれ程のものだろうか。
その辺りについては、調べてみる必要がある、そう思う。
まぁ…それは、すでに目的の半分以下となり。
それに代わり、この鬼でどう楽しもうか、なんて考えが、それ以上を占める感じになっているのだが。
「お、イッたな?…おっと、またイッてしまったか。
ふふ…ほれ、ほれ、どこまでイケるのか、こうして試すのも良さそうじゃのぅ?
おっと、それも良いが、その前に…」
やればやるだけ、己を見詰める瞳に篭る怒りの色が、良く分かる。
だからと言って、それを止める、なんて事もなく。
いや、それどころか…
その言葉に続き、しゅるり、と数本の尻尾が、鬼の体に絡み付く。
「お主の体、どこがどれだけ感じるか。
ちと、試してやろう」
絡まる尻尾は、鬼の体、特に性感帯となりそうな部分、そこに重点的に絡まってゆく。
唇を離し、乳房を包むように、その先が、乳首に巻き付き。
乳房を搾り上げ、乳首を捏ねたり、引っ張ったり。
背中にも這わされ、背筋を撫ぜたり、首筋にまで伸びて、擦り付けたりも。
更には手を離し、弄っていた尻肉にも這わされ、撫で回すようにも動き回り、その先は、その谷間に滑り込み、尻孔を浅く穿り始めた。
もちろん、前にも伸びるものはあり、そちらは陰核へと巻き付き、乳首のように弄って。
秘所にも先が辺り、解すように、広げるように穿ってゆくのだ。
そうして、体中へと刺激を与え。
鬼にとって、どこが感じ易いのか…それとも、どこもかしこも感じ易いのか、確かめて。
■天ツ鬼 >
此奴、我の肉体をどう弄ぶかで楽しんでいるな──。
狐の考えは鬼にもしっかりと伝わる。
隠すつもりもないのだろうが、その表情、言葉。
煽るような嘲るようなそれらがじくじくと鬼のプライドに針を刺してゆく。
されるがままにしかならぬことも歯痒いが、
それ以上に狐の行為その全てが耐えきれぬ程の快楽となって背骨を貫き脳髄を灼く。
くらくらとし始める思考を振り切るように首を振る。
──そら来た。まるで生き物のように狐の尾が身体に巻き付きはじめる。
「───く、ぅ…ぅぅぅッッ♡♡」
感触はともかく、まるで触手のように身体を巻くそれに声などみっともなく出してたまるものかと牙を喰い締める。
勃ちきった乳首も、ぞくぞくと震える背なも、奥から溢れる光の止まらぬ秘部も、包皮に収まらぬ程突起した淫核も。
その視線を注げば雌としての快楽に狂っているのが簡単に見て取れてしまう。
それでも雌のような声だけはあげてやるものかと只管に耐えていた、が。
「ッッ…!? そこは──ッ」
露骨に狼狽する女鬼。
それは一房の尻尾の先端が鬼の、不浄の孔へと触れ…浅くその先端を沈ませた、その時。
「ひお゛ッッ───♡♡♡」
ぷしゃあああっ♡
一瞬で瓦解する女鬼はイキ潮に留まらず、ぱしゃぱしゃと小水までその場に零し、果ててしまう。
ピクピクとその四肢を痙攣させる様子はそれまでの様子とは明らかに違っており──もし狐が呪力の類を感じることが出来るのならば、鬼の肉体の最奥、不浄の孔の先で雌としての快楽を増幅する悪仙の悪戯が在ることに気づくことができるか。
■タマモ > 「ふむ、頑張るのぅ…」
体中に絡み付く、複数の尻尾。
それが、鬼の体の隅々までを刺激し、己はその反応を見て、どう遊ぶかを決める…つもりだ。
力の回った体は、どこもかしこも快楽が引き出され。
それでも、感じはしながらも、必死に耐え続ける。
「………お?」
そんな声が出たのは、刺激する尻尾の一本が、鬼の尻孔を穿った時の反応だ。
浅く穿っただけ、それだけの刺激に、あれだけ耐えていた鬼が、あっさりと失禁まで含め絶頂した。
その表情が、深い笑みに変わってゆくのを、鬼は目の前で見る事となるだろう。
更に、弄ってみて感じるのは、何かしらの力…己れ以外の、何らかの力が働いている事だ。
「おや、これはこれは…
なるほどのぅ…これは面白いものを、見付けたものじゃ。
ほれ、ここが良いのか?」
体中を弄っていた尻尾だったが、その動きを止め、鬼の体を四つん這いにさせ。
こちらへと、尻を高く突き出すような格好にして、拘束する。
そうした後、残った尻尾が伸び、ぐぱぁ、と尻孔の端を抑え、左右に大きく、奥が見える程に広げてみせ。
浅く穿っているだけだった尻尾が、ずるぅ、と一度ぎりぎりまで引き抜かれれば。
ぐぼんっ!と、次の瞬間、直腸にまで一突きで貫き、臓物にまで衝撃を与える、力強い一撃を叩き込んだ。
■天ツ鬼 >
全盛の肉体を取り戻すための儀式において、シェンヤンの悪仙が仕込んだ醜悪な悪戯。
雌としてもっとも屈辱的な代償、と言われてもピンと来なかった女鬼であったが──。
「うぐ、ぅぅぅぅっっ!!」
姿勢を崩され、地べたに平伏す女鬼の姿。
肉付きの良い浅黒肌の尻、既にべとべとに濡れて妙に艶めかしく見えるそれを掲げるように突き出させられ──。
「も、もう理解ったッッ♡ 堪忍し───」
これから起こることの予感に、女鬼の口からは決して出ぬだろう言葉が漏れかける。
それは幸か不幸か、狐の尻尾の無慈悲な一突きによって遮られ…。
ごぼんッッッ♡♡♡
「お゛────ッッッ!!?♡」
弛緩し、左右に拡げられた排泄孔の最奥までを一気に貫かれ、普段強固な筋骨に守られた臓腑を内側から殴りつけられる。
「お゛…ぉ゛あ゛ッッ…ぁ… あ゛…ぇ、へ………♡♡♡」
ぐる、と眼球が天を仰ぎ、顔を地に擦り付けたまま犬のように長い舌を垂らした無様な貌。
余りにも耐え難い、狐の術と、元より仕込まれた悪仙の不浄の悪戯によって増幅された快楽は一瞬で女鬼の快楽中枢を焼き切ってしまい。
まるで事切れるように意識を吹き飛ばされた女鬼がぐたりとその四肢から一切の力を失って…。
時折、ぴくんっ♡と反応を返すだけの姿を楽しげな狐の前に晒して──。
■タマモ > 誰が、何の為に掛けた呪いか。
さすがに、そこまでは分からないが…
「まぁ、面白いもの、ではあるようじゃなぁ?
なかなかに、妾にも通ずる、面白い趣味をしておる」
本来使うべき場所、それとは異なる孔。
一瞬、言い掛けた言葉、それには気付いているのだが。
これからの行為、己が止める訳もない…と言う事を、しっかりと、この鬼に教えてやろう。
「ふふ…では、妾もそれにあやからせて貰って…
たぁっぷりと、楽しませて貰うとするかのぅ?
もう二度と逆らえないように…なんてのも、偶には良さそうではあるし?」
ごり、ごり、と突っ込んだままの尻尾を、直腸を抉るように押し付けながら。
鬼の頬に手を添えて、顔だけをこちらへと向けさせ、ゆっくりと、言い聞かせるように、そう囁けば…
体を弛緩させ、だらしない表情を見せる、その鬼の顔を眺めながら。
そんな鬼の様子に構わず、ぐぼっ、ぐぼっ、ぐぼっ、と激しく尻尾を動かし、激しく犯す。
普通に犯す、とは違い、鬼を犯すのは尻尾。
肉棒で犯す時のような、射精も何もない、となれば。
鬼がどれだけイキ狂おうと、何度失神し、何度目を覚まそうと。
犯して、犯して、犯して、鬼と己との立場を、しっかりと、快楽によって体に、心に刻み込むのであった。
■天ツ鬼 >
「──……っ、……ッッ…♡ …ッ♡♡」
狐の言葉など、耳には届いていても頭には入っていかぬか。
ぐったりと四肢を投げ出したまま、只管に尻尾に後孔を犯されること、幾許か。
失神と覚醒を繰り返し、あれだけ憎悪に満ちていた女鬼の貌も情けなく眉を垂れ、文字通りに鬼の目にも涙を見せてもそれは終わらず──。
やがて山に陽が差しはじめる頃となればすっかりと鬼の意地も砕けたもの。
声にならぬ声をうわ言のように口の端から零したまま、焦点の合わぬ瞳はぐらぐらと揺れて。
狐の目論見通り…かどうかまでは理解らぬまでも、どちらが上かという格の違いを嫌というほど肉と魂に刻み込まれた鬼の姿がそこにあった。
女鬼の腹の中には新たな憎悪が生まれたことも言うまでもないが──もはや鬼も狐に関わることを懲りるのか、それともまるで懲りぬのか──
それは、また出逢ってみなければ理解らぬことだろう。
ご案内:「◆九頭竜山中腹(過激描写注意)」から天ツ鬼さんが去りました。
ご案内:「◆九頭竜山中腹(過激描写注意)」からタマモさんが去りました。