2023/09/20 のログ
ご案内:「タナール砦・牢獄(過激描写注意)」に天ツ鬼さんが現れました。
天ツ鬼 >  
王国の軍と魔族の軍勢
それらが衝突するタナール砦は鬼の恰好の遊び場であった
戦火飛び交う中には当然の如く強者がいるためである
飛び抜けた力を持つ魔族然り、そしてそれを恐れぬ勇猛な人間然り

鬼はその時その時、有利に傾いている方へと殴り込み、暴れまわる
良い退屈凌ぎ、闘争欲求を満たすため…月の夜にと決めてそんなことを繰り返していた…のだが

「……むう」

流石に毎回のように有利に展開している筈の軍に傍迷惑な行動を繰り返していたわけで
当然、いい加減対策をせねばならないと、両陣営は考えるわけである

…そんなわけで、祝杯に混じりたらふく肉と酒を頂いた鬼
気がつけば牢獄の中で呪具と鎖に隻腕と両脚をふん縛られ、壁に拘束されていたというわけである

「さては酒に何か…やってくれるのう…」

鬼を酒でどうこうするなどあまりにも古典的すぎて予想だにしていなかった
予想するだけのおつむもがあるのかといえば、それはどうかわからないけれど

天ツ鬼 >  
しかもどうにも、いまいち身体に力が入らない
酒に眠り薬、だけでなく筋肉を弛緩させる毒でも混ぜ込んでいたか

試しに思い切り両脚に力を込めるも、引き締まった太股が隆起こそすれどすぐに力が抜けてしまう
更にはその全身に力を漲らせれば、拘束具に括り付けられた呪符がビリビリと震え、やはり力が霧散する

「かーっ、面倒なことをしおるな……」

呪符のほうは、何度か同じことをすれば力で弾ける飛ばせそうではあるが
曲者は恐らく身体に残る毒か
酒だけに入っていたわけではあるまい、どうせ喰らった肉や料理にも、と考えれば…

「──やれ参った、しばらくは動けんと…。退屈で死んでしまうぞ…」

不死身の鬼を殺すならば、退屈攻め
そこまで考えているかどうかは置いておいても、効果的には違いなかった

天ツ鬼 >  
やがて階段を下り、牢獄に近づいて来る足音
砦を落とした兵どもか
それとも別の闖入者か
呪具の封印を維持するために訪れる術者か
はたまた、まるで関係のない者か

願わくば強者が良い
などと捕縛された立場ながら都合の良いことを考えつつ、女鬼はその主の到着を待つのだった

ご案内:「タナール砦・牢獄(過激描写注意)」から天ツ鬼さんが去りました。