2023/09/15 のログ
ご案内:「どこかの牢屋(過激描写注意)」にセレンルーナさんが現れました。
セレンルーナ > 「……んっ……―――っつ、ぅ……っ」

意識が浮上した瞬間、後頭部に走る痛みにセレンルーナは思わず苦痛の声を上げていた。
反射的に後頭部に手をやる際にじゃらりと金属の音が響いていく。
触れた後頭部には、乾いた血の感触。
そして、響いた金属音に改めて手を視界に入る場所へと戻して見えるのは、鎖で手首と手首を繋いで縛める手枷だった。

「い、たた……頭がガンガンする……。」

何があったのだったかと辺りに視線を巡らせれば、そこは石造りの牢屋の中だった。
痛む頭で記憶を必死に思い出せば、次第に鮮明になっていく。
そう、いつもの通り貴族の内偵調査のために男装して使用人に扮しての潜入中の事だ。
屋敷内で人目を盗んで、証拠となる書類を探していて見つけたのだった。
中身を確認している時に、一瞬意識が飛ぶようなそんな感覚に見舞われて次の瞬間には後頭部に衝撃が走っていた。
そして――目覚めた今までの記憶は欠落している。
蝋燭の明かりが照らし出す石造りの牢屋には、これといった特徴はなくそのまま貴族の屋敷の牢に囚われたのか、それとも場所を移動させられたのかも分からない。
潜入のために、元の身分や職などは分からないように身分証明となるものは携帯していないため、セレンルーナ自身の身元はバレてはいないと思うが…。

「…こんな失態を犯すなんて……此処のところなんだか調子が悪いかな……。」

痛む頭に顔を歪めながら、なんとか体を起こすと石造りの壁に凭れて座り込む。
待っているのは、尋問という名の拷問か…牢に入れられている時点で、有無を言わさずに殺されることはないと思うが…。