2023/09/01 のログ
■天ツ鬼 >
──やがて月を厚い雲が隠し、月明かりはまばらに岩場を照らす
「──…と、切らしたか」
気づけば空っぽになるまで飲んでいた鬼は酒瓶をポイと放り、ざぶりと湯から身を上げる
負った疵は殆どが薄く肌に残る程度になり、ほぼほぼ完治といった様相
深い手傷もなく、大きな傷痕が増えることもなかった
「──呵呵、佳き死合ではあったが、遺るものはナシじゃな」
深手を負った戦いは記憶と疵が遺る
今日のひと暴れは、お世辞にも頭が良いとは言えぬ鬼の記憶からは薄れてゆくものなのだろう
身を拭くものがあるでもなく、岩肌にどかりと尻を降ろし、髪と身が乾くのをのんびりと夜風に裸体を晒し待っていた
ご案内:「魔族の国(過激描写注意)」から天ツ鬼さんが去りました。