2023/09/10 のログ
ご案内:「夜間王城(鍵付)」にヤーガさんが現れました。
ヤーガ >  
 夜が下りた短い時間
 宙が白むまでふと気をやれば、もうすぐそこだろうと思える。
 そんな王城内 現役を退いている妖婆がなぜ動かなければいけないのか。
 任務や義務というわけでもない ただ純粋に年を綺麗に重ねた友人と過ごした後
 眠るには妙にざわつくからと、明りも無い城の一角 月明りが差し込むだけの場所にて
 こうして“睦事”に興じている。


   「うちがやかましゅうするだけで終わるけど
    次に出てきいひんように済ますのも、女の嗜みやろ?」


 王族なんていうものは、狙われて狙って
 喰らって喰らわれる 毒餌撒いて毒を喰っている。
 そんな立場だから、余計な者があっても襲ってくる者がこうしている。

 友人を見殺すのもあれだからとはじまった静かな闘争
 互いに金属音すら立てるつもりもない 刃は鍔競り合わず、避けるか腕を弾くか。
 そんな勝負の中、細く息を吐き、嗚咽すら漏らせない相手と小声でささやき合う妖婆の笑み。
 童顔で老いを知らない どこかに人間性を置いてきた魔性を帯びるもの

 舌を軽やかに魔族訛りなそれを出し、するりと蛇のように懐に入れば後は互いの力比べ。
 ミシリと腕に瘤をつくる男の腕に対し、ソフトで肉付きのよい両腕のまま
 両腕の手首下 一番堪え切れない筋肉のつけられない皮と骨の部位を“握りつぶす”感触。
 声も出せない悲鳴の後、抱きしめるように後ろに回り込み、その豊満な感触を背中に与えるまま
 両腕は首に回す横腕と、後押しするかのように縦に万力掛けにする腕。
 食い込む手を息が廻らず、脳の中へと逆流するかのような圧を感じた後
 意識を断たれる前に首を折る独特な感触が喉仏超しに伝わった。


   「ああ、あかん 黒幕を謳わす前にやってもうた。」 


 舌をちろりと覗かせ、先ほどから秘め事同然にしていたというのだからわざとらしい言葉。
 見回りが来る前に後何人来るのかと思いながらも、寝間着ではなく夜の煽情的なドレス姿で動くこの時間
 現役時代を思い出すようだと、不思議と体の熱は冷めない。 
 

ご案内:「夜間王城(鍵付)」からヤーガさんが去りました。