2025/02/15 のログ
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ヴァン > 入口の扉を開けて入って来たのは常連客の一人だった。
息せき切って告げたのは、近くで余所者数名が暴れ、地元の腕自慢がやられてしまったというもの。
この店に関係がないと言えばないが、腕自慢達も地域の住民であり、この店の常連でもある。放置は間接的にこの店の損害になる。

「……面倒くせぇ。ちっと“わからせる”か。……いや、カタナはまずい。酒を入れたからな。手加減ができん」

争いの気配に目を輝かせる黒髪の少女に、緩く手を振ってみせる。
相手は複数。殺害や不具にするのは回復手段があるとはいえあまり良い手ではない。
文字通り“叩きのめす”のが良い。とはいえ骨が折れたりしない、手に馴染む鈍器……。

「イメージを転送する。頼んだぞ」

黒髪の少女は男に抱き着くように飛び込むと一瞬のうちに姿を変えた。
闇を具現化したようなクォータースタッフ。ラインメタル伝統の武器。
魔力を流し込むことで即座に三節棍に変わり、古の達人は先端に炎を纏わせ敵に放ったという。

男は軽く息をつくと、常連客の先導に従い酒場を出て行った。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「アスピダ戦線 山間部領域」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 アスピダで続く殺し合いの中、寒暖差が妙に出ている昼夜
 徹底的な積雪の状態でもなければ殺し合いを辞めることはできない日常の中
 急な展開でもなければ交代で行われることや、夜は休むことが大きい戦場。
 メイラは現在、体を休めるための天幕群の中にいた。


   「―――。」    


 片手で握り、浮かせているのは愛剣である身幅のある巨剣擬き。
 人や魔族ならともかく、規格外な血肉を超える規格外な金属相手に振われ続ける
 剣の状態を見つめながら、まともにエイコーンとやり合うにはいくつかある武器の中、これが唯一といってもいい。
 砂利を落とし、布で拭きあげる工程は妙な砂利粒や欠け一つから破砕点が生まれないようにするためか。
 ずっしりとした剣を両手で握り直し、切先を上に持ち上げたまま違和感もないことに、やっと剣身から目を離すだろうか。

ご案内:「アスピダ戦線 山間部領域」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。