2024/03/19 のログ
ご案内:「貧民地区/路地裏」にアルマさんが現れました。
アルマ > 貧民地区でも治安の悪い路地を1頭の野良犬が歩いている。
青を煮詰めて作り上げた黒に近しい体毛は野良犬にしては小綺麗で、四肢や肉体も痩せ細っている事もなく、貴族の飼い犬が逃げ出したものと勘違いしてもおかしくない、そんな野良犬であった。

その正体は野良犬などではなく、オオカミをベースとして作られた過去の遺物であり生物の形をした兵器(アルマ)。

無名遺跡から逃げ出して、姿かたちが自在に変わることをいいことに王都に入り込んだ……或いは貴族の好事家が飼育していたものが、研究者が保有していた実験体が逃げ出したものかもしれない。

冒険者ギルドでは秘密裏に捕獲せよと、貴族に伝手のある冒険者は生かして捕獲せよと、魔獣の捕獲命令が依頼として出回っていて、当然それを知ってか、こうして紛れ込みやすい区画である貧民地区を彷徨っている。

いざ戦闘となれば逃げだすだろう。
得意の力をふるうことを躊躇い、積極的に人間を襲うこともないだろう、なにせ魔獣は自由と穏やかな日常を何よりも欲した。

ただ、それ以上に魔獣にとって優先されるのはその存在意義であり、もしこの魔獣を『女』が発見しまったら、それは魔獣がどのような存在であるか、その身で知ることになってしまうだろう。

今や野良犬に擬態している自信満々なオオカミベースのキメラ型魔獣は闇に影に紛れて、時々何かを探すようなそぶりをしながら人気のない路地を散策している。

アルマ > 探し物は美味しい匂いに美味しい気配。
それは何も繁殖的なものだけではなく、食欲的なものもだ。
生物的の形をした兵器(アルマ)は人間や他の獣と同様に食事でエネルギーを吸収する事もできるので、追い詰められない限りごみ箱をあさったりはしないが、誰かが持っている食料をうばう事は平気でするので、その点を含めて普通に野良犬かもしれない――…野良魔獣か。

もう一つの探し物は肉である。
兵器(アルマ)が兵器である存在意義を果すための肉。
それは次世代の兵器(アルマ)を産ませる為の肉、そして兵器(アルマ)を兵装(アルマ)として装着できる肉を探していた。

その為に遺跡に籠るよりは……とキメラ型の魔獣兵器(アルマ)は考えて今現在の野良犬形態での路地裏散歩に至るわけなのだ。

装着者のないアルマの個々の戦闘力は決して高くなく、一般人を追い払えても、武装した冒険者には敵わない、なのでこうして人気のないところを彷徨い、幸運にチャンスに巡り合える事を祈り、鼻先をスンスンと動かしながら歩き続ける。