2023/09/21 のログ
ご案内:「欲望の街ナグアル・ピスケス医療・魔法店」にベルハートさんが現れました。
ベルハート > 欲望の街ナグアルの西部の第九区画。工芸街、または職人街と呼ばれるようになった加工産業が盛んな区画のどこかにその店はある。
どこかというのは比喩でなく、第九区画のどこかに日替わりで現れる扉をくぐる必要があるのだ。
とはいっても、本当に用事があるものは第九区画にさえくれば自然と扉が見つけられるまじないがかかっているとか、なんとか。
…その真偽はカウンターで頬杖をついて、くぁ…とあくびをしている店主に聞くしかないのだが。

カウンターの向こう側から見える姿だと、羽織っている裾の長そうな白衣以外には何も身に着けていないように見える男か女かすら曖昧な…白衣が横にずれてはだけそうな柔い胸のふくらみと雌のような色気を醸し出していることから、女か?となんとなく思えるような風貌の店主。
その周りをふよふよと泳ぐ黒いウツボのような何かが、退屈そうにビタビタと尾鰭をふった。

『ったく、こんなややこしい入り方の店にするから暇なんじゃねぇか?オイ。』
『ほんとよねー。』
「うっせぇ、オレだって最初は普通に店作ろうとしたもん。そしたら、一応統治者なんだから最低限の防犯はしろーって言うからぁ…こうしただけだもの。」

口調すら男女の境を行き来した上で男言葉に着地するような言葉遣いで周囲をおよぐ白黒の魚のような何かにぶーぶーと言い返す魔女の正体は…この第九区画の統治者である。
最低限を防犯を、と言われて、入り口を区画内ランダム出現にしたらしいが…おかげで普通に偶然興味本位で入ってくる客、が極端に減ったのは事実だった。
暇つぶしに手持ちのマジックアイテムや薬品のうち不要になったものを商品にして店を開いたのだが…余計暇になった感はある。
どうしよう、散歩でもした方がまだマシだったかもしれない。まぁ、道楽商売なので店を閉めて出歩いても良いのかもしれないが…それでも、だれか来ないかなぁ、と店の入り口を眺めながら、文句をいう宙を泳ぐ魚二匹をあしらっていた。