2023/08/21 のログ
ご案内:「設定自由部屋4」にグランツさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋4」からグランツさんが去りました。
ご案内:「九頭竜山脈 アスピダ付近山間部」にグランツさんが現れました。
■グランツ > うっそうと生い茂る森林地帯。
街道から離れ、馬でさえ立ち入れぬ森林奥深く、そこに男は一人”荷物”を背負って奥地へと分け入っていく。
天幕一式、調理器具、手製のろ過装置、着火装置、着替え、資料一式……。
他様々な観察道具など、多岐に渡るそれを詰め込んだ大盾とも見まごうザックを背負う巨躯。
「ふう。」
やがて、目的の地に至れば鈍く重い音を響かせて荷物を下ろし、
腕を回して骨がきしむ音を響かせる。
周囲の生物からすれば突如縄張りに足を踏み入れた脅威。
人の姿をしたオーガと評する方がいっそ簡潔な男は、
通気性と日よけを考慮して作成させた防暑帽を脱いでその顔を仰ぐ。
「さて……。腹を満たしてから、調査するとしましょう。」
山の中腹部、そこに開けた小さな台地。
男が周辺でフィールドワークを行う際に目星をつけている見晴らしの良いお気に入りの場所の一つ。
一つだけ不満があるとすれば、アスピダ。近年”話題”になっているその城塞都市が景観の中に伺える程度か。
学者である男にとって、世情の流れはさして興味はなく、
時に館のメイド達の喧騒から離れて、かつてのように一人生業に勤しむことも堪能したくもあり。
天幕を設営し、焚火の為の石囲いを組み上げ、周辺に蟲除けのお守りを試験的にぶら下げる。
蜻蛉の形をした模造品、蜂の巣を模した布の塊。
虫の視力と言うものは鈍く、他の感覚器官が補っており、
それ故に視界に突如”天敵の印”らしきものが映り込めば逃げていくようで。
……いっそ民の為に売り出すべきかと思案したが
【え、マジで止めて。薬草界隈の流通がちょっとおかしくなる】
と、友人の情報屋に言われて仕方なく諦めて、個人的に利用していて。
■グランツ > 設営が終われば近くの小川で水を汲み、試薬を入れて水に落し、毒の有無を確認する。
問題がなければろ過装置にかけ、それを薬缶にかけて火にかける。
男の巨大な掌にすっぽりと収まるハンドミルに、友人から頂いた諸外国の香ばしい煎豆を挽く。
それを布袋にいれ、器具にかけ、その下に金属製のカップを置いて、
ひとまずは持ち込んだパンに厚切りのハム、分厚いチーズ、スライスしたトマトを挟む。
お湯が沸けば、器具に少量のお湯を注ぎ、挽き豆を少し蒸らしてから、数回に分けてお湯を加えていく。
コーヒー、パン二斤を切り分けて挟んだサンドイッチが四つ。
デザートにリンゴ四つ。
野外の食事としては上出来だろう。
「……パスタは、散策がてら香草を摘むとしますか」
夕餉の献立を思い浮かべながら、両手を合わせて軽食にありつき。
■グランツ > 「今回は、良い肉にも巡り合えるといいのですが」
男にとってフィールドワークとは、己の探求に必要なだけ肉体を作り上げる必要がある。
強大な魔物が潜んでいる、過酷な環境である。
それ等は障害ではなく、己が障害と認識しているに過ぎない。
雄大な空を飛ぶ生物に過酷な環境は無縁であり、
強大な魔物を捕食する魔物も存在する。
で、ある以上、認識を越えた肉体作りさえ行えば良い。
男にとってフィールドワークとは、己の体に極限まで負荷をかける場であり、
己の体を作り上げる様々な”食材”と巡り合える場でもある。
進み、喰らい、眠り、進み、喰らい、眠る。
群れを成すべき人もまた、己が自身に課す枷を外せば無限の可能性が眠っている。
(だというのに)
遠くに見える人工物に向けて目を凝らせば、煙が上がっているのが見える。
王国側の戦力が遠征して小競り合いをしているのだろう。
それをしばし眺めてから、やがて、背の鮮やかな翅と甲殻を広げる巨大な蟲が上空目掛けて舞い上がっていけば、
男は早々にそちらへ視線を向けて。
「ほお、あれほど巨大に育つのも珍しい」
三本角を天に掲げし七色の巨大甲蟲が飛び去って行くのを見送って、
到着して早々に良いものを見られたと、散策の吉兆に頷いていた。
■グランツ > 「さて、そろそろ……。」
食事を終え、煮沸した後に冷えたぬるま湯で食器を洗えば、ごみの類は片隅にまとめ、
道具一式を詰めたカバンを抱えて、森へ向けて足を踏み入れて―
ご案内:「九頭竜山脈 アスピダ付近山間部」からグランツさんが去りました。