2024/10/15 のログ
■ドリィ > 男の言葉に、大仰に瞠目してみせながらに女は口先を拗ねさせ戯けてみせるは短い間。
「旅の仲間をもう一人、って、…美女とイイ男の旅に野暮じゃなぁい?
まァ、テレポーターについてはー…ま、どうにかなるでしょ。
あたし、Luckだけは自信あるし。」
実際は野暮さより面倒さが勝るので、却下。
そして、女はどうにかなるだろう大雑把にして奇妙な自信と確信がある。
だって女の持つ特殊スキルがあるとするなら、それは─…“呪われし天運”というヤツなのだから。
故に、無責任に適当に流すだろう。
男が密やかに思案するアレコレを知れぬまま。
まさか馬に乗れぬとは露も欠片も知らぬまま。
隻眼より向けられる相槌に、時折夕暮彩の両眼を気紛れに向けて。
「そう? やっぱ男手がいるとこぉゆう時に便利よねぇ。
オッケー、それじゃあ遠慮なく──…もぉ3メートル貰おうかしら。
───…ヤダ助かる。火薬も頼んで平気?
用途は魔石使うときの触媒だったりするからぁ…少量で大丈夫なハズ。」
後は何か取り替えるべきものがあるだろうか、と。女が ンー…と袋の中身を眺めつに唸る。
自身で必要なものは自分で取り揃えればいいし。
先程の火酒にはこれでもかと薬草の類を突っ込んで漬けてゆくつもりだし。
とりまこの店で間に合うものはこんな程度かと思った、丁度そのタイミングにて、
男が発した疑問符に、女は双眸を一瞬丸め。
「───… っ、あは。確かに。」
相好がユルく破顔した。
「ふっ…クク。たしかにー…ダンジョンから出て、はじめての朝焼けを見ながら飲まなきゃあ。
じゃあ、それは任せて? ダイラスで買った南のイイ豆があるの♡」
■ヴァーゲスト > 野暮ではあるのは間違いないがまあ彼女がそういうのなら。
最悪の手段にはなるがいざとなれば徒歩で移動すればいい。
イイ男と言われれば、クッと小さく笑いってしまいながら、
「じゃあその辺はアンタのLUKに期待する方向で。」と、方向性には同意する。
実際は面倒である。
賞金稼ぎという職業柄あまり大人数と組むのは好まない。
且つ自己申告があったが美人と二人旅、其処に男女問わず
1名加われば、否応なしに荒れる可能性が跳ね上がる。
男女二人きりなら、間違えたところで荒れたりはしない。
なので適当に流された件はこれ以上突っ込むのを止めた。
しかし馬か、乗ることにならなきゃいい。
まあ相手の後ろに乗るという格好悪いスタイルになるが。
その時はその時馬に並走して走ればよかろうさ。
……夕暮彩の瞳がこちらを向くなら、隻眼を細めてニィっと口の隅を持ち上げて気さくに笑みを浮かべて返し。
「おう、火薬も任された。
用途は触媒な?少量っと……。」
頭のメモ帳に火薬(少量)と付け加え。
その後の彼女の様子にこの店での買い物は終わりかな、と
口にはせずに、小さくうなづいた後には隻眼に映った彼女の
花咲くような笑顔につられて、くくくくっと喉を震わせて笑って。
「なら珈琲豆はまかせた。
でも珈琲を淹れる為の道具は任せてもらおう。
普段から遠征する際は持ち歩いている奴があるからな。
そのイイ豆は煎ってなくても挽いてなくても大丈夫だから
最高のコーヒーを飲ませてやるよ。」
と、冗談半分で確かに朝焼けを見ながら珈琲をと口にしたが、
冗談を抜きにして仕事の終わりは自分で淹れた珈琲と決めていたので、少しだけ気取った感じで口にすると、直ぐに続けて確認の言葉を。
「って事で遠征前の買い物はこんなところか?
あとは何時出発するか、集合はどこにするかだが……。
ああ武具とか必要になりそうな物は集合前に各人で準備でいいよな?」
最終確認。
言わずもがなの部分と、出立日の確認である。
■ドリィ > 「任せて。 あたしの強運、中々バカにできないんだから。」
用意周到を踏むのは大事。だが、小さな面倒を重ね積めば厄介になるというもの。
失敗しないだろう確信は女すら、何由来なのか甚だ怪しいところではあったけど、
その根拠無きものこそが信じるべきものだと本能が告げるなら、恐らく失敗はしないのだと、思う。
だったら人員だって、最低限で充分だ。
──それにしても。
男の素直過ぎる程にあっさりと、適材適所とばかり手を引く姿勢は気に入った。
弁のたつ調子いいだけの男じゃない。役割を──己が任されるべき局面を弁えている。
さらりと火薬の調達に口を挟むところだって。
立ち回りの器用さは有能さとイコール。───悪くない“相棒”だ。
「持ち歩くのはスパイスだけじゃなかったみたいで安心しちゃった。
最高の珈琲が飲める最高の朝なんて、サイコウに素敵じゃない?
これは何としても、──…最高の一杯のために奮闘しなきゃ。」
やっちゃいますかぁ、と気合を入れるには些かユルく、女がンッと伸びをした。
エールに溺れる祝杯もいいが、これだって悪くない。
改めて見繕ってきた品を全て袋に納め、店主に貨幣を渡し。
この店では買えぬ不足品を脳裡に描きつつに男へと女は再度向き直る。
問いに頷いてみせて
「そうね。後は個々で。──…最高にカッコイイところ見せてくれちゃう装備を調達お願いね♡
集合場所は、乗り合い馬車の時間をもう一度見てからでー…
あとはぁ… 」
そう、あとは。
女が遊び心をふんだんに含ませた双眸を男へと悪戯に流しては、
片手がくぃ、と杯を煽るジェスチャを小気味よく加え。小頚を傾ぎ、囁いた。
「───…決起集会?」
ふにゅんと唇がわらう愛嬌滲ませる。
何につけても酒、である。
■ヴァーゲスト > 適所適材は賞金稼ぎも冒険者も変わらないのかもしれない。
特に自分で出来ること出来ないことを理解しているなら、
猶更相手の得意分野に任せてしまうのが一番である。
今回の場合は彼女の強運がそれで、取り返しがつかない部分でもなし、
後は野となれ山となれだ。
「……まあスパイスはそのなんだ。
あれだ、切り札的なもんだ常備しておけば、
いざという時はな……。」
いざと言う時=食料が尽きた時であるが言葉は濁す。
タイミング合えばいい具合の奴に遭遇できれば、酒のアテくらいは作っても良いかもしれない。
なんて考えている内に支払いまで済ませたようで、
何なら半額を己で負担するつもりでいたが、ここで
今更そのやり取りをするにはその今更感が強いので、
後で彼女提案の決起集会の時にでも聞いてみるかと。
――…言わずとも報酬をその分割引いても悪くない、か。
「じゃあ、この後は決起集会って事で。
細かなところは酒を飲みながらツメような。」
彼女の遊び心満載の悪戯な視線を隻眼で受け止め、
にぃと片方しかない眼を細めてその仕草と囁きに応じると、
軽くうなづいて愛嬌ある笑みに鼻の下を少々伸ばす。
だって夜はまだ長い。
愛嬌ある美人と買い物をしてハイ御しまいなんて、
色気も何もあったもんじゃないだろう。
こうして二人は併設の酒場へと向かうのだろう。
決起集会という理由をつけてまた浴びるように酒を飲み。
酒におぼれ、女におぼれ、かと言って手を出すこともなく、
未知なる宝の夢を見て、長い夜を過ごすのであった。
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」からヴァーゲストさんが去りました。
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」からドリィさんが去りました。