2024/10/14 のログ
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」にヴァーゲストさんが現れました。
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」にドリィさんが現れました。
ヴァーゲスト > 基本的に『余程の事』がない限り、仕事は基本ざざっと情報を集めてザクっと準備するのだが、
今回の仕事に限り入念な準備が必要であると判断し、こうしてわざわざ他者と待ち合わせをして
尚且つ冒険者ギルドに併設している店を利用して、その準備をしようとしている。

今回がその『余程の事』というわけではなく、ただ単に一人で何とかするクエストではないというだけ。
自分以外にも責任が及ぶ仕事となると、行き当たりバッタリの何時ものスタイルでは、何ともならない
事態に巻き込まれる可能性が発生する可能性があり、例えば……そう例えば、水や食料が不足した場合
そこらの魔物をとっつ構えて食べればヨシ、では通じない可能性が出てくるのである。
ゆえにいつも以上に念入りで入念な準備が必要となるわけだ。

加えてその準備にしても、あの『宝の地図』に描かれた迷宮の広さを脳内で想像するにして、どれくらいの
日程で探索をして帰還するかの想定が全くさっぱりイメージできないし、途中で容易く脱出できる作りにも
思えない。

「……な、わけでオレ一人だと、適当に干し肉と水とスパイス買い込んで準備万端!
 って事になるんだけども、だ、ヘタすりゃ長期滞在の可能性諸々考慮して、
 何を買い込んで、どうすりゃいい?なお荷重はオレが持つので計算しない事とする。」

冒険者ではない。
賞金稼ぎにとって長期の屋外でのクエストは全くゼロではないが、本職には敵わない。
だから己にしては珍しく(とても珍しく)素直に助言を求めて、直ぐ傍にいるはずの女に隻眼の視線を向ける。
手持無沙汰な手は普段であれば、そしてこんな美人であれば尻か乳の一つでも弄りながら訪ねるが
少し真面目な話になると思うので、寂しいその手は代わりに自分の顎髭をじょりと撫でる。

冒険者ギルド併設の商店。
冒険に必要な道具の最低限度はそろっている。
ただし本当に最低限度であり、下級の冒険者ならいざ知らず、上級の冒険者であれば馴染みの店をつくる、
そんなレベルの品ぞろえしかないお店である。

例えば初心者向けのテントセットや簡易調理器など。
ポーションの類も最低レベルのしかなく、他も品質は一定のものがあるが、それ以上はない

下準備もまた冒険に必要なものである、という事でわざわざ品ぞろえを悪くしているらしいとの噂。


賞金稼ぎの男は冒険者的な知識は皆無。
支度をするにしても結局は冒険者ギルドに併設されたこんなお店しか思い浮かばないのだった。

ドリィ > 随分と豪胆な男の「持ち物」に、ギルドの商店の一角にて、
その女はまず笑い、肩を竦めてこう宣った。

「それはぁー…オイシく肉を食べる気はあるようで何よりね。」

男1匹の賞金稼ぎとは成る程、そういうものなのだろう。
干し肉と水とスパイス縛りのダンジョン潜入は非常に興味深くはあったが、
流石に女としては長らくの相伴は御免というものだ。
故に、形の良い眉を軽く顰めるよに動かしては、商店の中を一瞥する。
最低限、可もなく不可もない、探索が無難に適うその品揃えに女は視線を馳せてから、
どぉしよっかなぁー… と短く独りごち。そして、

「オッケー、ヴァーゲスト。任せて。このドリィさんがぁー…
 干し肉と水とスパイス以外に何を買えば良いか、教えてあ げ る ♡」

唇に一度指先宛がい告げたなら、女は意気揚々と店内奥へとブーツのヒールを鳴らし、歩みゆく。
途中、棚の一角、火酒のボトルだけを引っ掴んで連れてゆきつに、
店主のいるカウンターへと、肩肘を乗りあげて。
どんッ。 酒瓶添えつつに。ニッコリと極上の笑顔を添え花にして双眸細め。

「マッスタぁ♡ 取り敢えずダンジョン2週間コースでー…イイカンジにお願い」

───雑である。
そして店主もまた、心得たとばかりに頷き奥へと消えるのだから。
女は己が爪の割れを目敏く眺めつに、実に暢気に店主が戻るのを待ち。

ヴァーゲスト > 言えない、これは言えない。
無名遺跡や長期にわたり賞金首を追う際に食料は全て現地調達なのだとは
とてもじゃないが言えない。
オイシく肉を食べるのではなく、スパイスで味と臭みをごまかして食べる、
その為の香辛料だとは言えない。

なお男は基本人型の魔物とゴーレム系以外の魔物は喰らう。
まだ依頼主であり仕事の間だけではあるがパートナーである女に亀系の魔物や触手系の魔物は喰えるぞ、とは言わない方が良いだろう。
あの様になっている肩を竦める仕草の後に冷ややかな視線を注がれる予感がする。

現地でも魔物を調理して食らうのは止めておこう。
さて、それはいい、問題は…………実際どうするかである。
だから今回の支度に細かいところに関しては女に丸投げをして、
いい具合に任せたら女が今度はいい具合にマスターに丸投げをするところを見て、
冒険者も賞金稼ぎもその辺は変わらないのだな、と妙に納得をしたのだった。

正直魔族だから何とでもなるのだ実際のところ。
飢えと渇きは耐え難いものだが耐えられなものではない。
水がなくても魔物の血液で何とでもなるし、スパイスさえあれば魔物の飢えも凌げる。

んーブーツのヒールを鳴らして歩く姿は一見の価値あり。
その後ろ姿も非常に良し、特に尻から腰のラインにかけては、
それだけで酒の肴になるだろう。

ちょっとセクシーな物言いも芸術点を加えよう。
唇に指先をあてがう仕草は百点満点だ。

でも言わなくてはならない。

「……なんだ冒険者でもその辺は結構雑なのか。」と。
小さな声でボソリと零すように、それを口にすれば手慣れた店主の対応を見る限りはギルドも適当なのだと理解した。

「今回は大体2週間程度の予定なんだな?
 地図を見てもその辺はさっぱりだからな。
 滞在期間とか、現地に行く方法は徒歩なのか、何なのか
 とか、もう丸投げしたいレベル。」

酷く丁寧な『何を買えば良いか』をご教授してくれたドリィに改めて期間の確認を問えば、その横へと並びたちそれから彼女の方に隻眼を向けると、
のんきな彼女の様子とその横顔を眺めて、事前に確認すべき事項を改めて頭の中に浮かべる。

例えば地図ではいまいち読み取れなかった通路の広さ。
室内はある程度想像がつくが、通路までは読み取れない。
それによりもっていく武器が変わる、例えば得意な武器は長物であるが、
長物を振り回すだけの広さがなければ荷物になるし、
それならナイフよりも少し大振りはショートソードを準備する必要がある。

そんな細かな点を質問すべきか悩みながら。
口元には何とも格好の悪い自覚のある苦笑いをへらと浮かべ、
店主が戻るのを一緒になって待つのだった。

ドリィ > 女の想像力は、幸いなる哉、男の食糧調達事情には及ばなかった。
否、現地調達位は考えが及んだかもしれないが、
そのワイルドさの程度については恐らく見積りが甘かった。
故に、その双眸が絶対零度の侮蔑と憐憫を含むことは無く。
探索の前段階としてすべきをこなすことに意識は向く。何方にしても己が装備は揃えねばならぬのだし。

男から届いたぼやきを聞き留め、女は片眉を跳ね上げ、振り返る。

「そりゃあ、イチから全部揃えてたら面倒だし?
 こぉゆうときのー… 初心者にも優しいギルド商店ですし??」

合理的にいかなきゃ、と女は事もなげに告げ。
待つ間を男からの質問コーナーで埋めることにするのだ。

「そ。テレポーターが上手く作動してくれればぁー…一週間くらいなんじゃないかしら。
 ただ、起動しないってなると話が変わってくるからぁー…、まぁ…2週間は保険的なカンジ。
 手前の村までは乗り合い場所で行けて、ソコで馬でも借りてもイイかなァ、って。
 中は浅層までは自然洞窟でルートも単純なんだけどぉ、下層は遺跡が雑じってくるから、少し面倒でー…
 だからー…

 ……ァ。」

店主が麻袋を抱え戻ってきた。
その口縄を解く一連を、女は眺め、ひょいと中身を指で摘まみ。

「ココから、足し引きしてくの。

 まず油は、蟲除けのハーブ雑ぜてあるヤツにチェンジ。
 ロープは…ヴァーゲストいるし、ンー…もぅ2ランクくらい太いやつ?
 ァ。毒消しもう1袋。代わりに、今の時期はイヴィルアント少ないし、コッチは要らないかもぉ。
 火薬はぁー… ェ。この商会のヤツ、湿気るから嫌いなんですけどぉー。」

袋の中身の基本装備を掴み、ひっくり返して眺めては、
成る程。女は目敏く遠慮の無いオーダーを連ねゆくのである。

ヴァーゲスト > 確かに、確かに尤もである。
素人があれこれ考えるよりもプロが、プロがあれこれ考えるよりも、
その道を究めた者が考えた方が効率がいいのは確かに。

この場合の素人は己であり、プロは冒険者である彼女であり、究めた者とは店主である。
何百何千と冒険者の世話をしているのだから、認識的に間違いではない、と思う。

振り返る美人さんに対しては小さく頷いて同意と理解を示そう。

「確かにイチからあれこれ考えるよりも、任せた方が確実だな。」

非常に合理的であるし、金を払って準備させるのだから抜けも少ない筈である。

その話も大事であるが、続く話のほうがもっと大事で。
カウンターに軽く背中を預けながら、横目で彼女のやる事なす事の一切を眺め、
完全にお任せスタイルをとりながら質問への答えを聞き、
頭の中で自分なりの予定と予測を組む。

「テレポーターねぇ………。
 作動する事を祈るかエンジニア連れていくか、
 ああでもその分だけ分け前は減るか……。」

大事なのは分け前である。
頭の中で天秤を浮かべて、分け前と冒険の成否を左右の皿に載せて、
さてどうすべきかと軽く思案を始めるが、本当に必要であれば悩むよりも先に彼女が提案してるし、
彼女が考える以上に問題視する筈だからと悩む素振りだけで、
その件はするーっと流し、あとはどれだけ移動にかかるか、
ある程度内部を読み取った彼女の言葉を聞きながら、うんうんと唸るだけになる。

と、まあ、武器に関しては徒手空拳とショートソードか、
投擲用ではないナイフを揃える事にして、それは出立の前日までに揃えればいいか。

――……あ、馬乗れないわ、乗ろうとすると逃げるんだ馬が、そのなんだ…魔族なんで。

そこは口にするか、否か悩むところであるが、馬に乗るのが確定事項ではないようなので、これもヌルリと聞き流すとして、彼女が手際よく足し算引き算をするのを感心した様子で眺めて。

「……成程、自然窟なら虫よけハーブってか。
 それにロープを入れ替えると、太いやつでも構わんよ。
 重さは考えないで、出来る限り必要な奴を揃える方向で。
 あと火薬、火薬は……出立前までに何とかしておくから、
 量を指定してくれるか?発破かける量なのか、それとも別の用途なのか。」

火薬程度なら何とでも調達できる。
ナイフを買いに行く時に一緒に買えばいい。
ただ店主が目敏い彼女のオーダーに対応出来るなら、
自分で買わずに店主に任せるほうがいいだろう。

あとはほかに何かあるか。
替えの下着、なんて冗談を言うタイミングでもないし。
ああ、でも……。

「珈琲豆はどうする?
 朝焼けを見ながら1杯なんて奴に付き合ってくれるんだろう?」

ゆるく小さく首をかしげて彼女に問う。
冒険途中の眠気覚ましも兼ねているし、遺跡の中での防寒用の飲料にもなる筈だ。