2023/11/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 通り」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 膨らんだ月の夜
 欠けた部分が丸みを帯びた月の形と、うっすらと降り始めた雪
 暖冬染みた空気も終わりを迎えようとしているのか、白い息も朝焼けと夕暮れすぎから始まりやすかった。

 そんな戦場を抜けている冷たい時間
 夜の富裕地区をふらりと歩く最中で、雪の触れ始めを垣間見ている最中から始まったのは
 恨みを買いやすい行動 恨みを得やすい言動 其処から発生する騎士崩れや冒険者との戦闘だった。


   悲鳴 金属の落ちるそれと共に
   何かの飛沫が床に盃を逆さにしたような量で音を立てる。


 黒い毛皮のコートを羽織ったまま、右手に握る妖刀の斬れ味
 上段に振り下ろそうとした両腕を諸共に、横薙ぎに肘際から落とした上で
 頭上から一刀に骨盤上まで両断して見せたことで、がばりと咲く肉の花。
 金属や革超しに伝わった選べない太刀筋は、膝からズシリと落ちた音と共に、引き抜かれる。


   「ほんとうに、共喰いが多いですわね。 冬眠するケダモノでもあるまいし。」


 ギザ歯の綺麗に嚙み合わさる歯列が隙間を開けて白い吐息を漏らす。
 赤い瞳は怒りも戸惑いもなく、次に始まった互いに直剣や刀との数度の打ち合い
 刀も剣も、曲線や直角を描いて両の手指が、垂直撃ちで骨ごと削げ落ちる。
 返す刀が、貌が耳を境目に半分“剥がれ落ちた。”
 埴輪状の三つの空洞 痙攣し震える体が地面で跳ねるのを見ながら、剥がれた顔を踏みつぶす。


   「―――ほんと、お前はよく斬れますわね。」


 愛刀に話しかけながら、見回りが着くのが先か、殺し合いが終わるのが先か。



   

ご案内:「」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。