2023/11/11 のログ
ショコラータ > 「程度問題なんでしょうけど、
 教訓はもらったのでね、活かしていい権利が私にはあるわよね。」

ちょっとくらい先走った先手必勝で良かろうと言うけれど、
この条件に合うやつを攻撃すべし、みたいな指針が無い時には、おそらくやっぱり反応はちょっと鈍いのだ。
それでもこんな話をしていれば、いざという時にいくらかは思い切りが良くなれるはず。

「――ふむ。……ふむふむ。
 はぁっ!? アレは痴漢よ! この痴漢! っあ、ごめん。」

そして性交渉への見方には、ちょっと居心地悪い話だわねと思いながら聞くけれど。
そこでファーストコンタクトが対話であるとの言には、いいえセクハラでしたと声が大きくなって。
祭りに集った群衆の中での『痴漢!』には、サッと視線が集まってしまうだろう。
おっといけないと慌てて、何でもないですただのお話ですと手をつないでおく。

「……なんだ、縁があったのね。」

そうして探し物の話には、異界絡みの天災にでも巻き込まれたのかなと思う。
そうは見えないけれど正気をごっそり持って行かれる事もあれば、世界観や死生観なんかを変えてしまってもおかしくない。
あるいは誰かを失ったか。事故か侵略か、後者であればその時のコルボを守るのは我が一族の標榜するところ。
次元侵略の防波堤などと名乗っている事を伝えた時の彼は、悪感情を持つ風ではなかったが。
どの面下げてと思うと、少し視線が下を向いた。

「――あ、コレ邪魔なのよ。マヌケじゃない?ホントに?やっぱり矯正する必要ないのにかけてるのはどうかと思えてきた…
 あの―― 素性隠したい人が行くお店とかではさ、こういう眼鏡に認識阻害の魔術仕込んであるのがあって。
 ああいうのなら着けてもいいわよね、ちゃんと理由があるのなら。」

何が反則なのかは知らないが、眼鏡も好評で何よりだ。さすがは男娼、という事なのかなと思う。
対してこちらは何がコルボをそう戸惑わせるのかと、変装ですからのスタンスもあって効果覿面の自覚は薄く、
百戦錬磨っぽいのに意外と動揺しやすいところもあるのかしらと、逆に戸惑って。

「――ん? ああいや、コルボの用だって言うから自分で着けるのかと―― ええいや、だからコレは…
 えー… あー、なんか買ってくれるつもりなんじゃないかなって嫌な予感したから、じゃあコルボに似合うのあるかなと…
 いやでもコレがコルボにピッタリ!とか思ったわけではなくて、普通に可愛く見えただけなんだけどね。
 コルボがどういうの好きなのかまだ良く分かってない。
 …アクセサリー、お洒落するとなったらするけど、ぶっちゃけ邪魔とも思う人でしょ?」

自分の趣味に合うものなので、買ってくれても嬉しいけれど。
手に取ったのは買って欲しいからではなく、何か返礼品用意しないといけない気がしたからで、おねだりではないぞと。
こういうやりとりは慣れぬ。居心地が悪い。
コルボの襟元にノーチラスと猫をかざしてみて、男の人にはいささか可愛すぎるかなと首を傾げた。

コルボ > 「元から持ってるだろ。重点的に急所狙え。いいか、命乞いは聞くな。
そこまでやってそういうこという奴に限って逆の立場だと手は止めやしねえんだ。股間を狙え股間を。」

 少しでも条件が合うなら徹底的にやれという有様である。

「ラータお前たまに急に冷静になるよな」

 痴漢と呼ばれても気にする様子はなく、手を握っていれば周囲に微笑みを振りまいていなしてしまう。
 既成事実で呑み込むつもりもないが、セクハラをしながらこうしてフォローしてくれるのは関係性の改善は伺えて。

「お前が初めてだよ。だから、ようやく推測が確信に変わった。
 それだけで、お前は俺を救ってくれたところはあるよ。
 だから、お前が救われないといけない時は、俺が借りを返す。」

 視線を落とす貴女にそういう。この世に救世主なんてものがいると思っていない。
 いたとしても自分を救ってくれるとは思っていない。何も期待はしていない。
 そいつ等の救う人々にかつての自分達は含まれていなかったのだと。

 だからこそ、一人で歩み続ける己に初めて光明を与えてくれた貴女には、それだけで感謝しているのだと。
 救世主なんていないのだから、共に戦う時があるならば、肩を並べるのだと。

「そうか? アクセントになって大分いいぞ? 認識阻害は、あってもいいかもな。
 お前無自覚だけど美少女だし、なんやかんや人気ありそうだし」

 そも、レイプされた時も何故それだけ奇異の目が向けられるのかという話だろうと。

「んじゃあ、そのブローチはラータにプレゼントするから、そうだな。あの辺のタイピンで俺に似合いそうなの選んでくれよ。
 学院での仕事でつけるからさ。

 そも、プレゼントって人から贈られるものだから必ずしも正解にならないってかそれがいいんだろ?
 俺ぁ、嗚呼こういう風に考えながら選んでくれたのかなって考えながら使うタイプだからよ」

 と、己の人となりを織り交ぜてそう告げて、どうだ? と取引を持ち掛けて来る。

「俺のプレゼントをお前がつけてくれてると悪い気はしないからな」

 などと、痴漢が悪い顔で笑って来る。

ショコラータ > 「…そこまではしない、と思って過激に言ってくれてる?」

いや急所を狙うのは賛成で、命までとりゃしないけど助命嘆願に惑わされちゃいけないのもそう。
これまでと違う事は言っていないのだけど、ふと、私を思いきらせるために割り増しで強く言っているのかなと思う。
だとしたら やはり ブレーキが必要なのだと考えるのは、これでどうしても意外や穏健派なのか。

「――いや急にってか今のは。うん。」

痴漢騒動は すん、と急に鎮まったが元よりそんなに荒ぶる事でもないのだ。
勝手な事言って!と思わないではないけれど、その中身が別に悪気も無ければ、彼の中で一応筋を通しているのなら。
それに大抵の怒りは本当に制御不能なものではない。
怒っている最中に異常事態が発生して、怒っているからといってそれに対応できない人がどれだけいるのかと言ったら。

「…何の話よ。ほぼ確信寄りの推測にあとは実例の一押しが必要だっただけでしょ?
 それって私は何にもしてないにも程があるし借りとか言われても重たいって言うか…
 連れて行ってはあげられないわよ? ウチの方針を守る義理も無いけど、せめて空飛んでくれないとダメ。」

言葉にする事が全て本心ではない。
異界に余人を案内するべからずという家訓を理屈で理解していれば破るつもりは無いし、
だからコルボが空中浮遊の魔術を身に付けてくれたってダメなものはダメなのだ。
なので借りとか言われても、私はそれ以上というか、元より何も貸せないぞと。

そんなに褒めてくれるなら眼鏡の正式採用も視野に入れるが、やはり伊達は感性が許さない。
美少女云々は反応に困って安定のスルーで、そうか、猫とアンモナイトは趣味じゃないかと自分の方へ引っ込めた。

「――え、学院… いやそれは何か別に… あー… の… 嫌よ?
 “どうして私のあげたタイピンと違うの着けてるの”なんて事を気にする女の子とのいざこざに巻き込まれるの。」

学院で着けるとか聞くと、急にプレゼントし難くなるのは
こういう経緯で手にしたアクセサリーが大量にありそうだと察する事が出来たから。
とはいえ選んでくれ、とまで言われていると やっぱ止めた とは言い難い。
…私はこの不思議系が良いと思ったんだけどな、と諦めきれない趣味の押し付けを抱えながらのタイピン選び。

コルボで鳥モチーフは、あまり良い印象持っていないのだったか。
お仕事でとなると薬草学の植物モチーフを考えるけど、安直な気もする。
恋多き遊び人です!って自己紹介してもろてと、ハート型をあしらったものに手が伸びるけど意地悪か。
それに私がハート型をプレゼントするのは何か気が引ける。

「――ほう。」

どれ、と手に取ったのは、レースで花をあしらったようなデザインのタイピン。
幾何学模様めいた花の形は未完成で、末端がロープワークよろしく『編みかけ』を表現している。
細かな意匠が非常に破損し易そうなのもポイントだ。これならすぐに退役して後進に場所を譲るだろうという。
難点を言えば、そんな脆そうなのに細かい細工は、原材料の量こそ少なそうだがちょっとお高い。
しかし値札はあんまり見ないのだ。

「――俺のプレゼント、要素を強めたかったら選んでくれるのが一番よ?自分で言ってるけど。
 まいいわ。確かにちょっと可愛すぎる。コルボが着けないならコレ好きだし… うん、今更置いて行くのは寂しい。
 じゃあ私はこっちで、もうキャンセル無しよ!」

じゃあイラナイ!と強気に出るには、普通にお買い物しても良いかなと思える一品。
着けるのは気に入ったからで、別にプレゼントだからじゃないぞと念を押しながらお会計。

「――はい!」

交換!と、わざわざ別々に買って受け渡しとかこっぱずかしいのだから早く済ませろと押し付ける勢いだ。

コルボ > 「出来ればそこまでやってほしい気持ちはわりと。
 お前そも強姦までしようとしてる相手にそんな同情しなくていいぜこの国。」

 そのぐらい、止まらない国なのだと、嫌な時はマジでいけと。
 ……ただ、ブレーキ強めな印象はあるからそれに見合った言葉は選んでる気はする。
 それは、先日の一件は無関係というわけでもないだろう。

 騒動が落ち着けば言う程言及するでもなく、どうした? と首をかしげる。
 実際、お互い感情のコントロールが出来ているという意味では似た者同士で。

 ……だからこそ、ベッドの中で感情が爆ぜる様を見たいのもあるのだけれど。

「一を聞いて十を知りすぎじゃねえか? ま、俺ぁ情報を集めることに、情報の価値に重きを置いてるからな。
 だから色々すっとばしたり、最後の一押しは大事な情報だっつう話。

 連れてってくれ、は俺もないな。俺は、あくまで自分の手の届く範囲でやるさ。
 しかし……、空を飛ぶ、か。……え、ラータ飛べんの?」

 あくまでこの世界で、己の歩む先で迎え撃つのだと。初めからも、最後も、己の意志で挑むのだと。
 だから、手を貸すとしたらこの世界で、一緒にいる時に。

 しかしどうやって空を飛べばいいんだっていう顔。術でも覚えろってか、あれ、と首をかしげてそんなことを聞く。

「……痴漢って言う割には俺の評価段々あがってきてんよな。
 まー、今のところタイピンなんて大人びたものプレゼントに選ぶ奴いないってか、大体俺が贈る側だしなぁ。」

 結局、己が一方的に庇護に置くのだからと。
 しかし忌避感が相手にあれば、というかやはりちょいちょい聡いなと感心してしまうのは内心のこと。
 
 ……改めて、話していて思うのは、己の性交渉は相手を活かすのではなく、呑み込んでいるのではないかと。
 欲しているわけではないが、いう程プレゼントを受け取っていないことを思い返して。

 なんか今一瞬ハート型に手を伸ばした気がするけど、気のせいだきっと。
 そのうち選んでくれたのは細やかな意匠を施したタイピン。わりかし繊細な、飾る方がメインぽいものだが、
 まさか気に入っていつまでも身に着けていると他の人のプレゼントを持て余すから、すぐに壊れて身につけなくなる、とか
 まさかそこまでは考えまいと。

「それは言われると、な。あいよ」

 ちょっと値段が張る札を見てしまったが、ここでそれはと止めてしまうのも粋じゃない。
 今度、魔本処理も手伝ってもらって稼いでもらおうと思いつつ。

 会計を済ませて突きつけてくるのは、やはり気恥ずかしさがあるからだろうか。
 そう言う仕草がたまらないし心地いいのだと自覚はないのだろうなぁと思いつつ、手短に交換を済ませて。

「……そろそろ、行くか?」

 と、すっかり夜になれば、ホテルのほうを一瞥して、そう告げるだろう

ご案内:「平民地区・公園【感謝祭にて】」からショコラータさんが去りました。
ご案内:「平民地区・公園【感謝祭にて】」からコルボさんが去りました。