2023/11/07 のログ
コルボ > 「素直に駄目って言えよ……。」

 なんだか、いたたまれない。もうどこぞの神話に出てくる享楽で滅ぶ街みたいな目で見られてるが。
 実際魔族も紛れ込んでるし、いつ傾いてもおかしくないんだよなと思えば、突出した存在達がいくらミレー族を保護しようが改革しようが何も変わらないように見えるのは、
 この国はもう傾いていて、発展に繋がる事柄が維持にしか言っていないのかもしれないとも考えて。

「チンピラってどこにでもいるからどこにでも入り込めるんだよ。街並みの風景画のどこにでもいる感じ?
 だから、意外とそういうナリでもつるむ奴はいるし、そうだな。
 それこそ第一印象からの減点方式もだけど、加点方式もわりかし多いからな。
 だからチンピラってクソマイナスから、普通につるんで飲んで騒いでりゃ急激に相手の評価あげちまう奴もいるし、
 冒険者は腕利きとつるんだほうが生き残れるから、自然と後者が生き残ってる傾向あるかもなあ。
 そう言う意味じゃ、お前とは学院が初対面で大正解だったな。

 しかしウェアとかほんとよく見てるよな……。んー、機能性重視、てか、機能的に造られたものが好きだな。
 だから武器もイーヴィアの旦那に頼んで魔法金属使わないで、代わりが効く取り回しの良い武器、って作ってもらったし」

 会話の中で出てくる出で立ちの中に、本物のチンピラがつけるようなゴテゴテした装飾や武器などは見受けられず、
 鍛錬の際に扱っていた得物、フセットとマインゴーシュも目盛に銀が穿たれた以外は
 きわめてシンプルな意匠で。

 まるで、どこまでも目立たない、名前通りのカラス。街のどこにも溶け込むかのように。

「……逆に、今のお前を見ていると、あの頃のお前って何か焦ってたのかなって思う時があるよ。
 力を欲するとか、自分は強いと思いたいとか。

 実際、今はそんな風に落ち着いて、開き難くなったってところに来たから俺は信頼してんだよ。
 恐れても目を背けんな。失敗しないやつなんていやしないんだよ……。」

 往来の片隅に移動して買い食いを堪能しながら、時折俺のも喰うか? と差し出しつつ。
 その引っ掛かりを取り払うのも俺の愉しみだよと囁いて。

 水分不足は、経験してもらえるだろうかと。

「んー、薬も過ぎれば毒になるとか、赤子の手の捻るつもりはなかったとかそんな感じ。
 後はそれをこっちが分かって、あっちも違うんだって分かって、それでお互い落ち着いて、かな。
 だから、振り返ればあれは、もてなしになったんだと思う。……最初三か月ぐらい意識朦朧としてたけどな」

 過酷な接待を潜り抜けて今に至り、多くを学び、だから今ここにいるのだと。
 やりたいこと、と言われれば、秋空を見上げて。

「……探し物。
 それを見つける為にゃぁ色々なところに入れる必要があるし、色々なところで情報を得る必要がある。
 だから、その為に貴族の旦那とつるんで事業確立しようぜって話してたんだが、
 それ以上の成果を得て帰って来た形だな。

 学院で仕事してるのも、そういう人脈増やすのも目的だしな。
 鬼神父も探すの手伝ってくれてるが、未だに見つかんねえんだよな。」

 スラム育ちで這いつくばって来た男が、吞まれれば楽であったろうに享楽と退廃の異郷から
 執念一つで戻ってくるだけの妄執を抱かせるもの。
 この国にあって信仰の中心たる神聖都市の神父までも探すもの。
 もしかすれば、この世界にはないものかもしれず。

「んー。地元の話聞くと分からんでもないってか、栄養価低い地域の人にゃチョコレートって、
 お菓子通り越して媚薬になりかねんしな……。

 ……異界渡りって、そんな他所の文化にも触れる機会があるのか?」

 ただの転移ではないのだろうと思いながら、しかしそれが出来るのに最大の感銘がチョコレートと言われると、
 お母さん大分ストイックなのか、と聞いてしまう有様

「へいへい。じゃあ他のものも見て回るか。
 ……後、話せたらいつかでいいから話してくれよ」

 心中を見透かしているわけでもないが、何も感じない程鈍感でもない。
 けれど、それを無為に引き出して何になるのかと、それこそ、知った風な口を人に聞けるほど
 青くもなれず、ただ、待つのだと。

「それもそうだな。んじゃあ、ラータで。この辺の語感、口にするのなんか好きなんだよな。」

 実際呼ぶけど縮めようにも悩んでたのでお前呼びがずっと続いていただけに、落ち着けばその呼び方に決めたのだと、少し落ち着いた表情で。
 自分だけの呼び方が欲しくないかと言われれば、そうだからこそ最初の文字を飛ばしたのもある。

 ゆるりと、また手をつなぎながら店を見て回るうちに、細工職人の出す装飾品の露店にも男の目が留まる。

ショコラータ > 「あ、分かる。
 頭良さそうに見えてダメだとガッカリが大きいけど、
 チンピラってちょっとイイ事しただけでやけに持ち上げられるもんね、なるほどね。

 …んーでもあの初対面が正解だったってのは、ナイわ。」

いい先生じゃん、と評価したところに実は女たらしの情報が入ってくると侮蔑減点凄そうだけど。
とはいえ痴漢というファーストコンタクトが正解だったかと言うと、そんなバカな。
私にとってはチンピラより学院関係者としての初対面が安牌なのは間違いないが、
まさか痴漢を正解と言ったのではあるまいなと、じっとりと。

イーヴィアの旦那とは何者かと思うが、ふと出た名前を掘り下げる事はないか。
腕のいい武器職人を知ってるわけねと、チンピラディティールを増す工夫?に頷いて。

「――あ、焦ってはないわよ… たぶん…
 楽しかったんじゃない? どこもかしこも目新しかったらさ。
 力は欲しいけどある程度もう持ってるし、思いたいんじゃなくて私は強いの。…証明したかったのかもね。
 で、簡単じゃないんだなってのは何となく分かった。いちおう。」

今が落ち着いているかと言うと、微妙な節もある。
何か興味の対象を見つけたら、躊躇わずに首を突っ込んでしまいかねない。
しかしいくつかの洗礼で、身の程は多少知れただろう。
信頼してるとの言葉には うむ と頷いて、は?恐れてはいませんけど?と聞き咎める顔に。

――あんまり仲良しの雰囲気にはなり難いが、二人でお食事の利点は、二種類楽しめる事だと思う人。
種類が選べるなら基本的に同じものは頼まず、一口と言わず 半分こ! な分け方が平気なようだ。
間接キスを意識しなくはないけれど、それを気にする事が逆に幼く思えてしまうような、そんな。

「――ん、え、じゃあナニ常軌を逸して色情狂の里だったって事…?
 もしかしてコルボ、そこに行くまではそんな風じゃなかったのかしら。」

人は変わっていくものだけど、その人生の一大転機で女に手を出さずにいられない人になったのかなと。
別にこれまで聞いた行動理由を忘れているわけではないものの、
コルボの根底には女の人が好き性的なアレコレが好きという感覚が強めにあるのを感じていて、
その虜囚経験さえ無ければ真人間だったのかな、なんて。

「…ふぅん、そんなになんだ。」

探し物ーと聞くと、で何を探してるの?ってなるけれど。
すっきり言える事なら言ってるだろうし、大願はカテゴリー探し物と把握して、そうかと頷く。
…私には、これといって目標なんぞ無いなと呑気な我が身を振り返った。

「――あ、ううん文化って言ったら文明根付いてるところばっかりじゃないので違うけど。
 あとは文明あったらあったで、コッチにそんなのが乗り込んで来たらどう反応するかって考えたらね、交流持つの簡単じゃないし。
 えー… 極端に言ったら上下左右前後ろが定義されてないような世界もあるのよ。 世界と言うか次元と言うか。
 免疫無いヒト連れて行ったら正気でいられないようなトコロに入って行ける魔術師が、人生イチの感動チョコレートってどう。
 いや『美味しい』って凄く大事なコトだけどさ…?」

適当に言っているだけ、とは思わずに済む親子関係のようだけど、それはそれで感性どうなのと肩をコケさせて。

「…話せたらって? ごめん聞きたい事が分かってないから話さないわ。」

どうしても聞きたい事があるなら逆に聞けとかわいくない事を言って、思い当たる節は口にしない姿勢。
ほんのり空気が悪くなりそうだけど、ラータと呼ばれるのにはソレ新しいわねと、きょとん。

「最後か。新鮮かも。だから気付かないかもしれないけど、嫌じゃないわ。
 コルボって、どんなあだ名になるの?」

――親し気に呼んでやろうってわけじゃないけど、短い名前にあだ名が付いた事あるのかなと、ふと。
ダラダラ食べてもう飲食はいいかな、ってなってくる頃。
遊戯系の屋台には『子供っぽい』とか『詐欺臭い』とか、射的なんかにはチラッチラするものの照れもあってか辛口多め。
細工職人の露店などは、あんまり立ち止まると冷やかしになるので、のろのろ通り過ぎながら覗いていく姿勢。

ご案内:「平民地区・公園【感謝祭にて】」からショコラータさんが去りました。
ご案内:「平民地区・公園【感謝祭にて】」からコルボさんが去りました。