2023/10/31 のログ
ご案内:「平民地区・公園【感謝祭にて】」にコルボさんが現れました。
コルボ > 【待ち合わせ待機中です】
ご案内:「平民地区・公園【感謝祭にて】」にショコラータさんが現れました。
コルボ > 季節の節目に公園で催される祭。
元は一地方の収穫祭であったが、目敏い商人や行商が徐々に出展、
商いのルールも定まり、一つの祭として執り行われるようになった。

文化のるつぼ。様々な地方から王都に集まる人々の文化を取り入れ、
収穫祭はいずれ感謝祭と呼ばれるようになっていく。

当たり障りのない呼び名ではあるが、それは王都へ至る下地となった故郷への感謝。
あるいは、その時期に行われる別地方の慰霊祭による先祖への感謝もあるのだろう。

どこぞの地方の風習か、仮装をする者も一部いる。
皆、一様に何かに感謝し、その日を愉しみ、明日への活力とする為に。

「なんか去年より店増えたな……。」

待ち合わせより一刻前、先に軽く会場を一周下見して回る。
風俗が乱れた王都にあって、娯楽らしい娯楽は意外と少ないのかもしれない。
だからこそ、街中で行われる健全な催し物は思いのほか人が多く、デートをするにも人ごみに紛れられるだろう。

……先日の学院での出来事。それからのデート。
閑静なデートコースより、賑わいの中に紛れた方が良いかと考えてのこと。
とっさの提案ではあったけど、正解だったのだろうかと自問自答。

「あいつとつるむと良い意味で調子狂うからな……。」

待ち合わせまで残り半刻、というところで、ひとまず向かうかと待ち合わせ場所の噴水前へ。
女を待たせるのは趣味じゃない。

ショコラータ > 非常に落ち着かない。
髪が邪魔なら一房に結う事はあるがポニーテールにはしないし。
伊達メガネとか視力矯正の必要も無いのに邪魔でしょうがない。
似合うと思うよってススメてくれた人がいたからやってみたが、
あんまり普段と違うと変に意識しているみたいでみっともなく思えてきた。

待ち合わせの場所へ向かうにつれて、お祭りとなるとそれなりに人も増えて来る。
仮装している人がチラチラ見えると、そうよこれは変装よと考えていた事にした。
一度そう思ってみると、コルボのお手付きの一人みたいに見られるのはやっぱり嫌だし、いつもと違うのアリじゃないと思う。
気を取り直してニーソックスの脚をコンパス広げ、花も嵐も踏み越える足取りでそぞろ歩きの周囲を追い抜いていった。

あんまり早く着いて『楽しみにしてんじゃん』みたいに思われるのもしゃくと言うかなんと言うか。
時間ギリギリに到着してみれば、コルボは先に待っていてくれるか。
道中、仮装する人を見てアイツドラキュラになってたりしないわよねと嫌な予感がしたが、そのインバネスコートはまさかソレか?
いやいや顔白くしてたりしないしただのお洒落さんだろうと思っておくけれど、
それよりも防寒的な温度差で、自分ちょっと軽装だっただろうかと悩む。

――せっかく『変装』したのだから、気付かぬようなら一度通り過ぎて遊んでやろうかと思うけど、この相手にそれは無いか。
見落としたとすれば、私が見落とさせようとしたのを察して合わせてくれたのが濃厚になるくらい。
そんなの面倒くさいので、どうも、って感じにシュタッと手を挙げる。

「シーツかぶって来れば良かったわね。」

仮装しているのは一部だが、中には気合入っているのもいると、踊る阿呆に見る阿呆の感覚か。
アレやコレやと服装に悩むより、オバケ~ってすりゃ良かったわと照れ隠し。

前腕露出に絶対領域のディアンドルもどきだけれど、夜遅くなる事を考えたらショールくらいは羽織っておこう。
暖色のクレイジーキルト… 模様だ。衣服同様新品の安物だ。

コルボ > 遠目に見ていれば、かぶっている帽子、どこか古めかしさを感じるそれに手を添えて
顔が見えるように静かに脱いで空を仰ぐ。
日差しが少し強い。待ち人が肌寒い恰好であれば夕暮れ時に肩に着せられるように
身長差から引きずらぬようインバネスコートも羽織ってはきたが、
流石にまだ昼中は暑さが残る。

香水はつけてきたが、汗のにおいを気にされないだろうかと思い、
時間があるならアロマシガーの一つでも吸うべきかとも考える。
けれど、煙草のようなものを嗜む姿に距離を取られるのもなんだしとも考えたり、
内心仮装で攻めてドラキュラを、と思ったがあんまりガッツリ行くのもと思う、

あとその仮装を万が一受け入れられて後々吸血鬼相手になんぞ、ともなるのも、と。

……待ち時間の間、随分と色々考えてる自分に気づいて、ため息一つ。

改めて帽子を被り直し、少ししてから雑多な喧騒の中で近づいてくる足音に気づく。

「そんときゃ祭の前に俺の支払いで衣料品店に直行だよ。
 ……てか、ショール羽織って来たのか。」

 改めて、相手も”夜が遅くなる”ことを意識していたのだなと、頬を掻く。
 それに、冒険者として名が売れ始めたとはいえ、まだ苦学生。

 おめかしをしてきたことに、思った以上の出費をさせたことに少しデートの方向性を間違えていたんじゃないかと内心思うが、
 それを表に出しては相手も興が削がれるというものだろう。

「お手をどうぞ、お嬢さん」

 紳士とは違い、絹の手袋などせぬ、冒険者の使い込まれた手が差し出される。
 普段のかしましいやりとりではない、相手を淑女と扱う。
 そう、これは仮装だ。お互い普段とは違う自分なのだと思おう。

「にしても、ポニーテールも可愛いな。」

 手を取ってもらえれば、歩き出して、そんなことをぽつりと呟く。
 出店で何かつまみながら歩くか、それとも他の売り物を見てみるか。

 仮設の舞台で大道芸人が魔導を利用した手妻を行ったりもしている。

「そういえば、地元ってどういう祭があったんだ?」

ショコラータ > 「――な、なに? 涼しくなってきたからね!」

ショールがどうかしましたかと。
しかしあまり持ち慣れないようで、寒さに強くさほど暖をとりたいとも感じていないと、邪魔そうに腕に引っ掛けている風情。
色々と出費があって不満はあっても苦ではない。
自分が金銭を手にする苦労と物の価格が釣り合っていない感はあるが、
お仕着せばかりだった衣服を自分で悩むのは楽しかったし、
私服をどうにも野暮ったいと感じていれば、一着したためられたのは良い経験だっただろう。

俺の支払いと言われると、じゃあシーツで来るんだったと冗談めかすが、実際に払うとなったら受け入れないカテゴリーかもしれぬ。

…手をどうぞ?ナンデ?と戸惑った後に、出来る事の割には小ぶりな手を重ね、にぎっと性差を意識した。分厚い、硬い。

「――い、いつも通りで遊び人とお祭り来てるの見つかりたくないし…
 あ、あとコレね、こーしたら似合うよってアドバイスもらったのよ。ふふふ… ……。 ……んん。」

ポニーテールも伊達メガネもディアンドルも。
さて誰のアイディアでしょう!と悪戯っぽい笑みを浮かべるのは、それを提供してくれたのが男娼だから。
第一印象最悪だった痴漢の遊び人とデートする時の逆張りコーデよとワケ分からない事を言おうとして…
胸を張った後に、問いかけや暴露がすっきり出て来なくてもごもごした。

…その相手の事が、嫌では無いのか、悪くはないと思えるのか、
男娼が案じてくれたように、複雑な感情はあってもその辺りをクリアしていなければここにはおらず。

であれば… 男娼チョイスよ!はちょっと悪ふざけが過ぎるというか。
平服よりはカッコ良くして来てくれたんじゃないかという相手に、遊び半分で面白がって伝えて良い事なのか。
一度言い淀んだら、この時はそのまま口を噤むしかなくなった。
結果、脈絡の無くなった笑みを引っ込めてコホン。

「祀る祭りはあんまりね。せいぜい私達の開祖的なエライ人や、凄く良い事した人を記念するやつとか。
 季節の節目にちょっとお祝いするくらいかな。土地柄でしょうね、こういうわちゃわちゃした感じは珍しいっていうか。
 でも良いんじゃない楽しそうで。あんまり興味無かったけど、
 こういうのの話で盛り上がってる子達がいるのは合点がいった気がするわ。」

楽しいんじゃないのと、エスコートされるおすまし顔は、しかしキョロキョロキョロキョロ忙しない。

コルボ > 「ふふ。そうだな。俺も肌寒いと思ったから羽織って来たんだしな」

 褐色の健康的な肌。男にしては珍しく相手の素性をさほど調べることもなかったからか、
 南方の国ぐらいのイメージではあったが、ショールの持ちようを見るにその逆であろうかと。

 道すがら、どこで買ったんだ? とも今日の”仮装”について伺いもするだろう。
 話を聞けば、満足げな表情でも見れば、その出費は意味あるものだったと悟れるか。

 シーツへの返しには、それで釣られる女じゃねーだろうによ、などと軽口を返し始める。
 ……デートで緊張している節はある。それで楽しめないのは損だろうと、
 務めて、小さい声ではあるが、徐々にいつも通りのやり取りが織り交ざり始めて。

「もうちょっと不埒だったりハメ外してる衣装のほうがよかったか?
 ……ショコラータのこと、ちゃんとデートに誘ったつもりだったからな。

 アドバイス? ふぅーん……。なんのかんの、誘ったのは楽しみにして、……?」

 誰かはわからぬが、相手も相応に準備に時間をかけてくれていたのだと思えば嬉しくもなる、が、
 まさかその中で自分への感情が様々に絡み合った末、少なくとも良い方向に抱いてくれているが故の
葛藤が渦巻いているとも考え就かず。

「……俺が遊んでる風に振舞ってんのは、舐めてかかられて相手が遠慮なく振舞えるようにだ。
 だってのに、お前はそう言う俺にも気にかけるのが顔に出るな。

 ……やっぱ今日誘ってよかったわ」

 きっと、何か自分に張り合うような言葉を用意していたのだろうが、
 思ったより自分の姿に考え直してる気がする。

 事実、今日の衣装は友人が選んでくれた帽子を含めて、この日の為に新調したのはある。
 ……でも、遊んでると言われるなら新しすぎる、それを見抜かれたか。

 今日の意味は慰労もある。だがそれは誘った後に決めたこと。
 本来は、純潔の話もあったが、楽しみたいのもあったからもあって。

 遊び人は、つないだ手を握りながら、少し腕が降りて来る、力を込めた肩を脱力するような仕草を見せて。

「なんていうか、戒律や因習で統率された文化に聞こえるな。
 子供も楽しませる要素てよりかは……。

 でも、それならここに誘ってよかったかな。
 にしても、文化の差がやっぱでかいもんだな。そういやこっちの飯って慣れないものなのか?」

 祭を前に愉しめないのは、デートに応じてくれたのは友人がまだ少ないからだろうか。
 こちらとしては役得ではあるのだが。

 歩きながら、屋台で果実水を買って手渡し、何か食べたいものはあるか? と聞きつつ。

「夕暮れから、ここは魔光灯で飾られて昼とは違う感じになるぜ。
 夜、ホテルから見下せば、このイカレた街にゃ勿体ないぐらいの景色が見られるよ」

 この街に生まれて、生きて、女関係にだらしがなくて、それでも、この街をイカレたという。
 外から見ればおかしい、その視点をほのめかして。