2023/10/26 のログ
コルボ > 「人をダシに使うなよ。俺みたいな分かりやすい奴ばっかじゃねえっての。」

 だから相手に選ぶ余地あんだろうによ、などと肩を竦めて。
 こう言う遠慮の無い雰囲気だからこそ、エロースさんとは馬が合う。

 それに、多分エロースさんや、他にも肌を重ねている者がいれば、
 激しいセックスをするとはいえ、どんな相手でも、遊びなれてる相手でも、
 きちんと女性として高めて共に昇り詰めることを嗜好として、ピロートークも
 相手を飽きさせない、見た目や雰囲気とは違う振舞いの男なのだと知っているだろう。

 搦手に強いエロースさんが、男の用立てた武器を、冒険者として装備と言う一番気を使うべき代物を
忌憚なく受け取っているその意味を推し量らせる。

 推し量ってくれれば、寝床を共にする機会が増えるかなと言う糸口も交えているから、
 結局のところクラージュさんの言うところの気をつけろは全く持って正解で。

「ま、最近そう言う動きがあるってぐらいでな。
 万が一馬鹿な貴族の間でペットブームが来ようもんなら早く対応は出来るだろ」

 早々に落しどころを見定めたヴィゼさんがいるのだから、情報を渡すだけでアフターフォローをしなくていいのは楽だからこそ、
 こちらもお得意様として情報を流していたりする。

 ……その見解も、こちらとしては貴重な情報源なのだから。

「エロースお前ちゃんと仕事してんのな」

 などと運ばれてきたホットワインを掲げながらテーブルを越えて乾杯のジェスチャーを取りつつ。
 サブウェポンを用意したのは、その直感と嗅覚の良さを見込んでのこと。
 いくらスキルがあろうとも、それに溺れず的確に立ち回るエロースさんは、
 スカウトとしても気心が知れてるだけに軽口を交わし合う間柄で。

「……ま、俺はクラージュんとこのこの空気は嫌いじゃないからな。
 お前さんのお人好しなところも含めてよ。」

 その根源は冒険者と言う汚れ仕事にあって人が善性と評する、
 しかし当人達からすれば善とは言わない在り方に敬意は抱いている。

 だからこそ、前の年の今頃に、女達が集まった時は声もかけずにただ見守っていた時もこちらにはある。

 もし相談を受けることがあれば、そのときにも、お互い寝床の中では攻め気質であろうとも、
 お互いを尊重しあう敬意に裏打ちされた、求めあうような一幕でもあっただろうか。

「戦力としては申し分ないのにな」

 小首を傾げているヴィーラを一瞥して、心の傷以上に何かあるのだろうかと、
 その目が鋭く、被虐質があるのであれば、奥深くの虐げられたい「熱を刺激するような視線で一瞥するものの。

「ああ。使い心地はまた教えてくれや。投げナイフや詰めたコンポジットボウよりかは
 多分馴染むと思うぜ」

 投げキッスに片手をひらつかせて、揚げたての酒の肴に手を伸ばしつつ。
 スカウト同士のコミュニティは情報のやり取りが多岐にわたる。
 男自身、エロースさんの弓の腕は高く買っているが、他を軽んじているわけではない。
 そも、弓の腕だけ、なのだったらクラージュさんも高く評価はしていないだろうとも思っていて。

 イダからは、興味を引けないが今はそれでいいと思いつつ。

アルレームの一党 > (事実じゃないかと豪快に笑うリーダーが酒の追加を頼み、ヴィゼが飲み過ぎですと太腿をスパンッと叩く。
 実際のところ彼と肉体的交流を個人で持っているのはクラージュとエロースくらいだろう。
 その二人を以てしても「仲間に勧める気はない」だ。
 というよりはパーティ内で、そういうトラブルに発展しそうなことは禁じる傾向にある。
 彼だけではなく、他の男に対してもそう。女性や、一物がついた女性に対しても。
 個人間でどうこうするのは不干渉を貫くが、もし彼がパーティメンバーの誰かに取り返しのつかないようなことをすれば、
 その脳天をクラージュの戦斧がカチ割るだろう。
 それは、彼自身もよくよく理解しているはずだろうから、敢えてこちらからも軽い気を付けろ、程度で済ますのだが。)

「やだねぇ、馬鹿な遊びに割を喰うのはいつも平民(アタシら)だ」
「貴族同士なんてもっとドロドロしてますよ。関わらないのが吉ですね」
「お金があると謎の全能感あるもんね~。てかコルボちゃんどういう意味~?」
「あっはっは、てかコルボ、アンタが女だったらアタシのパーティ誘ったのにね!」
「スカウトいると楽なのわかる~♡ ほら、そういう目向けるのだ~め♡」

(酒を飲み、飯を喰らい、言葉を交わして賑わって。
 軽口を言い合えるような気やすい雰囲気で会話するクラージュとエロースに、ヴィゼが食べ終わったお皿をまとめながら店員を呼んで、追加注文などをして。
 鋭い視線を向ける彼からヴィーラの視界を隠すように手でちゃっかり隠す。
 彼が評価する狩人の直感と嗅覚は伊達ではない。ヴィーラのような娘は、こういう男の嗜虐性に嵌りかねないのだから。
 ────そうして男を交えての会話で酒と飯を進めていけば、時間も経つ。)

「ヴィゼ。ボクもうお腹いっぱい」
「貴女、ヴィーラに食べさせてばかりだったじゃないの……お酒ばっかり飲んで。まったく。
 クラージュ、私たち先に戻りますよ」
「ああもうそんな時間か。明日に備えないとねえ」

(此方は十分飲み食いして英気を養った。
 結局彼との会話には混ざらないまま席を立ったヴィーラとイダは先に二人で酒場から出ていくだろう。
 このまま解散の流れにはなるだろうし、「また何か面白い話が入ったら頼んだよ」と言って、クラージュも手を振る。
 彼とこのままサシで飲んでも楽しいが、明日からこちらも忙しくなる。
 ヴィゼも「情報には感謝します。それでは」と言って、エロースの首根っこを掴んでひっ立たせ。)

「もっとお話ししたかったけど、明日のあたしは可愛い子とデートだからごめんねぇ♡ 武器ありがと♡」

(なんて、冗談めかすように笑ってひらひらとエロースも手を振って彼と別れを告げよう。
 女五人の贅沢な晩餐はそれで終わり。先に出た二人に続いて三人も、飲み食いした分の金を払って酒場を後にした。
 ────彼の持ち込んだ貴族がペットを、という件に彼女たちが関わることはないだろうが。
 もっと厄介なことに首を突っ込むことになるのは、また別の話。
 彼女たちの日常は、彼の聞こえる範囲でも変わらず、堅実に過ぎていくだろう。)

コルボ > この関係性は特に珍しい訳ではない。所詮、女性だけのパーティに、
しかし確かに実績を積み重ねた同業を貶めるのは中堅にも満たない手合。
そう言う者達が時に徒党を組み、策謀を巡らし、陥れる。

だが、この生業にあって最低限の流儀、礼儀、通すべき筋がある。
個人主義に思えて業界全体が人脈で繋がっている。それを感じ取れなければ”それまで”で

だからこそ、男はあくまで外部として、リーダーが望むとおりに”よからぬ男”という像を維持して
間合いを図ったまま接触もするがそれ以上は近づかない。

おそらくはアルレーム一党と男の六人にあってそれを本当に理解しているのは、
その男とリーダー、そしてムードメーカーなのだろう。

そう言う意味では、リーダーとムードメーカーの人間力が残る三人のポテンシャルを補い引き出していると、
気づくことになれば、その者から化けることにもなるだろうか。

「やーめろやめろ、女だとかよ。前にダンタリオのお嬢に性転換薬飲まされかけたってのによ」

 などと頭角二人を相手に何気ない会話を交わす。
 情報屋だけあって、貴族の一部、見識と言うよりこの腐った国にあって突出した価値観で立ち位置を維持する者達と繋がりが深い男。
 特に王の刃、狂人と謳われるダンタリオ家と繋がりがある数少ない一人、なのだが、
 女癖が悪すぎてひと悶着あったらしい。

 その中で、己の視線にエロースがさりげなく反応してじゃれて阻んで。
 それで一つの理解を得て、狩人への信頼を更に高めて。

 そのまま、解散の流れとなれば先に出ていく二人を見送り、クラージュさんには
『良いけどお前払い過ぎだろこれ』と金貨を掲げて苦言の一つ。

 ヴィゼさんの形式ばった挨拶には『また使える情報があったら買ってくれや』と
 パーティの理性としての敬意を言外に示して見送って。

「だったら今度日程定めてデートしてくれよ。たまには”お話”したいだろう?」

 と、お話のところでクラージュさんにも一瞥しながらエロースさんに話題を投げかけて。
 組むことはない。だが、パーティが窮地にあれば間違いなく裏ではせ参じる友人たる男は、
 念に情報のやり取りを、軽率な言葉に含ませて。

 ……余談だが、一か月も経たぬうちに、件のペットを強請る貴族の家は潰れることになる。
 ウィラクィス。ミナスジェイラス。
 表向きは平民の支持が強い貴族が糾弾し、一掃し、制圧して、その火の粉はかかることなく。

 その動きに、男が関わっていたかは、知る由もなく。

ご案内:「平民地区 酒場」からアルレームの一党さんが去りました。
ご案内:「平民地区 酒場」からコルボさんが去りました。