2023/10/25 のログ
ご案内:「平民地区 酒場」にアルレームの一党さんが現れました。
アルレームの一党 > (宵の口、今日一日の冒険が終わってワイワイガヤガヤと喧騒が広がる酒場の一つ。
 冒険者の多くはここで一日の終わりに一杯やっていくだろうというような、どこにでもあるような普通の酒場。
 その奥のラウンドテーブルに五人の女性が集まっている。
 皆近しい衣装を着ていること、五人一組、粒ぞろいの女性冒険者のパーティ。
 "アルレームの一党"────結成から一年が過ぎてきて、ようやく中堅どころと言えるような一党が集まっていた。
 テーブルには酒に果実水に山盛りの食べ物。
 体が資本である冒険者である彼女たちは平均女性よりはよく食べる。特に戦士とモンクの美女二人はよく食べる。
 それが胸に栄養が言っていることがわかるような豊満な乳がよく目立っていた。)
 
「けれどクラージュさん、本当に良かったのですか?
 決定を覆すつもりはありませんけど、割が良すぎて結構怪しいですよ」
「んなの今更いっても前金貰ってるじゃないか。ヴィゼ、難しく考えすぎるなって」

(リーダーである戦士クラージュと、サブリーダーである賢者ヴィゼの会話。
 今日ギルドを経由して名指しで送られてきた、"新しい遺跡"の探索依頼だ。
 マッピングと魔物の排除。見つけたお宝は持ち帰って折半。前金で金貨まで出されていて、今日のこの豪勢な食事に繋がっている。
 ぐびぐびと酒を呷る横で、果実水を飲む、そんな二人の会話に混じる明るい声。)

「事前に下準備しっかりしよ~ってヴィゼちゃんも同意したでしょ~。
 ねー、ヴィーラちゃん♡ 明日は買い物デートだもんね♡」
「言い方────。ん、これ美味しい」
「ヴィーラ、あげる」
「あ、ありがとうイダ」
「あー、またイダちゃんがヴィーラちゃんを甘やかしてる~!」

(狩人エロースに、モンクのヴィーラ。魔術師イダと、こちらはこちらでそれぞれきゃあきゃあと賑わっている。
 特にムードメーカーな狩人が楽しそうにしているだけで、魔術師はモンクへの餌付けに勤しみ、モンクは美味しい料理に舌鼓を打っているのだが。
 女三人寄れば姦しいというが、五人も揃えば好き勝手喋り出すので、この酒場の喧騒を更に賑わせていただろう。)

ご案内:「平民地区 酒場」にコルボさんが現れました。
コルボ > 「さっみぃ。わりー、ホットワインとフィッシュ&チップスと適当に肉頼むわー」

 喧騒盛んな酒場にあって、男がふらりと足を踏み入れる。
 レザーアーマー、それもベストタイプの防御力よりも利便性を追求した軽装型。
 ……もし、あなた方のうちエロースさんが気づけば女癖の悪さで定評があり、
 肌を重ねたことがあれば、その心許ない見た目とは裏腹に、
 そのベストタイプが極薄の強靱な鋼板で補強された実用性を突き詰めた逸品であると、
 ピロートークの中で知っているだろうか。

「……ん? よぉークラージュ。最近名前が広まってきてるけど大丈夫か?」

 情報屋としても活動している男。ソロメインでの活動を行うが、リーダーや参謀役とは各パーティともつながりが深く、
クラージュさんにも声をかけてくる。
 片手をヒラヒラさせながら、ニヤついた軽薄な笑みを浮かべながらも、
言外に、何かしらの不穏を漂わせて。

 ……パーティに近づく男に、ヴィーラさんが不穏な視線を向けていることに気づきながらも、
 手近なテーブル、リーダーへ背中合わせに腰を落ち着けて。

「そろそろ、堅実に行った方がいいんじゃねえか。」

 騒がしい酒場にあって、一度席につけば、静かな一人の男など誰の目にも止まるまい。
 そうなれば、二やついた笑みが、ヴィゼさんの視線に気づけば鳴りを潜めて、
 知恵者に伝わる言外の警告を、用心深いものであればそろそろ同業潰しを警戒、
 各々以前組んでいたパーティで問題があった経緯を鑑みれば、
 尚のこと踏まえるべき頃に、男の女受けが良い顔を、愛想のいい表情を捨ててまで呟いて。

 尚、イダさんにはまだ視線を向けていない。女たらしのカンで、あんまり関わり過ぎると依存されそうな空気を感じる。
 スカウトの第六感。

アルレームの一党 > 「おん? おお、誰かと思ったらコルボじゃないか! 何だ、今日は一人飲みか?」

(声を掛けられて、姉御肌気質のクラージュがラガーの入った木樽のコップを掲げて、一人身を指摘する。
 「コルボちゃんだ、はろ~♡」とヒラヒラ手を振っているのはエロース。
 女癖の悪さをよく知ってる相手とのワンナイトもちゃっかり経験済みで、顔見知りというか体見知りというべきか。
 男嫌いのヴィーラは視線を冷たく細めるだけで無反応。
 イダもちらりと視線を向けるだけで、視線が向かないのであればヴィーラへの餌付けを再開しており、
 話の腰を折るように入ってきた男である彼の女たらしで女癖の悪さを知っているヴィゼの視線もやや冷たい。
 ────ということで、彼に気さくに反応するのはクラージュとエロースくらいだろう。)

「なにおう。うちはいつでも堅実だっつの。
 ────なぁんか面白いネタでも仕入れたのかい?」

(背後に座った男の対話相手はまずはリーダーになるか。
 ひらひらと手を振ればヴィゼも何も言わずに食事を再開し、耳だけを傾けている。
 椅子の背もたれに腕を乗せてすらりと長い足を組みながら、情報屋としての側面も持つ男に、クラージュが問いかける。

 同業潰しくらいは聞いている。ましてやこちらは女ばかりのパーティ。
 この国で冒険者をやっていく女が大抵通るのは性関係だろう。
 女という性別である以上、ナメてかかる奴はいるし、魔族だのヤバい薬だのなんだの、違法性や御禁制の品で嵌めてくる輩もいる。
 わざわざ警告めいたことを言ってくる男に何か心当たりでもあるのかと問う声。
 何か知っているのなら情報を買おう。この男の情報の精度は高いという信頼の証。)

コルボ > 「こういう賑わってる時は一人のほうが女は釣れる、からだったんだけどなあ」

 にぎやかな酒場にあってどさくさに紛れて、酒を飲ませ、場に酔わせ、流れに乗せて、一夜を共にするなどよくあることで。
 エロースさん辺りとは最初はもしかしたらそう言う出会いだったのだろうか。

 しかし、ヴィーラさんの視線を感じ取れば、気後れするどころか手をヒラヒラさせてくる始末。
 一見、煽ってるようにも見えるが。

 ヴィゼさんとのやりとりもまだ浅いが、己の使い処以上に評価を聞いて間合いを保っている。
 情報屋はそんなところを評価していたりもした。
 リーダーとサブが同じ見解を持っている。そんなパーティほど危ういところはない。
 快活だが義侠心とは違う仲間への想いに満ちたクラージュさんが仲間をまとめ、
 時に苦言を呈するようにヴィゼさんが意見する。

 ……正直、今の自分相手を以て二人が吟味してくれるのは余計な口を挟まないでいられるからありがたい。

「最近名指しの御指名入ったそうじゃねえか。今日は随分と羽振りがいいしな」

 羨ましい限りだ、と言いながら、折り畳んだ羊皮紙を三枚クラージュさんへ背中越しに渡す。
 それから、ヴィゼさんを一瞥して頷く。
 いくら心象が悪くとも、男とリーダーのやりとりから、不穏な空気を感じ取れば内容を目にしてくれるだろうか。

「最近ある貴族の三男坊さんが”ペットをワンセット”を御所望らしくてな。
 ……他の御指名も、男がいないタイミングだ。日付、難易度、報酬はご丁寧に変えてあるが、
 ここ一週間に集中してる。」

 羊皮紙の内容は、他のパーティへの、他ギルドから送られた依頼内容。
 一党の様に全てが女性だけ、ではないが、後々調べればメンバーの男性が別の用事で引き離されているタイミング……、
 ヴィゼさんであればそれも戦力を正確に分析して、穴が出来ている状態にあることが分かるだろう。
 その上で全てが指名制ということ、そして新規の遺跡ということに共通していて。

「ただ他のパーティと違ってクラージュんとこは元から女だけだ。
 最初から迎え撃つ算段も気構えもある。

 正直事前に情報把握してれば、どうとでもやりようがあるからな。
 きちんとこなして言いくるめて成功報酬かすめ取るってのも算段は高い。
 無理に受けるなとは言わねえよ。」

 こちらも、信頼はしている。堅実だというが、堅実を通り越している。
 普通、他のパーティで問題があった者同士であれば、最初はお互いの間合いを測ることに時間がかかるだろう。
 にも関わらず、たったの一年で遅れを取り戻すように頭角を現してきた。

 男はその実力を確かに認めていて。

「けど、今回はクラージュとヴィゼじゃなくて、最終的な判断はヴィーラに任せた方がいいと思う」

 クラージュの判断力、ヴィゼの見解。そこに外部から協力する己が情報を持ち込めば
まず九割方対応は出来るだろう。

 だが、あくまで九割。完全には程遠い。
 だからこそヴィーラが、この中で抜きんでて男に対して警戒を持つ、そして何より近接で立ち回る
 肌の感覚に優れたメンバーの見解を尊重した方がいいと。

 ……もっとも、男の己が持ち込んだ情報で方針を変えるかもしれない、ということに抵抗はあるかもしれないが。

「あ、そだエロース。この間話してたガントボウ、出来上がったから気が向いた時工房に寄ってくれや」

 以前にベッドで仕事の話をしてる時に持ち上がった一つの話。
 片腕で撃てるクロスボウ。本来は片腕でボルトによる狙撃は狙いが定めにくいが、エロースさんの
 風属性の必中狙撃(スナイプダート)であればその弱点を解消した上で、
 威力を活かしたまま必中の狙撃が出来るのではないかと言う話。
 御代は男持ちで良かったら試験的に使ってみてくれと、
 ……遺跡という閉鎖空間では取り回しの良い武器を用立てていて。

 そこまで話した上で、ヴィーラさんを見て、つい、イダさんを見てしまう。
 耳が良ければ、パーティの裏で支援する男の立ち回りに目が向いていたら、
 視線があってしまうだろうか。

アルレームの一党 > 「なんだい、酒場で女を釣って酔わせてしっぽりってか。こういう男に気を付けるんだよアンタたち」

(三枚の羊皮紙を受け取り、その手にピンと金色の硬貨を飛ばしながらクラージュが笑う。
 この酒場で腹がはちきれるほど飲み食いしてもおつりがくるだろう。彼を信用するからこその正当な対価だ。
 ヴィゼが呆れながらも隣から羊皮紙を覗き込んでいる。
 ヴィーラは手を振られてもふい、と視線を反らすだけだ。
 「あたしは気にしないんだけどな~♡」とチーズを挟んで焼いた半熟の卵料理を食べながらエロースが笑っている。
 このパーティが結成される以前に、こういう場で出会っていたのだろう。)

「ふぅん、なるほどねえ。
 こういう情報はいくらあっても足りないぐらいだ。ヴィゼ、管理しといて」
「わかりました。────とはいえ、今回の依頼者とは別件でしょうね」

(新規に発見された遺跡には清濁混じるように様々な依頼がギルドに出される。
 ギルドからの依頼は取り合いにらみ合い。朝から乱闘を起こすなんて話も珍しくはない。
 指名があれば他のパーティより先んじる為に、吟味もせず喰い付きたがるのは目に見えている。
 女を狙っているならなおさらだ。
 ヴィゼが羊皮紙をしまいながらも、彼が持ち込んだ情報のそれらと、今回請けた依頼は別件だと判断した。
 クラージュも同意見だというように頷きつつ、だからこそこの件に関しては別の警戒をしておこうと、情報屋に感謝する。)

「ありがたい忠告に感謝するよ、友よ。
 ま、そこらへんはアタシたちも臨機応変に動くとするさ。
 ヴィーラも頼りになるけどねぇ……ま、そういうはウチではエロースの判断に任せてんのさ」

(クラージュは言葉を濁しながら酒を呷る。
 男嫌いで知られているヴィーラも良いが、如何せんこの子は無自覚な被虐質だ。その手の絡め手に弱い。
 いくら男を警戒していても、オトされる時は下手をすれば一瞬だ。
 むしろその手の絡め手に強いのが、経験豊富なエロースになる。
 狩人の直感と嗅覚の良さは、レンジャーでありながらスカウトとしての才能もある。
 エロースが「なんかいや~♡」と言えば、「じゃあやめるか」とすっぱり判断できるのだ。
 ヴィーラは不思議そうに首を傾げつつ、その口にイダから鶏肉料理を運ばれている。それを「こら!」とヴィゼが叱っていた。)

「えっ、ほんと~!? やった~♡ ありがとコルボちゃん大好きっ♡
 サブウェポンずっと欲しかったんだ~! 明日取りに行くね」
 
(普段は長弓をつかうエロースが反応して、嬉しそうに満開の笑顔を浮かべながらちゅっ♡と投げキッスを飛ばしておく。
 不穏な空気を纏う会話は紛れて、視線を感じたイダも振り向くが、何を考えているか分からないような茫洋とした赤い瞳は彼を一瞥し。
 彼女にとって大事な"仲間"に危害を加える存在ではない、と認知はされているようで。
 言葉もなく、今は対話をするという雰囲気でもない。)