2023/10/04 のログ
■肉檻 > しかしながらその光景とは打って変わって、件の水晶玉は裏通りのガラクタの山の中で静かに鎮座し続けるばかり。
傍目にはただの水晶玉でしかない其れが自ら意思を持って動き出す事も無く、
その存在に目を留め拾い上げる者が現れるのをただ物言わずに待ち続ける。
それが男であるならば、近くで覗き込めばその身に凌辱を受け続ける美女の姿を垣間見る事の出来る、
悪趣味ながらも淫猥なオブジェをひとつ手中に収める事が叶うだろう。
しかしそれが女であったならば、件の美女が解放されるのと引き換えに、
次はその誰かが己の不運を嘆きながら肉色の空間の中で終わりの無い凌辱を受け続ける事となるだろう。
ガラクタの山に紛れていたのは、そういった代物であった。
■肉檻 > だが、真夜中を過ぎ月が傾き始めても尚裏通りを通り掛かる者は無く。
物言わぬ水晶玉は妖しげな煌めきを放ちながら、何時現れるかも判らない来訪者の訪れを待ち続けるのであった―――
ご案内:「貧民地区 裏通り」から肉檻さんが去りました。