2023/09/17 のログ
■エレイ > やがてカーテンが開き、客が現れれば男は笑顔で迎え入れ──
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「とある雑貨商店」に九音物さんが現れました。
ご案内:「とある雑貨商店」に刘 若汐さんが現れました。
■九音物 > とある雑貨商店。王都に幾つも幾つもある店の一つに白いシャツを羽織った男が歩み寄っていた。
自分自身の身体に傀儡の術を掛けて腱や筋、骨を痛めた男はずしゃり、ずしゃり、という思い足音でその扉を開いて雑貨店の中に。
前以て連絡用の伝書鳩は飛ばしてあるので、この時間にいる店員は目的である彼女だけとなっている、筈。
いやそうなっていてほしいなーっていうか、色々情報交換したい。
「……お邪魔。」
するよ、と続けずにお店の扉を開いた。店に入るのにノックする方が珍しい。
ずしゃっ、ずしゃっといういつもと違う足音はそのままにお店の中へ。
さてさて探しているお目当ての相手はいるだろうか。
■刘 若汐 > とある組織から退職して自由気ままになったとある狐は、
手続きをきちんとしたはずだと確認もせずに遠くに出ずに
まさかの王都内に留まってまさかのまさかとある雑貨商店の店員に収まったという。
収まったかどうかは分からないとしてでも一旦腰を落ち着かせれば
さぼりもせずに働いているというまっさかな前の組織内での評判が裏のお勤めがちょっとね、だった狐が店員?な具合。
伝書鳩が来た際にちょっと真顔になったのは数時間前の事。
店主にお願いをして敢えて一人にさせて頂いたのが2時間前の出来事。
「いらしゃい。ようお越しになりましたのね。」
何か物音を立てる方でしたっけ?と内心首を傾げながらも現れた一人の殿方の姿を視野に収めた。
此方は変化も何もしていない狐なのですぐに視認出来るやと思う。
■九音物 > 色々と関わりが合って因縁もなくはない。
狐耳の彼女が教えた、糸の使い方。自分が体を動かせない時にも、縛り上げる以外に【イロイロな】……その、エロな使い方も学んだ時に身に付けた傀儡の術を自分自身に仕込んでいるのは判るだろう。
タナールで変な黒尽くめが魔族と斬り合っていたを見たとかそんな怪奇の噂が丁度出回っている頃合いかもしれない。
「お久しぶり、リィゥ。――元気そうで良かった。
ちょっと1つお願いがあるのと、その手土産を持って来たんだけど……。」
傀儡の術は彼女程上手くはない。
色々な事が出来る彼女だから治療する魔法はあるだろうというアテがあった。
余り信用出来ない相手に自分の身体のメンテナンスを任せたくはない。
それなら、まぁ。……下手は打たないだろう世渡り上手な彼女の方が信用出来る。
「――ちょっと派手に立ち回っちゃって。
治療をお願いしたいかな。…後は今の組織からリィゥがどう見られているか、とか。落【刃】桜の手配書とか興味ない?」
身を潜めた先を知ったのは偶然ではある。
ちょっと不機嫌そうな表情なのは、その。過去が過去だからと言った所。
■刘 若汐 > 因縁ありすぎてどれが該当するか分からないテヘペロな内心の狐。
色々と共通点があるのでギリ師弟か、傀儡の術も応用したら自分自身の強化に使えるとは教えた様な違う様な。
ただそれをしたら後で倍になって痛みがいきますよ分かっているのですか、とは伝えた気が昔ある。
タナ―ル砦の噂は残念ながらあの周辺は四六時中戦や争いがあるので大ごと以外の噂は耳にしていない。
「久しぶりですね、ええ。お願いと手土産。
ちゃんと等価交換持ってくるのですね、お姉さんは感激しています」
傀儡の術にせよ色々な仕込の技は上手く出来るが暗殺や忍びの術は此方はあまりうまくは出来ない。
見た目と建築建造建設土木の術に特化してそれ以外は少々劣るのだ。
若い時は組織内では現場から上までわかる稀有な存在だったのに。
彼に信用されているか再開が久し振りの狐さんはにこにこと笑いながらもどうしましょうと思ったのは
「無理をし過ぎたのですね、
治癒ですか、何を土産にして下さったのでしょうか。それ次第ですね。
退職手続きがまともに行われていないせいで、
予想がつくのはがっつり暗殺手配書に載っているとか、でしょうか。」
遠くに逃亡するではなく同じ王都内に潜伏するのは中々思いつかない事。
まさかな芸当をするのは元仲間として同業者ならではの行動。知られたのが早いとみるか遅いとみるか。
彼の不機嫌そうな顔は原因が本人だから 分かる!!
■九音物 > 「……逆だね。暗殺手配書には名前が無い。情報を求められている。
元々五戒で不殺を掲げているし、多分生死込で情報が欲しいんだろうね。
生きているなら戻ってきてほしいって声は多いよ。リィゥ自身が有能なんだし、治水土木含めてリィゥの右に出る人は多くない。
――巫女への頼みごとをしやすいって言う意味でも、男女問わず人気あるから。
情報が出てからは知らないけどね。だから1度他の教派の人とあって生存情報を出して様子見しても良いんじゃない?
すくなくともすぐ捕まえられる事はないだろうし、捕まえようとしても無駄だろうし。
後は僕からの手土産は、この場所については他には明かすつもりがない、かな。リィゥはまぁ、アレだけど信用はしてる。
他の教派からの覚えは悪くないし、生きているかの心配の方が先立ってるからね。――リィゥへの過去の仕打ちは置いておくとして。」
彼女については退職手続きをせずふらっと消えたのは寧ろ心配されていた。
『あのエロい狐大丈夫か……?』
『リィゥ様は無事だろうけれど……』
『王都の男性が絞り尽くされたりしないか……?』
と言った具合。概ね、有能だからその腕を惜しむ派閥。
そしてその性についての絶倫というか超体力を知る者からは王都の住人への心配と言った具合。
少なくともすぐに命を奪えと言う話は出ていない。
かつて彼女にされた事の噂が広まる事を気にしている様子は無かった。
「何を求めて離れたかにもよるけど。少なくとも、義理を返すまでは死なせる訳にはいかないからね。
……暗殺手配書には乗らない様にしておくよ。リィゥ相手に暗殺とかやりたくもないし。」
■刘 若汐 > 「えーマジ?載ってない??まさかの載っていない。
え、ありえないです、五戒は裏の部分まで浸透していない筈です。
粛清と処刑と暗殺とお仕置きも兼ねている落葉桜がまさかの五戒守って不殺!
私は私の価値があるとは思ってもいませんでしたが治水土木は技術と経験があれば誰でも出来ますし?
何人かは各々分野に特化した人もいたでしょう、色々と考える部分がありましたが。
色々と情報という名の手土産有難うございます。
んん、では『まずは生きている』事は伝えてもいいでしょう。
…過去の仕打ち忘れてくれると嬉しいですね。今にその技術が生きているのであれば」
初めにとても驚いて、徐々に眉をひそめてなんでこうなりましたか、という顔をする狐。
退職手続きしたはずという認識の狐としていないと思われている側の彼と組織。
認識不足と手続きはどこかで止まっているという恐れが今浮上した。
後で確認してこよう 数日以内に総本山若しくは王都内の拠点にふらっと現れて混乱に陥れてくれようか。
実効性がなまじ過去にもあるのでその時は全力で彼に止められそうな気もするがさてどうしよう。
あと 組織を抜け出した後 男性を絞った数はまだ一桁だった。
王都の住人 性別問わず片っ端からは絞っていない。見つかる恐れがある行為は控えているのだった。
割とその手の噂は立つのが早いので色事はしていない、ちゃんとしていた狐だった。
寧ろやっていたのは冒険者ギルド経由の土木工事しか。
「暗殺手配書の不掲載とても助かります。ええとても。
あれ? 退職届の文書に書いたのですけど?
何なら言えますよ?『王国内及びノーシス主教の建設様式及び技術について学ぶので一旦組織抜けます』。
一旦なので学び終えたら戻るつもりでしたが何故か追手がかかり逃げる事にしたのですけど。」
やはり王国内の拠点に殴…否挨拶しに行かねば??という頃にはちょっとたくらみ顔の狐だった。
■九音物 > 「そんな事だろうと……。載ってないよ、保証する。
載ってたら伝書鳩が飛んでくるより先に落刃桜が飛んでくるでしょ。
治水土木の技術継承、した………………?技術と経験あればっていうけど。
色々頼ってる面があったんだし、移住してきたばかりの僕達からすれば、失敗しちゃいけない場面ではリィゥの力を借りたい。
技術と経験では並ぶ物なんて殆どいないでしょ?」
狐の顔の変化。その後の言葉、退職に関して意思の疎通が出来ていなかった事をしれば――
黒い瞳を安心したような。そして頬が少し緩み、血色がよくなったように赤い色を混ぜて溜息をついたのだった。
しかし、生きていることを伝えても良い、という言葉の後に不穏な匂いをかぎ取ったのか、再び目を開くと半眼で睨む……というかジト目でお狐様。
相変わらず見た目とお淑やかな巫女【だと思っていた】頃の輝きは消えていない。
「言っておくけど、いきなり総本山殴り込みとかやめてね。
教派の本部に行くのは良いと思うよ。
ただ、落葉桜以外の方が良いと思う。教派として過激な反応するなら僕達の落刃桜の一派だろうから。
その文書が届いていないか、どこかで紛失されたか、情報の伝達不備だろうね。
こっちに来たばかりなんだし、身内の揉め事なんて嫌でしょ。
正しく伝われば追手もかからないだろうし、情報求とかすぐ消えるよ。
そうすれば外部協力者・兼アドバイザーにもなれるでしょ。
少なくともリィゥの自由を侵害しないくらいにお願いはくるだろうけど。
断っても受けてもそれは自由ってなるんじゃないかな。
巫女としての御勤めは断れる立場になれるし。」
そう、正しく伝わっていない!誰もその可能性を考えていなかったのである!
結局血生臭い事は嫌だし、まして人様の土地で暗殺だなんだというのは覚えが悪くなる。
穏当に終わるならそれが一番だし、彼女への悪印象を抱く者はほとんどいない。
うん。ほとんど。
■刘 若汐 > 「そうならよかったわ。載っていたら片っ端から追手の利き腕をへし折って放置していた気がする。
大量に技術について書いた巻物と道具を置いてきましたわよ?
総本山の寺の倉庫に。王都内拠点にはあったかどうかは分からないわ、此処に来た同時に出ちゃったのわけだし?
色々と頼りすぎなのは宜しくないです、もしもわたくしが病気とかで倒れちゃって
指示も出来なくなって動けなくなったりしたら終わるのですかあなたたちは」
狐の表情は割と変わる、あと大事な事は言いました 頼りすぎは不味いと。
色々と残せるものは残したつもりだし―上層部と現場の意思疎通伝達は上手くいっていないのが今わかった。
やはりお仕置きをしに行かねばならないが。彼に引き留められた形となったので分身すら派生しなかった。
見た目と中身が違うから注意しろという認識はまだ彼の中に燻っているらしい。
黙っていればお淑やかだけどいざ行動がちょっとね、だった。彼の視線の悪さは気にしていない。とても。
「ちっ(舌打ち)総本山ならすぐですのにー?
教派の本部は郊外でしたね今も変わっていなければ多分。
落葉桜は放置でそれ以外に顔出ししてきますね、誰かには化けていきます。
で、入ったと同時に化けの皮を剥がしていけばどうにかなりましょうか?
外部協力者兼アドバイザーってあれかな、相談役みたいな感じの?
で、九叛仏くん(敢えて本名)、王都に来ているメンツは誰誰がいるのかしら。
そのうちだれかしらに取次もお願いしたいわね。」
何て言いながらどこからか取り出した鍼数本とアルコールランプと
マッチ箱と何かの液体が入った皿をことことと置きながら徐に用意し始める。
「とびっきりすっきりしたいコースなのかふつうにすっきりしたいコースなのかどちらがよいのかしら。」
そういい笑顔で彼に選択肢を訪ねるように聞く。ちょっと気持ちよくなっちゃうかもしれないのは前者だった。
■九音物 > 「……本当に手配書でなくて良かったと思うよ。
巻物と道具。…………読み方と、使い方は?」
さて例えは悪いが。
専門用語びっしりの仕様書を辞書なしに全部いきなり読める人はいるだろうか。
正しい使い方も一部しか知らないならアブナイ。後知ってる人が大変なのは言うまでもない。
といっても彼女の自由と言うのも尊重はすべきだと思う。過去の噂を知っているからこそに。
「即断即決だからほんとに……。
混珸命流分院葦原会の八番にいるツネオキは話通じやすいんじゃない。
後は三番隊の桜釘。あそこはクギヤが一番話通じると思うけどね。
他は……うーん。ヒヒ爺もいるから最初に接触するならその2つが良いかな。
……その名で呼ぶの、リィゥくらいだけどさ。
取次はしても良いけど、落葉桜の僕が情報知って本部素通しで他の教派に伝えるリスクは一応あるからね。」
クギヤかツネオキ。この2人ならいきなり大変な事にはならないだろう。
ならないでくれ頼む。お願いします。と言う事で一番マトモに思える2人を推挙。
一応自分自身が落葉桜教派に所属しているので、教派本部を飛ばして他の人間に合わせるのは、ちょっと白い目で見られる。
そんなん気にしないけど。
用意され始めた治療の道具の数々。
火が長時間続くランプ、鍼と懐かしい顔ぶれが並んでいる。
処置し易い様に、机の一つを失礼する形で横に、仰向けになろうとしていた。
優しい笑顔、聖母を思わせる相手のその表情に応える様にとびっきりの笑顔で返す。
声は低いけれど。
「もちろん普通の治療コースで。人の初めてを奪ってその2択出すのどうなの」
過去の繋がりと言うか一番半眼モノなのは……治療と教育を兼ねて彼女に初めてを【奪われた】記憶。
あの時は何も知らなかったので、とびっきりを選んで激しく後悔しつつ、なんやかんや気持ち良かったのはまた事実。
■刘 若汐 > 「そうですね、巻物は術式スクロールなので
組織の人なら制限なしで習得できるように組み込んだ技術教科書みたいなものです。
道具は土木道具なので組織のものならわかると思います」
専門用語びっちりの巻物は術式展開の書物なので見つけたら数人で開いて習得せよと伝え置く。
お仕置きするとか不殺とか技術投与にはまともな事はしてきたはず。
ただ…過去やり過ぎたいまさらそんな後悔。
「ツネオキ・キッカワ様でしたか。
ミホ・クギヤ様もですか、まだ面識がある様なない様な。
本名は使いたくなければお呼びしませんけど?本部には別口で匿名報告はしておきましょう。
ヒヒ爺 まだ在籍していましたか。そうですか」
何方もまだ真面な方々が王国に派遣されたらしい。
そういえば王国に来る時にメンバーをまともに覚えていなかった。
組織内の集会にはいたはずなのにいまいち記憶が乏しいのはその時には抜ける気満々だったから。
ものすごい昔に落葉桜にいた事がある狐にとっては彼に言われたとおりに二人に向けて何かしらことを伝えるつもりである。
準備は整った。
彼があおむけになってくれている。とても助かる。
鍼は用意したけど鍼をしなくても直せる気がする。
「普通ですか つまらないですね ええあの頃の初々しい君は過去のものになってしまったのですね
とても残念ですええとても。では始めますね」
『Alle Flüche, die ihm auferlegt wurden, werden verschwinden.』
色々と準備して置いた道具を使…わないで何やら呪文を口にしながら
身体のツボというツボを押し撫でたり何かを摘まんだりする仕草をし始める。
マッサージにも見える動作でありそれ以外の怪しい動きではなくちゃんとした治療方法だった。
程無くしてだるい感じの傀儡術の副作用は解き放たれる事でしょう。
汗もかいていないのに汗をぬぐう素振りをしてにこやかに
終わりましたわ、と道具を一切使わなかったツッコミ待ちであった。
■九音物 > 「良いよ、リィゥは別に他意があっても、悪戯心があっても本当に嫌がる事はしないでしょ。
――さっき、僕に選ばせたのも含めて。ちゃんとその辺りは分別ついてる良い人……ん?……まぁ、うん、悪くない、人?だから。」
糸が空中で切れる。自分の身体の筋肉と腱、骨や靭帯と言った部分を接続していた糸が外れ。
彼女の言っていた通りに、教えられたとおりに激痛が苛むけれど今だけの事。
顔に僅かに水分が浮かぶが、相手の処置に任せるつもりだった。
摘まむ時には素直な反応を返すが、ツボを押す時は流石に痛みがあるのが筋肉の収縮で伝わる。
摩られると心地良いのかその緊張が緩む。
「面識なくともリィゥ自身は有名人なんだから、行けば理解してくれると思うよ。」
汗をぬぐう素振り。ところでそこにある道具は?とジト目になるけれど。
――目の前の相手を憎めないのは、相手が望まなければそれを使わないと言う事。初々しい頃合いの自分とかもう、思い出すのさえ億劫な頃の話。
……それはもう、色々目覚めさせられた。数日は色に狂いそうになるくらい。
傀儡の術の副作用も消えて肉体の調子が程無く戻って来る。
掌を握り締め、解放。背中の筋肉だけで宙に浮くくらいの芸当は出来る。
床に降りると体の各所を確かめるように関節周りを見遣り――。
「……ところで鍼とそのお薬っぽいナニカと火は何の為に?
いや、聞くだけヤボなのかもしれないけどさぁ……。
でもありがとう。体は楽になったし、こういう事は信用できる相手以外に極力頼みたくないから。」
■刘 若汐 > 「悪戯も含めていいのであれば全力で致しますけど?
一応選択肢があった方がまだ遊び心があって楽しいではありませんか。
分別ついていない人はまだい…いますね多分。」
言葉はどこか違う世界のどこかで使われていそうな言語であった。
幾つか使う事が出来るが文字化けしなくて本当に良かった。彼に施した術は終わったので
いそいそと出していた意味のない諸道具をどこかに仕舞ってなくなった。
雰囲気作りにただただ出しただけの諸道具は置かれていただけだった。そして仕舞われたので謎は謎のままで終わってしまった。
彼の初々しさは思い出しただけでも数日置かずにしてご飯参拝行ける気がする。
とても甘い果実でしたと例えが変。
「雰囲気作りに置いただけですよ ハイこれで片づけたのでないですわ。
まぁ 一歩間違えれば数日ほど動けなくなる副反応の傀儡術ですし無理はしてはなりませんの」
■九音物 > 「悪戯を望まない相手にはしない、くらいの分別ついてるでしょ。
中々耳にしない言語だけれど、この国の物か異国交流の成果か。
その辺も時々見せてあげると、ちゃんと勉強の為、という言葉に肉付け出来るんじゃないかな?
……メモ。リィゥの治療に、鍼、薬、火は使わない。」
ぼそっと呟いた。あの頃、最後に治療を受けたときよりも格段に精度が上がっているように感じる治療術。
諸道具を使わなかったならアレに気を許してはいけない気がする。
そんな呟きと素直に感謝と感心。御礼の様に頭を下げる。
……如何なる時も礼節は大切にという教育係の相手の言葉通りに。
「いや、うん。そうだね?
数日は静養しておくよ。思ったよりも体の調子が良くなっているけど。
医者の言う事には素直に従う物……でしょ?」
どこの教派と次に接触を持つのかは聞かない方が良いだろう。
彼女の自由に任せその自由を謳歌してもらう方が良い。彼女にとっても、自分達の宗教にとっても。
少なくとも、好きな事を出来るというくらいには彼女は自由になるべきなのだ。
「今日お金持ってなかったから、お土産無かったけど。
今度来るときはお土産でも持ってくるよ。……こっちの土地で美味しい物ってある?」
■刘 若汐 > 「普段は悪戯はしませんからね 気心の知れたもののみしていますわ。
ま、この世界では言語的に聞いた事はないでしょう、この国では王国後は主流のようですし。
昔は技術は目で見て覚える、でしたが流石に無理がありすぎましょう?
炙って治すというのもありますけど???」
呟きは狐耳が捉えました、地獄耳です。
道具を使うのなら半人前 使わなければ一人前と思っている。
ただ気を許してはならぬ 我らは裏のもの その教えは浸透している筈。
礼節は大切に それは大事な事。かつて教育係だった狐もそう思う。
「一週間もあれば回復終わるのではないでしょうか。
医者ではないですけど治癒者って医者扱いなのでしょうか。」
何処の教派に接敵するか?監視がつくのならば別に気にしない。
ついてこられるのであればついて来いと何時でも言っていた。
研究者紛いな技術者だから現場がある限りそちらに行く事も伝えている。
「路銀?別にいいですよ、一応現場やここでお賃金貰ってますし?
ここの土地で美味しいもの…美味しいかどうかは…エールとつまみが美味しいのだとか。」
エール いわゆるビールの一種の事を呟く。
飲み屋街で乾杯している工事関係者や作業員たちを見た。それらのものを口にした。
■九音物 > 「目で見て覚える……僕の後継はいつ出来るのかなぁ。
うん、炙るのは痛いから、やらないでくれてありがとう。」
いくら暗殺だとか戦闘向きな人間と性格でも、心理的に痛みは回避したくなる。
狐耳が地獄耳なのはシッテタ。彼女の追跡は骨が折れる。
出来ないとは言えないけれど、やろうとしても悪戯が高じてくる事を考えると任務でも嫌だと言いたい。
彼女が嫌いなのではなく、むしろ嫌いではない事が問題で、それ関連では彼女の方が此方を手玉にとれるのだ問題なのだ。
色々な意味で。
「治癒してくれた人の意見の方が、素人の僕より適切。
……エール、おつまみ。なるほど。じゃぁ今度治療のお願いする時はそれで良いかな。……あー、後。
……昔1度だけあったけど、【毒抜き】の場合は、嫌なら断って良いから。」
毒抜き。不覚にも媚毒を放置して自覚無く襲い掛かり、目の前の狐巫女に色々迷惑をかけた案件。
黒歴史であり、記録には残っていない出来事。
借りはとても大きい。返し切れるか怪しい程に。
■刘 若汐 > 「やはり年若いぴちぴちの孤児をスラム街から攫って
仕込んでは如何でしょうか 霊桜教の信者や組織の一員を集める手段を幼少時から仕込めばよいのです。」
暗殺仕込はしたが応用をしていったのは彼だ、戦闘向きではない狐からしたら手段は多めに検討しましょうだ。
聴覚を筆頭に感覚は優れるから些細な呟きは聞こえている。
昔は お姉ちゃんと慕ってくれたかわいいあの子―が成長したら彼だったのだけど。
実に惜しい。ええ、惜しい。
「等価交換に匹敵する事だったらそれでよいと思うの。
エールやワイン、食べ物とか。毒抜き。あ、嫌でもないから」
あれ迷惑だったのかなぁ??寧ろごちそうさまです。記録に残っていない黒歴史。
こちらも彼の内なる狼が見れて最終的に押し倒して頂きました事件。
にこやかに 毒抜きは歓迎していますよ、とやはり狐は変わっていなかった!!
■九音物 > 「うーん、それ言っちゃ駄目だしそれやっても駄目だよね。
特に落刃桜の方に勧誘するなら日陰の道を歩む事になるし。
でも孤児の受け入れは良いかもね。落葉桜以外の教派では、地元に根付く事にも溶け込む事にもなるから。」
攫うと言うのはともかく、スラム街に教派の分会を置くのは悪くない。
治安維持のお手伝いしつつ、ひんこうほうせいに教育し直せる。
お姉ちゃんと呼んでいて後ろをついて回っていて、何時の間にか今の自分に成長したのだ。
なにがあったんでしょうね。
「……そこは嘘でも嫌っていっておくと良いよー
ボクソウイウノダイスキー。」
心にもない事だった。そういうのが大好きとは思っていないし。
そもそも嘘でも嫌と言ってくれた方が、逃げ道を潰せる。
自分が媚毒にかかった時に、ここに逃げ込むという甘えを消せるのだが――。
と言うか逃げ込んだら最後、色々と危険な気がする。
変ってなかったか、姉君!
パン、と掌を合わせてその刺激を元に。
改めて聖母の様とも言われた相手の姿形を見る。
美しく、女性として魅力があるのは確か。
長い時間を見ているのは、確か女性に失礼だった話を思い出す。
ぺこり、ともう一度頭を下げると、来た時とは別物の様に足音無く扉に向かっていった。
「……。無事でよかったよ。――あー。姉さん。」
お姉ちゃん、とは言えなかった。礼を込めて。
最大限の家族への気持ちを込めた声。それを残して扉を開き、するりと夜の闇に消えていく。
どことなく数日は機嫌が良さそうで、けれどそれを指摘されると機嫌悪そうにしてた、とか。
■刘 若汐 > 「物心ついていないショタロリ辺りを…。
教育という名の洗脳を致せば駄目ですか分かりましたでは快楽ですね。」
この狐誰か監視役がいないととてもじゃないが危ない。
今まで誰かしら最低限監視がいたから暴走していないっぽいのだ。
今ではその監視役がいないのである意味危険な爆発物が歩いているという具合。
とてもじゃないが彼が口にするのも悍ましい黒歴史がいくつも転がっているとしか。
「嫌じゃないので。嘘はつけません」
嘘は駄目です。逃げ道は敢えて解放しちゃっている。
困ったらぶつけるといいよその分此方は興奮して受け止めて召し上がります!
いただきまーすといわんばかりに危険な花は何時でも大歓迎。
こんな強烈な狐はそうそう変わりません。
「ああ、久し振りに姉さんって呼んでくれたのですね もっとそ」
無情にも扉はしまったし彼の気配はもうそこになかった。
追いかける事はせずに 初々しい九叛仏きゅん またこないかなあと数日程ウキウキした狐がいたという。
ご案内:「とある雑貨商店」から九音物さんが去りました。
ご案内:「とある雑貨商店」から刘 若汐さんが去りました。