2023/08/11 のログ
ショコラータ > 自分が当事者でない別の流れで「花売り」と言われたなら、きっとその隠語自体は理解できる。
語彙として持っていてもタイミングやら何やらで、つまりいささか自意識過剰なところがあるのだろう。
このタイミングでは何と気付けぬまま、気にしないでと許されて、野次は意識から外れていき。
しかしもしかしたら、次の機会には花を持参するのかもしれない。

「――んなっ なっ で、でもお高いんでしょうっ?
 夜泣きする歳でもないし大丈夫だから!」

添い寝買ってくれないの?には何と返して良いやら分からず。
しどろもどろにはぐらかし、スマートな断り方ってどんななんだろうと悩む。

――偽名についてはそういう訳なら、なるほど壁に耳ありねと、
無難に偽名を使っておこうかと思うが、魔術師で名前を重んじるという事かこれが非常に長い。
うーんうーんと散々悩み、ようやく捻り出すのが捻りの無い『カカオ』で、おかしくない!?何かない!?と一悶着。

そうして名前も変えて眼鏡の性能を信じてみると、仮面舞踏会のような楽しさもあるのねと、
エスコートされ席に着く頃には、だいぶウキウキしている。
――知っている歌が歌われていると、ここも別に別世界ではないようで安心した。
というかあの人上手ねと、こういうお店でもレベルの高い歌い手引っ張ってくるのねと、失礼な感心の仕方で馴染んでいき。

「いやいや、ようするに誰々だって確定させなきゃ勝ちなんだからそれで充分… んあれ?
 …でもそうすると、そうか、コレかけちゃったらヤシュムにも私の顔がよく分からなくなるのね… 着けない人、多いでしょ?」

ある程度相手に好意を寄せて通う人なら、この眼鏡によって指名相手からも自分を濁してしまうのは不本意だろうと。
ここで使われる小道具としては、ままならないわねって可笑しそうに。

「――ああ、じゃあ、紅茶を二つでご馳走するわ。この前のお礼ね。それとも好きなのある?
 …夕食は早かったけど、何か、どうしようかな。お茶しかしないなんて事もあるの?」

ヤシュムが買ってくれた時のように、ある程度こちらが主導する方がスマートに思えて同じの二つと言うが、
メニューから選べてどうせお金払うなら、好きなの飲んでもらった方が良いんじゃないのかと、
まさか紅茶苦手だったりしないでしょうねと、合ってる?って感じで伺いながら。

何かお茶請けも頼まないとしまりが無い気がしたが、飲み食いするには夜だしね、と悩む。
その辺り、意外と食生活は荒れていない子供な感覚なのかもしれない。

ヤシュム >
 お高いんでしょう、としどろもどろになる様子にニコニコしながら「良心的な値段だよ」とは返しておく。
 本当に良心的かはさておき。
 それなりにお高めの部類ではある。少なくともあの舞台に立つ必要がないくらいには。
 それはともかく、名前を決める際に起きたひと悶着でまた噴き出した。

「カカオ……! っふふ、はは、本当に君は面白い子だなあ」

 普通にショコラちゃんとらラティとか可愛い名前から可愛い愛称が取れそうなのに。
 ともあれ、それで決まったならカカオちゃんと呼ぶことになるのだろう。他の人は。
 自分は先にショコラータという名前を彼女から直々に呼ぶ権利を貰っているので、そのままだ。
 勿論、周囲に悟られることはないよう、頻繁に呼ぶわけではないけれど。

 眼鏡をかけた彼女もまた印象が変わる。
 きりっとつり上がった眦が眼鏡によって理知的な雰囲気を持たせるのだ。
 人によってはその吊り目も垂れ目に見えたりするかもしれない。
 さて席に着く頃には大分うきうきと楽しそうな雰囲気をする少女に笑みを浮かべる。
 隣の席へと腰掛けながら、尋ねられた問いにはふ、と笑ってから少女の顎にさらりと手を伸ばして、
 視線を合わせるように顔を向け合おう。
 男の目には、認識阻害によって歪むものも、少しすれば普通の眼鏡を変わらないものになる。

「どうかなあ、人それぞれだよ。
 それにこれは、こうして目をじっと見つめ合っているうちに、阻害効果がなくなるものだからね。
 君は可愛い顔立ちだけど眼鏡をかけると大人っぽくて色っぽさが増すね」

 あえて顔を見せたくないシャイなお嬢さんもいる。
 とまあ、彼女の顎から手を引いて頬杖をつき、なんでもないように笑みを浮かべて見せる。
 紅茶を奢ってくれるというのであれば、嬉しそうに翡翠の瞳を細めた。

「ありがとう、義理堅いし優しい。
 俺のお勧めはダージリンだ。セカンドフラッシュの良い茶葉が揃ってるから、ストレートで飲むのが良い。
 お茶しかしないこともあるよ。運動前に軽食を取る人もいるけど、お腹が空いてないなら無理しなくていい。
 俺たちの好みのものを知ってくれるのも嬉しいし、君が好きなものを美味しそうに食べてくれるのも嬉しい」

 シンプルな味わいのものが相性がいい、と説明しつつ、合ってるかどうか覗き込む視線に微笑む。
 男としても嫌いなものも苦手なものもない。
 ちなみに合わせるならナッツの入ったパウンドケーキがお勧めだ、とも追加しておこう。
 厚めの一切れにクリームが添えられているものだ。
 悩む彼女にお勧めはするけれど、頼んでも頼まなくても問題はない。
 娼たちにとって主賓はお客様なのだから。
 彼女の注文が決まったところで、フロアを邪魔しない程度に巡回している給仕がきたタイミングで注文をして貰おう。
 受けたのは彼女よりも年若い少年だ。
 まだあどけなさの残る子供が、少々お待ちくださいませ、と微笑んで一礼し離れていく。
 注文を請け、届けるまでが仕事。届けてくれたら、彼の手にチップを握らせるのだ。それが彼らの給金になる。

「さて、それじゃあ本題に入ろうか。
 えーと、第一印象最悪な痴漢の女たらしとお出かけする時の逆張りコーデ、だったな。
 普段はどういう服装を好んで着るんだい?」

 逆張りとは。
 逆張り。ということは、まずは普段彼女が着ているものから知る必要がある。
 ということで、私服がどういうものかを尋ねてみて。

ショコラータ > 偽名にするなら音は外さなきゃあだ名じゃないとか。
何か拘りがあるらしく、そこまで?って悩むくらいなので、ヤシュムがこれ以前のままに本名を呼んでくれると救われる始末。
ならば偽名いらなかったんじゃないかというところだけれど、理屈の上では眼鏡を求めるなら偽名もであると。

「――んぉうっ!? っな、なにっ…?」

顎に触れられるとドギマギと、しかし見ていたくなる顔とはちゃっかり見つめ合い、
いや私は顔を見てもらわなくてもどっちでもいいんだけどね?とそわそわ視線を泳がせる。
今のところ、ヤシュムの好意や高評価は求めていない。 彼は好ましい人物だけれど、そういうのではない。
お客様の一般論としてね、と照れながら…
しかし色っぽいなどと新鮮な褒め方をされてしまうと、伊達メガネいいのかもと意識してしまうのだ。
注文についてはおすすめしてくれるまま、じゃあそれで!と。

「――ふぅん、じゃあせっかくだからそのパウンドケーキ… これさ、一つしか頼まない人っているの?
 なんか自分は食べてて一緒にいる人が食べてないの落ち着かないんだけど、こういうもの?
 大き目なら半分こしましょうか? …ああいや、やっぱり二つね。」

家族やごく親しい友人とシェアする感覚で半分こと、さらっと言ってしまうのも子供っぽいのだろうか。
本人評価ではよく分からないところだが、ガチャガチャ切り分け始めるのも粋じゃない気がして、これも二つ。
…オーダーを聞いてくれるのが自分よりも年下の男の子と気付くと、子供!?子供ナンデ!?とうろたえるが、給仕だしねと納得しておく。
この街では客をとりかねないなと半眼になるが、なんでいけないの?と問われるのを考えると、何だか分からなくなってきた。

「好きな服… 三角形かな。スカートじゃなくてもいいんだけど、
 漫画のオバケみたいなヒラヒラがこう、フワッとくっついてくるの好きなのよね。
 でも腕肩周りって、なんかピタッとしてないと落ち着かないのは何でかしら。
 デザインはスッキリがイイわね。
 細かいレースなんかも見るのは好きだけど…
 ダンサーの舞台衣装より、彼らのトレーニングウェアの方がカッコよく見えちゃう。
 …着慣れてるのは、こういうカッチリ(学生服)した感じだわね。」

逆張り、とは。
男の人のためにお洒落して来たんじゃないんだから!と言えるようなイメージで口にしてみたけれど、
別に恥をかかせたいわけでも、嫌な思いをさせたいわけでもない。
ただ体裁を整えつつも、なんだか無性に媚びた感じだけは出したくないのだと、そんな感覚で出て来た言葉なのだろう。
だから、きっと非常に難易度の高いオーダーだ。
そしてこの田舎者は何を勧められてもそれについて評価する下地を持たないので、
聞いてくれた好みが部分的にでも合致しさえすれば、これがそうなのね!と素直に納得しそうである。
ようするに、自身の無い分野に理由をつけてアドバイスをもらいたくて、その理由が変に難解になってしまっているだけで。

ヤシュム >
 レンズの奥で見開く、朱にも紅にも見える瞳と視線を絡ませる。
 もっと顔を寄せてしまえば唇に吐息まで掛かってしまいそうな距離。
 可愛らしい反応が表情に出てしまう彼女に笑みを零しながらも、顔は離れていく。
 それ以上は彼女が望んで買ってくれた時だ。男は存外、この可愛い少女を気に入っている。
 にこりと微笑んで、注文を確定させた後に、彼女が疑問に思うことに小さく笑って。

「俺は半分こでも嬉しいけど。君に手ずから食べさせてほしいし。
 あとは、まあ……中にはそういうプレイが好きなお姉様もいらっしゃる、とだけ言っておこうか」

 果たしてそれだけで、彼女の中で『見目の良い男娼を床に侍らせて、犬に与えるように餌付けするS系マダム』の図は浮かんでくるだろうか。
 あえて口にはしない。そういう世界はきっとまだこの少女には早い気がするのだ。
 そういう光景は仕切りで覗けないようになっているのだけれど。
 子供の給仕に驚く様子にも、彼らももう少し成長すれば、15も過ぎれば客を取るようになる。
 尋ねられれば答えただろうし、舞台では男娼や娼婦たちが音楽に合わせて緩やかながら蠱惑的に踊っていたりする。
 肩を出したり腹を出したり足を出したりしてるので、目が行くこともあるかもしれない。

「ふむ────……。
 君の普段着がかっちり系なら、ラフな感じよりそのまま優等生スタイルでもいいかもね。
 いつも通りですけど? 意識してませんけど? みたいな感じで。
 生地の柔らかめのプリーツスカートか、少し硬めのフレアスカート。
 シャツは清楚に白にして半袖かノースリーブ。ボタン部分にちょっとだけレースをあしらって。
 襟元に青、赤、黄色……好きな色のリボンタイで、胸元をかっちり隠そう。薄手のストールがあると良いな。
 それから胴回りにはコルセットベストかな。スカートの色や生地に合うタイプがいい。
 一体型のコルセットスカートもいいと思うけれど、ベストの方が腰のラインと胸部の膨らみを美しく魅せられる。
 スカートは長めにするならショートブーツ。短めなら生足が綺麗だけど、スカートの色次第ではタイツもありか…。
 膝下のハイブーツ。ヒールを高くすると痛めやすいけど、脚のラインが美しく見えるものを靴屋のプロに聞こう。
 あとは眼鏡か帽子だ。今日確信した、君は眼鏡をかけると色っぽい。俺は眼鏡をお勧めする」

 上品と清楚さを出しながらどこへでも行けるスタイル。
 媚びるほど肌を露出するわけでもなく、ガードが堅そうに見えるのも、その後の展開を思えば男なら滾るものものある。
 健康的な焼けた肌なので生足の方が魅力的かもしれない。
 彼女の姿を頭から足先まで見て、一通り要望に忠実そうなコーディネートにはなるだろうか。
 第一印象最悪の痴漢の女たらしに媚びることなく、清楚で上品にするのはマナーだし、
 柔らかい二の腕を見せるのは暑いからだし、いつでもストールで隠せるから別に意識はしてませんけど?
 という感じのコーディネートが一案。
 近くのナプキン紙にさらさらとそこまで書いたものと、簡単な等身大のイメージ図を添えて見せてみる。
 考えながら、彼女の下には給仕の少年が戻ってきて、丁寧に紅茶とパウンドケーキを二人分置く。
 

ヤシュム > 【中断します。次回継続】
ご案内:「平民地区歓楽街 娼館【楽園の扉】」からショコラータさんが去りました。
ご案内:「平民地区歓楽街 娼館【楽園の扉】」からヤシュムさんが去りました。
ご案内:「冒険の1ページ」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
ドラゴン・ジーン > 君は酒場で出会った二人の女冒険者からの依頼を介し、今は鬱蒼と木々の生い茂る森の中に居る事になる。既に冒険者としてのグループを結成しているという呈だ。既に空模様はとっぷりと暮れた夜の色に塗り潰され、暗澹たる暗がりの先陣を切る仲間の一人が手に翳すランタンが闇夜を拭って周辺を照らし出している。君は冒険者二名に挟まれて、成している隊列の真ん中を歩いているものと想像して欲しい。

『ちょっと途方に暮れてたんだよね、正直に言うとさ。二人だけで上手くやれるものか…でも依頼金についてはもう受けとっちゃってたし』

『仲介者が居ない時はこういう時困っちゃうよね、相談出来ないって事だし。全部自分達で考えないといけないって事で』

『そんな訳で今日は宜しく。依頼自体は害獣駆除みたいなのと変わらないし、パパッと終わらせた後はまた何処かの酒場で打ち上げでもしよーよ』

『…ほら、件の遺跡が見えて来た。此処にお目当ての畑や牧場荒らしのゴブリンが居るって話』

そんな風に交互に仲間達が話しかけている内に、木々は拓け、目の前にそれが見えて来る。シダや蔓草などの草飾を纏っている古びた建物だ。周囲に聳え立っている樹木の根が表面に絡みついて半ば融合しているように窺える。外部に露出しているのは入口となる部分だけであり、一見した感じには白い石に見える構成物質でそれは建っている様です。そして門構えとなる場所には奇妙な刻印が刻み付けられていることが解るだろう。
…もしも君にある程度の博識があるならば、それが邪悪な神をかつて崇めていた、今や存在しないカルト教団のものだという事が把握出来るかも知れない。不気味な雰囲気を醸している遺跡前で二人の冒険者は固唾をのみ込んで顔を見合わせ。その後にじっと君の方にへと一瞥を配る事になる。訴えかける視線の意味は『先導を宜しく』だ。
……これらの誘いは無論において罠だ、怪物の胎より産まれた子供等の一部は知性を宿し、直接的ではなくこうして人の形をなし、人語を喋れるというアドバンテージを生かして新しい誘導の方法を試しているのであった。

ご案内:「冒険の1ページ」からドラゴン・ジーンさんが去りました。