2025/04/30 のログ
ご案内:「王城 とある一角」にバーバ・ヤーガさんが現れました。
ご案内:「王城 とある一角」にレリーナ=ガンドさんが現れました。
バーバ・ヤーガ >  
 窓辺、外側のテラス。
 王城の中でもこの辺りのエリアで床を踏む機会が多いのは王族ではない
 城の中で働く者らが多いだろう。
 それぞれ自身に与えられた部屋の中以外で時折空気中に露わにしてしまう
 苦労や愚痴などがこの辺りでよくこぼれるという。
 それを見聞きした王族がなにをするかわからないし、告げ口だってありえるかもしれない。

 虎視眈々と誰かを蹴落とし狙う者もいれば、まるで伝統やお決まりなように
 信頼できる者にだけポツリと聞こえる声量で漏らし、王族に唾を吐く。
 此処はそういった場所だ。

 だからだろうか、バーガ・ヤーガはその辺の年老いた官僚
 肥えた贅肉とは矛盾する整えたひげを持つ中年などと面識がある中で、甘ったるいバニラ香がする紫煙
 銘柄が魔術師と打たれている紙巻を唇に咥えながら前の隠居生活をのびのびと楽しむ姿とは少し違う
 現役時代に少しだけ戻っているかのように、年を重ねても常若の見た目からくる色香は色あせず
 フゥッと吐く紫煙が無風な中でヤーガの周囲を蛇が巻くように漂っていた。


   「暖かくなってきはったと思えば、また寒ぅなりましたなぁ…、…。
    物騒事が耳から離れんし、困ったもんや。」


 長い髪をいじりながら咥え煙草姿。
 トンッと少ぅしだけ柱に身を預け。
 

レリーナ=ガンド > 町の中に渦巻く様々な思惑、それは決して町民だけではない。
王城でも権謀術数渦巻くことも日常茶飯事であれば、ちょっとした愚痴くらいならお目こぼしされることもあるだろう。
忠誠心が高いものもいれば、低いものもいる、貴族もそれこそピンキリであれば、渦中にいるような者たちも時には疲れてしまう。
そんなこともあるのは間違いない。
そういう意味ではどんなものにも息を抜くということは必要なのだろう。

カツンカツンと日中の暖かさをぬぐうように訪れている夜の寒さと静けさ。
そんな中、静かに硬質な足音を石畳へと響かせながら、ゆるりと人ならざる尾を揺らし、灯りに髪の毛から顔を出す角を時折受からびあがらせるのは一人の竜の混血児。

「この香りは…」

騒ぎの絶えぬ王都は活発な証。
それでも度を越えたものがいれば、制裁を加えつつ場を収めるのもまた兵として仕えるものの務めである。
王都に戻ってきて早速、一仕事とは当たら居ていたのだろう。
息を抜くように一つ欠伸を噛み殺せば、女もまた息を抜ける場所へと向かっていたのだった。

そんな折、鼻をくすぐったのは独特な甘さを感じさせる一つの煙。
女にとってそれは覚えのある香りであり、特徴的なものであれば、一つ尻尾をうねらせ。
その勧める足の速度を挙げさせていくのであった。

「やっぱり…ヤーガおば…いえ、ヤーガ姐さんでしたか」

渦巻く煙に誘われるように、元々足が向かうはず出会った場所なのに、誘われるように見えるのは、少々上機嫌にも見えるからだろう。
一人静かな夜を楽しんでいるようにも見えるものであり、その風景に似合う姿。
人によっては姿を見たところで、軽々しく声をかけることをためらわれるかもしれない。

けれども、女はむしろ嬉々とした表情で僅かかに顔をほころばせながらも、城内ということを思い出したのだろう。
一つ咳ばらいをすれば、気を取り直す。
そんなちょっと気を引き締めるような様子を見せた後、改めて少し足早に歩み寄りながら声をかけていくのであった。
尻尾の先はちょっとだけ犬が尻尾を振る様に揺れているのはご愛敬か。

バーバ・ヤーガ >  
 咥え煙草のまま、細く先が膨らんではちぎれていき、体に周囲を漂うかのような甘い煙
 視線は窓辺の内側ではなく外側へ向けたまま。
 煽情的な太もものガーターと網目をなぞるように滑る指先は―――
 今しがた近づいて来ようとしているそれを、足元の振動で感知していたのだろうか?

 フッと咥え煙草のまま先に振り向いたババ・ヤガ。
 両腕を胸の下で組むようにした姿勢 赤い蛇目が映す姿に双角が認められるのなら
 ぱちぱちと瞬きをするだろうか。
 現役時代を思い出すような甘い香りと煙草の味から一転、瞳は笑みを浮かべて見せるだろう。
 まるで子供が寄って来たかのようなしぐさで、煙草はすぐに半分を過ぎた辺りでも惜しみなく処分してしまい。


   「あらあら、ふふふ。
    どないしはったん、窓超えてまで来はって。
    そないおばはんに会いたかったんどすか?」


 西訛りの言葉で近づいてきた笑顔を浮かべてくるそれ
 元は同期同輩、または後輩にあたる者の子で小さい頃から知っている分だけ気楽らしい
 別の場所で泥をかけるような行為もせず、こうして兵や騎士というよりも護衛役としても行為が目立つ。
 また、目上を示すように姐さんと呼ぶ姿に、おばさんでええよ?と恰好を崩させる。


   「いつのまにか背超えたんやねぇ
    うちも割と高ぅ位置通ってるけど。」


 自然と見上げる形
 煽情的な衣装や谷間がその角度では北半球が丸く見えるだろうか。


 

レリーナ=ガンド > カチャカチャと街で見かけるような兵ほどの重装備ではなく。
身軽さを感じさせるような最低限の守りの鎧部分は、戦闘スタイルを感じさせるかのようにも見えるだろうか。
もっとも、何時もは背中を飾っている、身の丈を軽く超えるどころではなく、刃先も巨大なハルバードを携えていなければ、竜の特徴を除けば一山いくらの兵士にすら見えるかもしれない。

もっともそんなカモでも見つけたような心持で狙いを定めるチンピラは、十分すぎる授業料でも払うことになるのだが。
街中ではさりとて、流石に王城では早々そんな輩はいないのは、流石に治安の違いといえるだろう。

「お久しぶりですっていうか…流石にヤーガ姐さんをおばさんと呼ぶのはねえ」

実際の年齢を知っているものからすれば敬い。
彼女自身を知っているものからすれば、恐れだって抱きかねないのが、一見ふわりとした雰囲気を見せる彼女である。
けれども、女の表情に浮かぶのは敬いはあっても恐れはなく。
その上喜悦の色が乗っているのだから、城の中の一般兵とはまた違う。
そんな立ち位置であることを傍からも伺わせるものであった。

「ヤーガ姐さんに会えるかって言われたら…そりゃ会いたいでしょ。
体格はまだまだですけど、大分約束のお眼鏡に…かなってません?」

近づいても近づいても、知れば知るほど憧れというのは中々遠く、たどり着けないのが世の常である。
少しだけ目線を下げて表情を見るといっても、そこはまだ多少であった。
女らしさという意味では、まだまだどころではないのが視線からも見えるスタイルでも十分感じられるものであり。
妖艶といって差し支えない彼女の色気は、早々近づけるものではないのもまた事実なのだ。

けれども、日々仕事をこなし。
今では背だけは超えた女は彼女から見ればまだまだ子供であっても、兵士としては十分に一端でもあった。
大人でありつつも彼女に対しては、何処か昔の子供の面影がみえるかもしれない。
そんな様子を零しながらも、嬉し気に問いかけるのは、小さなころの思い出からの一つの約束であった。

バーバ・ヤーガ >  
   「うちは大したことないですえ 血ぃがモノ言うてるだけや。」

 ババ・ヤガで通る山姥の名
 それとは別に体に通う血でそんなに頭を下げなくてもいいという。
 それはババ・ヤガの本来の業を大っぴらに広げようとはしないもの。
 もちろん、目の前の子も口軽く言葉にはしない。

 それを語るようなら三流以下だ。


   「約束?」


 はて、と顎に指をあてるように考える素振り。
 長生き者のおばあちゃん的な思考の渦にいきかけて、ああと当て嵌めた記憶があるようで。


   「まだあんたがこまい頃、うちに結婚してほしいとか彼女になってほしぃ、言うてたやつ?」


 其処は隠しもせずに答えをいってしまうと、あわわわわわと顔を赤くして慌てさせそうな
 子供のころを知っている年長者の弱みを突くような言葉でホホホと楽し気に笑う。
 竜の血いれて大槍振り回すような子が、軽々とその気持ちを毬のようにころころされるのを面白がりながら。


   「せやねぇ 彼女になるんは無理やけど、あの子にもド突かれそうやし。」


 あの子、とはこの子の親のこと。
 クスクスと笑うまま、こんなおばはんでええの?と再度確認をとりながらも。


   「頑張っとったようやしなぁ、一夜くらいなら夢見るくらいええどすえ?」


 出てきた答えは、一夜の出来事ならまぁよしとしようという
 子供のころからしっている彼女への甘さか 昔のように篭絡しようとする気はないものの
 自身の女にどっぷりと浸かり満たしたいという気持ち 触りくらいならええかとする気前の良さだった。


   「でもそれで満足してもらえるんかなぁ、うち心配やぁ。」


 言葉の訛る色香で、体を撫でて挑発するかのよう。
 自身の体を抱くようにして、こわいこわいとからかいながら一日が過ぎていく。
 この後何が起こったかは、またこの後見えるだろう。
 

レリーナ=ガンド > 「それを言ったらこっちこそ…じゃなくてそうそう、約束」

何処まで彼女を知っているのか。
それは人それぞれといっても、少なくとも近しいものから情報も得ている立場であればこそ、というのはあるのだろう。
彼女が引く血、公に出さずとも、女もまた角尻尾といった人ならざる血が濃く見える部分が分かりやすく出ていれば、角を指で少し誇張し。
笑み交じりに零して見せる様子を出すのだが。
肝心なのはその後の言葉か。
彼女が思い出すように零していけば、重ねて女も零していく様子をみせるが。
覚えているか、そんな不安と期待交じりの色が見えるのはやはりまだ若さかもしれない。

「そう、そ…んなド直球でしたっけ?!
いやまあ、お眼鏡にかなったら似たようなことではあったけど!」

覚えてはいた、さりとて、子供のころの記憶とはえてして誇張されやすいものである。
方向性はどうやらお互いに間違ってはいないようだが。
いささか直球だったのか、ド直球すぎたのか。
頷き肯定しかけて吹き出しかける。
そんな様子は文字通り子供時代を思わせる、そんな変わらない表情でもあったのかもしれない。

少なくとも、更に砕けた口調の端端を覗かせる部分を見れば、懐かしくも公ではなく、私の関係性を感じさせる一幕ともいえるだろう。
内容はさりとて会話の雰囲気だけでいれば、親子や年の離れた姉妹か、そんな砕けた距離をかんじさせるものもあるが。

「少なくとも子供じゃないんですから。
お眼鏡にかなったのなら…姐さんにだって少しくらい夢を…見せ返すかもですよ?」

覚えていてそれにこたえるというのであれば、ただ可愛がられる子供でない。
夢を見せてもらえたのなら夢を見せ返す。
そんな意気込みを見せるのは、竜の血のなせる業か、それとも女の子供のころからの、岩をも通す一念か。
彼女も楽しませるつもりは満々であることは伺える様子であった。

「ヤーガ姐さんがそのくらいで心配したら…槍が降りますよ?」

揶揄われているというよりは、じゃれ合っている。
そう形容するのが今の二人には丁度いいのだろう。
彼女のジェスチャーに返すように、腕を組んで胸を張る様にして見せれば、笑みと相まって、覗くギザ歯が肉食獣を思い浮かばせるものともなるが。

実際に彼女に限っては色々な心配はしていないのだろう。
だからこそ、全力をもって女もまた望む一夜となったのは間違いなく。

ご案内:「王城 とある一角」からバーバ・ヤーガさんが去りました。
ご案内:「王城 とある一角」からレリーナ=ガンドさんが去りました。