2024/09/03 のログ
ご案内:「平民地区:場末の酒場」にヴァーゲストさんが現れました。
■ヴァーゲスト > 平民地区の片隅に佇む場末の酒場。
穴場、隠れ家、等々言い方はあるがざっくりと言えば平均的な平民地区の酒場よりは上等な酒を出すが、客層は疎らでこんな場所でしか酒が飲めない奴らが客としてくる治安も最悪の酒場である。
飯も酒も美味いが給仕がいないから自分で注文した物を取りに行かなきゃならんし、酒も安いやつを頼むと自分で樽からジョッキに注がなきゃならん、酒はその分ズルできるけど。
「親父さんよーそろそろ可愛い給仕さん雇わん?
冒険者ギルドで融通してもらうとかでよー……。」
生ぬるいエールを注いだジョッキは席に着くなり半分空に、皿にはスライスされた新鮮な(?)肉(?)に塩コショウと辛子(?)が刺さった独創的な一皿が酒の肴として、なお生。
料理と呼ぶには料理に冒涜的にも見える何かだが美味ければよし、刺さっている辛子(?)を指でつまんで肉の一枚を突き立てて、口に放り込み、もにゅもにゅと咀嚼しながら、アレだ。
「花のない酒場なんて早々に潰れちまうぞ?
ただでさえ客いねぇんだからさー………。」
実際いない。
今も自分を含めてぼちぼち。
カウンターもテーブル席も隙だらけ。
そんなカウンター席の端っこの席を占領してるわけだが。
今夜はそうただ暇を持て余して酒を飲みに来た。
軽い食事と酒とできれば女が欲しいが、そこに通うにゃ財布が寂しい、だから妥協って奴だ。
花のない店なんてすぐにつぶれちまうぜー?
ご案内:「平民地区:場末の酒場」にドリィさんが現れました。
■ドリィ > そんな花も枯れた場末の酒場に、───立て付けの悪い扉を軋ませて、一抹の風が吹く。
夜の湿気と塵芥と、そしてひゅるりと花弁が一枚…否。女が一人舞い込んだ。
「はぁーい、マぁースターァ」
きちゃった♡ なぁんて甘ったるい声で宣いつに、
つかつかと颯爽たる闊歩でブーツのヒールを鳴らし、カウンタまで歩んだなら肘を置きがてら
先客ににっーこりと口角傾いで微笑んだりもしよう。
だが、あくまで用向きは店主たる男にあり。
「頼んでたお酒、届いた?
もぉーー、ずぅっと連絡ないんだものーぉ。」
さみしかったァ、等と付け加えつつに奥へと引っ込む店主を眺めて待ち。
カウンタに伏せてある樽を模した木製ジョッキを勝手気儘に掴めば
どぷっどぷとエールを注ぎ始める。即ち、待ちの一杯。
■ヴァーゲスト > 辛子の辛みと肉の憎らしい野性味あふれる味が中々。
でもこれ炙ったほうがもっと美味いんじゃねぇの?
と、野外でやるような料理は得意な自分としては一言申したい――…まあ気が付けば二皿目なんだが。
うん、味はいいんじゃないか?
癖になるような辛みの刺激と肉の…以下略。
肉を咀嚼して、生ぬるいエールをジョッキで流し込む、流し込んだら肉を食らって、エールを飲み、繰り返し。
胡椒も欲しいな、と考えた時には二皿目も空だった。
(……さて、軽く腹も膨れたし帰るとするか。)
そう思い席を立ったのだが、木製の扉がきしみ開き、酒の香りとは違う、ここの酒場ではずいぶんと嗅いだことがない匂いにすんと鼻を鳴らす。
いい匂いって事はいい女、なのだが、要件を思い出す。
そういえばパトロンの男が相談があるとか何とか言ってたような?と。
ああ、くそ、いい女が手に届く位置にいる。
いや、でもパトロンの男からの依頼が……。
人差し指で自分の額をトントンと叩き悩むこと数分。
不真面目であるが義理を欠かすのは今後の仕事に差し支えると考えたが、なんだ美人には敵わないもんだ。
「よっ!お嬢さん、その酒、オレにおごらせてくれないかい?」
止めやめ、仕事止めた。
今夜はいい女といい酒を飲みたい。
飲むしかない、飲むだろ、こんなチャンス滅多にない。
先手必勝、何てニヤついた笑みを浮かべて、待ちの1杯を始めた年下っぽい女に対して声をかけながら、ジョッキを持つ手とは逆の手でひらひらっと手を振って自分の存在をアピールしてみた。
■ドリィ > 目の届く距離の客は冒険者風情の男が一名。
もう帰るのだろうか、席を立つ姿を視界に留める。墨色の髪の先、灯った銅炎の彩が目を惹いた。
───イイなァ、あの色。ちょっと好み。
あくまで髪の範疇の“好み”ではあるけれど。
とりま、女は遠慮の欠片も無く、勝手知ったる態でエールを注ぐ。
年季の入った女の顔程もあろうかという樽杯に、エールを縁よりあふれる寸で迄器用に注ぎながら
カウンタ向こうを覗き込んで、今宵の肴はさて何があるやらと物色したりもする。
瓶に漬け込んだサーディンを貰うか、それとも鍋に放置されてる煮込みも悪くない。
手慣れている。この女、所謂──常連、なのだろう。
まあ、一先ず最初は一杯。なーんて思った矢先──。
「ぉ?」
傍らから声が掛かった。わざとらしく夕暮色の目を丸め。
茶化すよに煽るのだ。己が持つ酒杯を男へと向けて軽く掲げ。
「ぉぉ? 奢っちゃう?イイ女にー… 奢っちゃう??」
にっこーぉ。ユルい笑みは今度こそ、店主でなく男へと向いた。
■ヴァーゲスト > 木製のジョッキを掲げるイイ女に自分も空っぽではあるが木製のジョッキを掲げて、ひとまず互いに何だ縁は繋がったか。
ユルい笑みは中々に愛嬌もあるし、自分でイイ女なんて言うくらいに確かに隻眼に映る女は悪くないどころかイイ女である。
「そりゃ男として当然一杯でも二杯でも奢ってやるよ!
何ならアンタさえ乗り気なら寝起きに濃い珈琲も奢ってやるよ!」
帰宅の為に重い腰をあげたついで、暫く居座ると決めれば立ち上がったその足でイイ女を値踏みすべく、空っぽの木製ジョッキの取っ手に指先を絡めてクルクル回しながら、女の方へと当然のように歩み寄って、近しい距離でヘラっと軽薄な笑みを返す。
女好き、酒も好き、そんな男らしい男の部分を隠すことなく、女との距離が近づいていけば、遠慮なく相手の足先から腰から、腹部から胸元から最後には相手の唇で視線を止めた。
「遠くても、距離詰めてもイイ女だな……。」
特に柔らかい餅のような胸元のふくらみと、安産型の尻を想像させる腰まわり、少なくとも一山幾らの娼婦とは比べ物にならないイイ女に、失礼すぎる口説き文句を呟いた。
今は店主は引っ込んでいるが、引っ込んでいまいと態度は変わらない、久々のいい女との出会いに少々まわってる酒に、気分は上々である。
■ドリィ > 掲げた杯で繋がる縁はある。既に此処にある。
少なくとも、杯を傾ける前に乾杯する相手がいるのはよき事であり、よき夜だ。
だから───女は屈託なく破顔する。
「やっだぁーー。そぉんなに奢ってくれちゃうの? イイ男見つけちゃったかもーぉ 」
男の調子の良さは悪く無かった。陽気な男がいるだけで陽気な酒が飲める。
こちとら、正真正銘飲みたいだけの女である。なので、かんぱぁい♡ と気の抜けた音頭一声、
ぐびり、と酒を呷り、ぷっはぁぁーーぁ。幸福な弛緩しつつに、やってくる男を迎えるのである。
「あら?あらあら? そんなイイ女の前で、杯は空なの? ──…貸ぁして。」
動作ひとつに、たゆんと揺れる白餅の乳見せつけつつに、
女は男の片手にクルクルと旋回をキメていた杯を受けとれば、
遠慮無くどっぷどっぷと注いで返す。さすればもう一度、
艶めく唇があまったるく囁いた。男の杯に己が杯をかち合わせつつ。
「かんぱぁーい!」
■ヴァーゲスト > 酒場の出会いって奴はこんなもんだ。
いい酒があるところには場末であってもイイ女が来る。
酒って奴は味も酔いも悪くないが、こうした出会いを招いてくるから止められん――…本当にいい夜だ。
「イイ男なんて褒められたらアレだ!一皿くらいならツマミも奢ってやるから好きなの頼みな!」
財布があまり重たくないけども、だ。
今はケチるタイミングではないのは重々承知。
男の本能的にコイツはケチるべき出会いじゃないと言っている、たぶんだが。
それに……奢りたくなるいい飲みっぷり。
そこらの女のチマチマした飲み方や、気取った飲み方する奴よりは好感が持てる。
「おっと?」とそんな思慮に浸ってる間に指を支点に旋回させていた空の木製のジョッキが、うまそうな白餅に視線を落すや否や、相手の手の中に、んで、そそる揺れで楽しませてくれる白餅から視線を戻せば、手には並々と酒の踊る木製のジョッキが返ってくる。
「おっと、イイ女は酒の飲ませ方も悪くない。
アンタとの出会いに……。」
と言ったところで女の艶めいた唇から乾杯の一言、そして木製のジョッキとジョッキがぶつかれば「乾杯ッ!」と調子を合わせて、今夜三杯目の酒を木製のジョッキ傾けて一気に煽り飲む。
あー絶対一人で飲むよりうまいわ。
最高に一人酒よりうまいわ………。
酒は舌と目と、場末の酒場の雰囲気といい女で如何様にも味が変わると、いい言葉だ、後で忘れないうちにメモしておこう。