2024/03/20 のログ
エレイ > ともかく、男は客を迎え入れ。カーテンは再び閉ざされて──
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 整備担当区画」にルシータ・ヴァルケスさんが現れました。
ルシータ・ヴァルケス >  
 妖精祭

 学院内や貴族の間で流行る春祭の一種が最近よく耳にされる。
 作物や実りに向けて、冬の飢えを超えた祝いとは程遠い
 これからの出会いに祝福をという甘言に惑わされ、餌食にされるのが目に見える結末。

 ドワーフであるルシータからしてみれば、胸糞悪い話。
 特に出会いの際、腰に下げた状態で会おうというのか
 剣を新調したがるものや研ぎ、鍔や鞘を変えてほしいなどが後を絶たない。

 最も、武具は殺戮包丁が本懐なら実用性第一主義
 ドワーフの武器がなぜ今まで持て囃されてきたきたのか
 妖精祭とは何の関係もない。


   「―――やがまずぇっ!!」


 工房内で響く怒声
 ゴーグルを身に付け、炉の傍 槌を携えヤットコで武具を拵えていたところの一休み
 合間を狙って頼んできた学生の一人に響くのは、身の丈が学生には何年先でも届かない
 小柄も小柄のルシータ・ヴァルケス喉吠えだった。


  「殺す武具んば腰に下げてないになっどやっっ!
   そいでモテて嬉しかとかっ! ごん糞餓鬼ゃっ!!」


 ドカンッと正確に学生の足元に投げて突き立てられたのは、折り返しを造る際に折り目をつくるための
 斧状のツール。

 ドワーフ訛りの強いそれに圧され、耳にくるビリビリとした響き
 周りの鍛冶師も苦笑いで、はよ゛去ね゛っと追い出された学生の背中を見送った。