2023/12/20 のログ
ご案内:「王都近郊ピクニック場」にアティルさんが現れました。
アティル > 【待ち合わせ中です】
ご案内:「王都近郊ピクニック場」にリーナさんが現れました。
アティル > 先日のパフェを楽しんだ後。
数日か数週が経過した頃にのんびりと肩を伸ばす時間が愛しくなった。
王国の貴族として、地方の統治にしろ王都の中での暮らしとしても息が詰まる様な思いだ。
屋敷の中も、王城の中も気が休まる場面が無いと言っても良い。
なんなら眠っていても警戒するくらいが貴族としての流儀と言っても過言ではなかった。

馬鹿騒ぎが出来るのは大物か、それ相応に『力』という物を高めなくては出来ないというのが。
正道に戻り一から家を建て直そうという貴族の結論だった。

「――そういえば。」

つ、と。羊皮紙に走らせていたペンを止め、肩こりが堪えた時に思い返すのは太陽の様に朗らかな、見ている側を心地良くさせる少女の笑み。
思い出すだけでもふぅ、と体の力は淡く抜け、口元には静かな笑みを乗せる事が出来る。
少女は元気だろうか。と。そこから始まった考えは――。


『デートのお誘い』というピクニックだった。
軽く体をほぐし、外の新鮮な空気と自然に触れあおうという名目で。
ピクニックコースは王都近辺の警備や巡回コースの内側で安全は保障されている。
山の幸――果実にキノコ。山菜に野生の穀物
川の幸――湖や清流に住まう魚や貝、蟹といった天然のもの。
これらを捕え、簡単に調理するもよし。自分の様に、腰回りのサイドパックにおにぎりと、携帯用の簡易軍食。
水筒に温かなお茶を詰める程度があれば現地でも食糧は調達が可能な場所だった。
当然だが毒や媚薬の様な物騒な物は存在せず、危険な生物もいない。

冬山装備手前の、日帰りピクニックに挑むにはやや重装備な男性貴族がキャンプスタート地点。
珍しく他の組が存在せず、待ち合わせ場所として最適な乗合馬車等の乗車地点からもほど近いベンチチェアに向かう。
手紙に記されていた時間よりも今回は30分前より更に早い。

リーナ > お誘いが来た。丁寧な手紙でのお誘いの内容は、近くにお出かけと言う物だった。
 リーナの診療所の休みの日を確認をしてお返事を返してから、わくわくうきうきして待つ日常。
 家族以外の誰かと出掛けるという事自体が楽しくて、わくわくして眠れなくなってしまった。
 子供なのか、と言われれば、まだまだ子供なのだ。

 そして、当日になって。
 王都付近のピクニックの出来る場所での遠出と聞いていたから、お弁当が必要だと思ったから。

「うふ~ふ~。」

 にっこにっこと、ふわふわしている雰囲気、頭の上に、お花畑が幻視できるぐらいにふんわりとした空気をまき散らす。
 サンドイッチを中心にお弁当を一杯作る、デザートには林檎。
 水筒にたっぷりお茶も入れて、愛用の鞄の中に。
 基本的に薬などを入れる鞄だから、魔法的な力で鞄の中にある食べ物は腐らないし保温もばっちり。
 ピクニックと言う物が、基本的にどの程度の旅程であるのかが判らないから。

 目的の場所に、リーナは何時ものフワフワのワンピースに、何時ものボックスバック。
 たすき掛けしている紐は、何時ものように大きな胸を強調して。
 アティルを見つけて駆け寄るたびにたっゆんたっゆん、大きく上下に服が揺れる。

「こんにちはぁ~」

 大きく手を振りながら、日が照る事も考えているから、今回は、鍔の広い帽子もかぶって。
 金色の髪の毛、三つ編みにしたそれを尻尾のように振りながら、リーナはアティルの元へ。

「お待たせぇして、しまいましたかぁ……?」

 少し前から待っていた様子の男性に、大丈夫でしょうか?と首を傾いで、顔を覗き込んでしまいます。

アティル > 窮屈な護衛や邪魔をする様な者も無い、普通のピクニック。
普通という言葉がどれほど重い意味を持つか、それは大きく手を振り。
何時ものふわふわとしたワンピースに何時ものボックスバック。
其処に2つの目のやり場に困る程の膨らみがさらに強調させて見える。
大きく、上下に揺れる様に目はそちらに向きそうになる。
……実際に向いていたのだが、すぐ少女の声に引き寄せられる様に少女の顔に。
鍔の広い帽子に金色の三つ編みは今日も陽の光に負けじと輝いても見えている。

少女に比べれば幾分控えめになって手を振りかえす。
これは少女の純真無垢な心との差、大人の悲しい照れた物が混じってしまった結果。
待たせたか、という言葉にゆっくりと首を振って向ける笑みは、楽しみにしていた日を待っていた子供らしさも混じる笑みだった。

「こんにちは、リーナさん。
そんな事は無いですよ。何より――楽しみな日が来たのです。
待つ事も楽しみの1つでした。何より無事にお互い再会出来たのですし。」

それが一番だと、心を許せる友人に笑顔で返した。
今日の服装は少し軽装にも見えるが、少女は医療に携わる上に魔法にも精通していた。
だから魔法の装備か何かで、寒さは大丈夫なのだろう。
そう結論付けつつ、顔を覗き込まれると必然的に視線が下に。
可愛らしい表情に――そのすぐ下に、人を魅了で殺せるとばかりの強調された胸部が映る。
頬は多少赤らめつつ、寒さの為、とも誤魔化せる範疇だった。

「リーナさんはピクニック……軽く丘陵を歩いたり、自然の林道を歩く事には慣れていますか?」

初心者向け。脱初心者向け。中級者向けのコースがある。
自分は初心者ではないが中級者かと言われると自信はない程度の経験。
相手に合わせてコースを選ぼうと、そっと手を握るのではなく、包み込むようにしながら木の板に描かれた3つのコース図の方へ導こうとしていた。

リーナ > 「はい、こんにちはぁ、アティルさまぁ。
 本日はぁ、お招きいただきぃ、有難う御座いますぅ。」

 楽しみだったという言葉に関しては、リーナの方も同意する様に、それはそれとして、お誘いいただいたという事自体嬉しい事。
 それもあるので、有難う御座います、と、改めてペコリ、とお辞儀を一つ。
 重力に逆らうお胸がプルンと揺れてしまうのは仕方のない事。

 寒さに関しては、アティルの考える通りに、薄い魔法の膜を張り周囲の気温を一定に保っている。
 叔母であり、魔術の師匠である竜胆に言われて、防御魔法の訓練代わりに張って居る。
 だから、軽装でも寒く無い。防御力的な物で言うならば、竜の肉体があるので、問題はない。

「はい、大丈夫ですよぉ。
 診療の往診に色々な所に行きますしぃ、時には戦場や冒険者様のいるダンジョンの近くまでぇ。
 先生と遠征に行くこともありますからぁ。」

 治療する手は、何処も彼処も必要だ。
 だからと言うわけでは無いが、遠くまで行くこともよくある、ピクニックと云うには違うだろうけれど、長距離移動などは経験している。

「ぁ……。」

 掌に触れる感触、体温を奪われていたのだろう、ほんのり冷たい掌。
 包み込むように触れる彼の手に、体温を分ける様に触れ返して、きゅ、と握る。
 そのまま、頬を赤くしながら、アティルの歩調に合わせてついて行く。

「でも……そうですねぇ。
 私はぁ、ピクニック、と言う意味では、したことは有りませんのでぇ。」

 初心者、と言って良いのだろう。
 なので、初心者コースを指さして見せる。あれ、あれ、と言わんばかりに。

アティル > 「こちらこそ。本日はお誘いを受けて頂いて、ありがとうございます。」

少しずつ距離を縮めて行けばいい。
先日少しずつ、硬さを取ろうと口にしたのだ。だからお辞儀には自然に会釈を返しつつ。
それ以上を口にせずにきゅ、と軽く握り返された掌の温かさに心地良さを覚える。

少女の行動範囲はどうやら自分の考え以上に広い様子。
往診に向かう先に戦場やダンジョンと言う単語が出てきた時には少し驚いたような表情になるのも無理はない。
疑うのではない、純粋な驚き。寧ろ自分の方が戦場やダンジョンについての知識は無いと言っても良いのだから。
自分の歩調に合わせる少女の姿勢が崩れない様に、速度はゆっくりと落し、初心者コースを指さす様子に頷き返す。

念の為にピクニックコースに入る前に案内板横の名簿に名前と人数を書いておく。
この辺りは安全とは言え山野を歩く時の決まり事とも言えた。

「驚きました、リーナさんの行動範囲は広いのですね。
ではあちらですね。」

初心者向けのコースは文字通りに起伏はなだらかで、随所に水を汲めるポイントがあったり休憩できる施設なりが用意されている。
既に色付き始めた山の木々が纏う紅葉に黄のアクセント。
茶に変わり枯れる前の最後の優美さを身に纏う。
風も落ち着いているので、自然と色付いた落葉が舞い降り、地を覆う落葉。
傾斜がなだらかなので滑ったり、という事は少ないだろう。
……自分は初心者なので、ちょっとの段差の時には気を付けないと危ういかもしれないが。

「そういえば、ふと思ったのですが。
リーナさんの病院の先生?お医者様は立派な方ですね。
戦場とか、ダンジョンとか。其処に患者がいれば飛んでいく。
リーナさんもそうですが、そういう自分の命を危険に晒してでも人の命を救おうという人は――素直に、尊敬します。」

先日の一件もそうだが、少女が日頃勤めている病院の医師。
少女もそうだが命への意識が高い様に思えていた。
其れに救われたのもそうだが、何より王国ではあまり見ない様な意識が高い――良い意味で人の命を重視できる人の集まりと言うのはそうは見ない。
だから最初に歩きながら、行動範囲の広さに加えて少女『達』の活動に舌を巻きつつ。
賞賛の言葉を送るのだった。

リーナ > 「どうかぁ……しましたぁ?」

 あいさつの後の自分の言葉に驚いたのだろう、彼の表情が、目が真ん丸になっていた。
 初めてだし、何もかもが面白そうだ、とはいっても、初心者なのだから、初心者コースを選んだのは、知らないから。
 知らないという事は怖い事で、最初から中級とかを飛ばす積りは無いのだ。
 自分の叔母であるラファルとかであれば、最初から上級ゴーゴーとかするだろうけれど。
 基本が大事だとリーナは考えているから、こっち、こっち、と一生懸命、小さな手で初心者コースを指さす。

 30センチ身長が違うと、親子並みに身長が違う形になるだろう、娘が、親に強請っているように見えるやもしれない。

「そうですねぇ~。
 診療所の方針で~、医療を求める人は~、自分から来れない可能性もあるのでぇ~。
 そう言う場所への往診もやって居るのですよぉ。
 なのでぇ~冒険者専門の医療機関とぉ勘違いする人もぉ、いる位ですぅ。」

 確かに、一番多く見るのは冒険者であり、ギルドも何か有れば、診療所に依頼をしてくる。
 その為に、彼の言う通りに行動範囲は広くなる。
 先生レベルになれば、タナールの方まで行くとも聞く。
 リーナはまだそこまで任されてはいないけれど。
 質問に返答しながら、アティルに案内されるままに、ちまちまとことこ、歩を進めていく。
 歩いているだけでも、ゆさり、ゆさり、と重そうな乳房は揺れて。
 歩幅が小さい所為か、とことことことこ、と少し急ぎ足になりかける。

「有難う御座いますぅ~。
 先生はぁ、ううん、医療に携わる人はぁ、皆さまぁ、高潔な方と思いますわぁ。
 それにぃ、何をするにも、生きてこそぉ、ですから。
 ダンジョンの怪我は兎も角ぅ、戦争はぁ………無い方がぁ、良いんですけどねぇ~。
 
 あとぉ、これでもぉ~魔術以外にも、護身術はぁ、覚えてますからぁ~」

 自分の診療所の、先生を褒めて貰えて、てへへ、と頬を染めて微笑を零す。
 矢張り、尊敬する人を褒められればいい気分になってしまう物だ。
 
 命の危険の事に関しては、問題は無いのだ。これでも、リーナは人ではないから、腕力もとても強い。
 並の冒険者位には、実力はあるのだ、母親が、ゼナが一流の冒険者だという事もあり、教えは受けているし。
 最初のころ彼を台でベッドを運んだりしている、彼は意識がもうろうとしてただろうけれど。
 医療に関わる者は、命を優先するのは、当然、そう考えている節も、あったりする。