2023/11/13 のログ
エレン・ローズマリー >  
 冷え込んできた外気とは違い、ハイブラの地下は熱気に包まれている
 賭けと血肉 アケローンのような勝利と凌辱の見せ場もよりディープなものすらあるかもしれない。
 天井は高くとも、一種の金網のような空間の中 広い闘技の場は逃げることを許さない。

 アケローン製の映像垂れ流しにできる魔導機械がbgmを広げている。
 周囲の歓声が会話交じりな中、小柄なエレンは席で寛ぐ側ではなく、珍しく武舞台の上。
 体格にはやや大振りな身幅の片手両手剣の両刃
 逞しい両翼は硬く張り、対象の大型亜人と何度も剣と剣をぶつけている。

 剣撃は火花を散らし、打ち合う回数を周囲に知らせる。
 小柄と大柄の拮抗と共に、バット振りにも似た横薙ぎの両手振りが後ずさりにまでいかせる電車道を描いたのなら


   「―――ハッ。」


 小馬鹿にするような笑みとセットで中指を真っ直ぐに突きたて、煽る。


   「図体(サイズ)がでかくても上手さ(テク)が無いんじゃ張り合いがないじゃない。」


 妾腹と言えど貴族側らしからぬ挑発
 ベレー帽をかぶり直しながら、肩で担いだ剣身を撫でて見せ。

   

ご案内:「港湾都市ダイラス ハイブラゼール 地下闘技場」からエレン・ローズマリーさんが去りました。
ご案内:「平民地区 街道沿いのカフェ」にアドラーさんが現れました。
ご案内:「平民地区 街道沿いのカフェ」からアドラーさんが去りました。
ご案内:「平民地区 大通り沿いのカフェ」にアドラーさんが現れました。
アドラー > 平民地区。
王国最大の都市の最大区画となれば人の数は図りしれない。
その地区の大通りに面しているカフェは、まさに市民の憩いの場だろう。

「…」

そんな市民に愛されているカフェのテラス席に座り、コーヒーをすする男がいる。
テラス席でも寒くないのはまだ太陽が頭上にあり気温が下がる前だからか、男が厚着をしているからか。
多少の風が吹いても身体を震えさせることなく、手に持っている地図を睨んでいる。

「…どうしたものか」

地図は王都のもの。
富裕地区、平民地区、貧民地区、王城を網羅した一般人や観光客向けに販売されている一品。
一般販売されているものであるため、貧民地区や王城内の秘匿するべき場所は一部伏せられている。
そのような些事はこの街に住んでいる男にとっては関係ないのだが。

それよりも何かを悩んでいる様子で眉間に皺を寄せながら、小さくつぶやく