2023/09/04 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原)森林地帯」にヴァーゲストさんが現れました。
ヴァーゲスト > メグメール(喜びヶ原)森林地帯

街道より外れた場所にある極普通の森林地帯。
ゴブリンや野生の動物が姿を見せるが比較的安全な場所で、男は一人で焚き火を囲い野営をしている。

何故そうなったかというと、シンプルに言って金がない。
何故金がないかというと、ストレートに言って娼婦に金を持っていかれた……娼館で女を買えば良かったのだが、亜人の美人さんが困った顔で平民地区の路地裏で娼婦まがいをしていたので、声をかけて交渉してじゃあ一晩だけって宿に連れ込んだから『魔法』を喰らった。

これでも一応魔族なので、魔法の耐性には自身があったのだが、相手の方が一枚も二枚も上手だったのか、あっさりと寝落ちて起きたら無一文で、宿から蹴りだされて――こうして野営をしている。

此処なら食い物にも飲み物にも困らない。
先ほども近くの川で魚を何匹か手づかみで捕まえて、今その魚は木の枝に突き刺さったまま焚き火の傍でパチパチと油を爆ぜさせながら、香ばしい匂いと共にこんがり焼けている最中である。

そんな魚を調理中の焚き火の前に丸太を転がして椅子にして、マグカップに並々と注がれている温かなココアに似た何かを啜る、悪くない。

このココアもどきも近くにあった木の実を適当な石の上で叩いて潰して挽いたもので、こんな時ように買っておいた小さ目の銅鍋を使い、魚をつかみ取りしていた川の水を焚き火で沸騰させて、その銅鍋の中で練り溶かした物をである。

――全部無料、無料万歳、でもあの娼婦見つけたら、マジで赦さん。

「……あちっ……。」

眉間に皺を寄せた不機嫌そうな表情で、マグカップの中のココアに似た何かに口をつけたが、冷ますのを忘れ啜った結果熱かった…物凄く……熱かった。

でも香りは良い。
そこらの安いそれよりも格段に良い。
甘さはないが芳醇な香りが良いが、これは何の木の実だろうか、魔族なので腹痛を起こすことはたぶんないと思うが……。

ヴァーゲスト > ――こうして一人の時間は過ぎていく。
これはこれで悪くないのだが、やはり色々な意味を含んだものとして人肌が恋しいものだ。

だがこんな森の中でそれが解消するとは思えず、大きな欠伸を噛み締めると、マグカップを足元に置き、腕を組んだまま眠り始める。

結界を張るとか、テントを設営するとか面倒で。
いつ何か襲ってきてもいいように気を張りながら眠りにおちるのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原)森林地帯」からヴァーゲストさんが去りました。