2023/08/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ >
王都マグメール王城 午後
一階フロア
王城地下から出てきたメイラがそこにはいた。
黒く長い髪を一条に結び、ぐるりと縦に合わせる楕円を描く髪型
黒い親友の作り出した鎧は赤の飛沫を帯び、片手に携えているシェンヤン造りを彷彿とさせる
どこか大陸の拵えを思わせた巨斧が右手には備わっている。
その鋼色の折り返しが段々模様を細かく描く先の白い刃は、赤を感じさせない
が、刃だけ 後頭部の象られた牛鬼の面や身は、未だ赤を残しているまま。
地下から出てきていた王族や兵を含める一時の協力者達にはもはや興味はない
とある小話が終わり、メイラは機嫌良さげなのが周囲からもわかるだろう。
赤い瞳が閉じるくらいに瞼は線を描く糸目の笑み
ギザ歯は三日月を描き、進む足取りは一階フロア
王のやや実物よりも大きく飾られている肖像の前
いつもなら、寂しげで 切なくしている 頭を垂れて胸に灯る意思が絶対に枯れていないものを感じていた。
けれども今では、笑みを浮かべて黙って見上げている。
斧の刃を下げ、ゴトリと床に下げて柄頭に両手を添える姿勢。
地下での幾つもの衝撃音の後だった この戦狂いが何かをしてきたのだと
王城に居る関わらなかった王族貴族 若手が多いだろう視線は祟りを見るかのよう。
「“陛下" そろそろアスピダの展開が動きだすようです。」
語尾に令嬢口調が薄い。
真摯に敬称で敬う口が、穏やかに語り掛ける 頬の血すら拭わぬままに。
「また陛下の為に働けること、嬉しく思います。
外側の染み抜きばかりでしたので、余りお役に経てずでございましたわ。」
困ったような笑みを浮かべ、しかし次には、ギィッと三日月を描く口角が持ち上がる。
柄頭を撫でながら、待ち遠しい子供のような笑み。
粛々と覚悟を決めた騎士の顔ではない 今から戦場で掛けに行く戦餓鬼の恐れ知らずの貌。
それなのに、見上げる目が澄み切っている。
矛盾めいた貌は、魔と人が混ざり合いすぎた結果なのだろうか。