2023/08/07 のログ
ご案内:「神聖都市 地下神殿」に肉檻さんが現れました。
■肉檻 > 神聖都市の地下に在る小さな神殿。
夜も更け始めた時間帯の所為か礼拝者の姿は無く、神殿特有の厳かさと静けさに包まれた空間の奥。
礼拝の折には司祭が立つ教壇の上にまるで祀られるかのように、其れは鎮座して居た。
大人の握り拳程度の大きさをした、透き通る真球の水晶玉。
其れは地下神殿内に幾つも灯された燭台の揺らめく明かりを受けながら神秘的に、或いは蠱惑的に、
見る者を惹き付けるような煌めきを放ちながら、ただ静かにその場に鎮座し続けていた。
■肉檻 > もし、その煌めきに惹き付けられるが侭に水晶玉を間近から覗き込もうとする者が居たならば垣間見えたであろうか。
透明なその先に透けて見える筈の地下神殿の空間は其処には無く、在るのはピンク色の肉壁に四方を囲まれた不気味な空間と、
蠢く肉塊と無数の肉紐によってその中心部に捕らえられた、一人の女の姿だった。
元はこの神聖都市に仕える修道女の一人であったのだろう。
その身に纏っていた修道衣は今や見る影も無く、晒された裸身を蠢く肉塊によって弄ばれては
弱々しくも官能的にその肢体をくねらせる、見る者によっては息を呑む程に背徳的な光景―――
その修道女の身に降りかかったのが単なる不運か、何者かの陰謀かは定かでは無いが、
神餐節と呼ばれる祝祭の為に多くの聖職者や信徒が忙しなく出入りする今の神聖都市で
一人の修道女が姿を消したとて、親しい間柄の者か、捜索を依頼された者でもない限り気に留める者は誰も居ない。
斯くして、凌辱の限りをその身に受け生気を失いつつある獲物に飽き掛けていた"其れ"は
今まさに、新たな獲物が訪れるのを今か今かと心待ちにし続けていた―――
■肉檻 > しかし、夜更けを過ぎた小さな地下神殿に足を運ぶ者はその後も誰一人として現れる事は無い。
新たな獲物が手に入らぬのならば、今手中に有る獲物を手放す事無く啜り続けるまでの事。
静寂に包まれた無人の神殿の奥で物言わずに鎮座し続ける水晶玉の向こう側で、
囚われの身となった哀れな修道女の身に降り掛かる悲劇は、その夜も終わる事無く人知れずに続くのだった―――
ご案内:「神聖都市 地下神殿」から肉檻さんが去りました。