設定自由部屋です。サイトの世界観に合う範囲で、自由に場所などを設定してお遊びいただけます。
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王国外、つまり外国なども舞台にして構いませんが、あくまでこのサイトのメインの舞台は王国内になります。
あくまで外国等の舞台は副ということでお願いします。
参加者(0):ROM(1)
Time:06:11:15 更新
ご案内:「王都マグメール どこかの道」からヴァンさんが去りました。
■ヴァン > ――深夜。
小春日和という言葉は死語となったのか、昼は暖かさより暑さを感じていたのが二週間ほど前。
この短期間で一気に冬めいて冷たい風が吹くようになった。夜は風こそないものの、底冷えするようだ。
路地で眠るとそのまま冷たくなってしまうだろう。
無人の路地を走る銀髪の男がいた。
簡素な服は運動用のものだろうか。顔と手以外の肌を外気に晒さぬそれは、学院生が運動時に使っているものに似ている。
瞬発力よりも持久力を重視した移動。規則的な息遣いは夜の街に意外と響く。
二年ほど前から男は定期的に走り込みをするようになった。
身体が資本の冒険者ほどではないが、図書館の司書は体力――というか、スタミナを必要とする。
さる出来事から体力維持の重要性を認識し、半月に一度ほど深夜にこうやってただ走る。
昼は仕事があるし朝から疲れたくはない。夜は意外と人通りが多いのでこんな時間になる。
それに、深夜は思わぬ拾い物があったりする。犯罪に巻き込まれている者や酔い潰れたり不用心な者。
そんな不幸な者との出会いは、往々にしていい思いができる。さて、今夜の男の進行方向は――。
ご案内:「王都マグメール どこかの道」にヴァンさんが現れました。
ご案内:「野宿キッチン」からタン・フィールさんが去りました。
■タン・フィール > 王都平民地区の一般人もよく通る路地に隣接した空き地に、許可をとってちょこんと設置されているのは、
「花と薬と」の看板が掲げられた移動式薬屋の住居 兼 店舗のテント。
「よぉーし! やるぞぅ!!」
そこの少年店主が、店の前で夕食のために焚き火を組んで、野宿のキャンプを初めていて…
今日のメニューは本日はじめての実験料理。
肉と野菜を、店で余った数種類の薬効のあるスパイスと共に煮込んでみようという挑戦。
鍋にバターを入れて、安く仕入れた鶏肉と玉葱を入れてじっくり炒めていき、薬屋の商品でもあるスパイスを引っ張り出し、
コリアンダー・クミン・ターメリック・シナモン・クローブ・ナツメグ…その他多数。
具材が香ばしくなってきたら牛乳と砂糖・塩とワインを加え、じっくり弱火で煮込んでいく。
出来上がったのはごろごろ野菜とホロホロ鶏肉が映える、食欲そそる香ばしい褐色の汁物。
それをシェンヤン地方の古米を炊き上げたものにかけてみると、茶色と白のコントラストが美しい。
美しくはあるが……王都では貧民層から富裕層まで、あまり見慣れぬ褐色部分のビジュアルはややショッキング。
「ぅ―――おいしい、筈、なんだけど……もぐっ ―――……っおいし!!!!
…おいしい!けど!……ちょっとよくばって、つくりすぎちゃった…かもっ」
初めて味わうその香ばしさと甘さ、塩味、酸味、辛味、ほろ苦さ…すべてが複雑に混じり合い、しかし食べやすい。
場所と時代とが違えば、大衆食としてメガヒットすることとなる料理を偶然生み出してしまった。
……が、考えなしにあれこれ具材をぶち込んでしまったためか、その量は一食で食べ切れるものではなく。
ご案内:「野宿キッチン」にタン・フィールさんが現れました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
■エレイ > やがてカーテンが開き、客が現れれば男はウキウキと迎え入れ──
■エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──っしゃーい! 久々のマッサージじゃーい!」
その中の一室に、声張り上げて意気揚々と足を踏み入れるのは臨時のマッサージ師である作務衣姿の金髪の男。
久々、というのは、ここのところ本業である冒険者としての依頼に時間を取られ、暫くこちらに顔を出せていなかった事を意味する。
「ずーっと小汚い小鬼(ゴブリン)どもの掃除だの、クソでかい魔獣の群れの駆除だの
血腥いことばっかやってたからなあ……久々に女体を扱いたいぜウヘヘヘ」
盛大な独り言を続けながら、ウンザリした顔をしたり、だらしのないスケベそのものの顔をしたりと
コロコロ面相を変えてから、いかんいかんとパンパンと両手で自らの頬を張ってキリッとした表情を取り戻し。
フンス、と気合を入れるように鼻を鳴らしながら施術台の隣のスツールにどっかと腰を下ろす。
──しばらくすると、その表情も緩んで普段通りのへらりとした笑みになっているのだが。
やがて変な鼻歌まで奏で始めながら、腕組み姿でマッサージ客の訪れをゆっくりと待つ。
出入り口のカーテンが開かれ客が現れるか、あるいは魔導機械の通信機を通して客室への出張依頼が来るか。
いずれかの訪れが、今日の男の仕事の開始の合図となるのだろう。
もしかしたら、受付を経ずに紛れ込んで来てしまうような珍客が現れる、なんてこともあるかもしれないが。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
ご案内:「王都の路地」からタン・フィールさんが去りました。
■タン・フィール > 裸ん坊に桃色シャツを一枚羽織っただけという奇抜な出で立ちで、
人の気配のほとんどしない王都の路地を悠々と歩くのは、買い物帰りの薬師の少年。
その丸ごと露出した肢や、見え隠れする丸みのあるお尻、
貌も、長い睫毛に大きな目、と成長期前の幼児体型と容貌は少女のようにも見え、
その目をきゅっと弧を描かせてご機嫌になるのは……
買い物のついでに買い食い用に仕入れた、甘い甘い果実の類を頬張った時。
シェンヤン地方で採れるという、桃の一種の果物の甘酸っぱい香りとふんわり優しい甘み、
一口かじればみずみずしい果汁が、じゅっと咥内に溢れる極上の心地に、
数歩歩いては一口、数歩歩いては一口、と家路までの道のりが愉しくてしょうがないといった様子で……
「…っ うぁっと……っとぉっ……!? あっ いけないっ……っ!」
そんな風に浮かれているものだから、荒れた石畳のいち部が歪んで突き出している、
つまらない突起に容易に足を取られてしまい、数度つんのめってバランスをなんとかとり……
こてんっ 両手を買い物袋で塞がれている割には、上手いこと回転を付けたために
重大な怪我や打ち身は無くて住む転倒となった。
しかし、買い物袋からその際に、いくらかの果物や、薬師の仕事用に買い付けた、
キノコやら乾燥した花や木の根やら、魔物の身体の一部やら…妖しげな品物がいくつか散らばってしまって。
それを慌てて身を起こして拾い始めた。
ご案内:「王都の路地」にタン・フィールさんが現れました。
ご案内:「城塞都市アスピダ 周辺」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
■メイラ・ダンタリオ >
アスピダ
すでに北は雪が降り始めている中で、此処はまだ秋風で体が冷やされるだけ。
鎧の外側は冷たく、鎧の内側はじっとりと汗ばむように熱を帯びる。
タナールに足を運ぶ機会が多かったメイラが、アスピダに復帰した。
道中の街道や定期休憩の場所であるゾスで十分整えているらしい
彼女の周囲は、良くも悪くも、良く見える。
「――――ヴ、ォォオオオオオっっっ!!」
昔のようにエイコーンを相手にせず、傭兵やクシフォス一派に与した者
赤いそれが、頭上を舞う。
あれはもはや一種のペテン。
乗り越えることができない障害を、そうとは見せずに引き込もうとする。
メイラはもう、そんなものを一々相手にしなくなった。
鎖付きの鉄球でからめとるように転倒させることや、片足だけ罠にかけてバランスを崩させたりなどと
やっていることは妨害行為のみ。
目の前の生きた肉 動く生物
亜人 人間 獣人 なんだっていい。
未だ内部に入り込むことができないのであれば
此処一帯がまるで“恐れる山”のように
そう、殺し合いを続けていることでどうにかなってしまいそうなこの場所で
より濃度を高めようとかまわない。
禁断症状が身を侵さない限り、メイラは常にアスピダに渇きを与えたくなるように
自分がどれだけ渇いているか思い知らせてやるかのように
目の前の傭兵らに殺し合いを挑み続けている。 その身に帯びた鉄塊のような巨物を用いて。
「―――エイコーンに比べればお前等など もはや名に摺る者にはなれないでしょう?」
ある意味で鍛えられたといってもいい。
あんなペテンに比べて、鎧事目の前で頭蓋事両断できるような、環境に優しいものなど。
魔族と渡り合おうと配合された危険物でも、エイコーンは辛すぎる。
何もできない者
名にもできない者
それらを狩ろうと斬り飛ばし、鈍らになっている剣の付け根へ近づくほど
山間部である周囲にはじけ飛んでいく、拉げ者ら