2025/05/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区にあるガールズバー」にれあさんが現れました。
れあ > そこは貧民地区にある特殊なガールズバー。
お店の外観はただの酒場で、看板も酒瓶を模した質素なもの。
ただし、窓には遮光用の黒布が垂れている。

店内の照明は抑えられていて、入り口直ぐから薄暗い。
入店者には手の空いている女性キャストが声をかけてテーブルへと案内するが、店内の女性キャストは全裸にバタフライマスクを身に着けただけの姿だった。
ノーマナー行為への抑止力として、店内には2名のフォーマルな身なりをしている男性キャストが支配人・用心棒として存在しているほか、入り口直ぐの壁には「とある貴族の紋章」が描かれている。

素性を隠した(?)裸の女が接客するが、基本的には「楽しくお話をする場」としてのサービスが基本となる。
そんなので商売になるわけもなかろう、という多数の意見を押し切って、とある若貴族が「これはまったく新しいサービス形態で、今後流行る!」と息巻いたことから、ここ一月以内に開店していた。

女冒険者は故あって、こんな所でオープニングキャストとして働くことになっていたのです。

やってきた男性客の(時々女性も来るが、ただの酒場だと思っていたので帰っていくのが常)前に立ち、バタフライマスク越しの笑顔で接客する。

「ようこそいらっしゃいました。当店のシステムをご紹介しますね。こちらは、お客様と女性キャストの1対1で、お酒とお食事と会話を楽しんでいただく場所となっております」

逃がさないとばかりに腕を組み、まずはお席にご案内。
そしてお店のシステム説明を畳みかける。もうずっとこんな事してるので流石になれた感じになっていた。

れあ > 若貴族はこの酒場一号店の出店に必勝を期すため、自らが選りすぐった5人の美女を用意していた!
その美女達はサービスインから早くも固定客を複数つけて、言葉巧みに高価なお酒を注文させている。

中には絶対禁止とされている「素顔を見せる」行為を「アナタだけに特別」とか言いながら行って、指名をガンガンと攫っているようだ。
このお店、指名が取れない女キャストは只働きも同然でコキつかわれることになる。

で。私はその選りすぐりの美女──ではなくて、冒険者ギルド経由で「若い女冒険者募集」とかいう雑な集められ方をして、面接の結果でとりあえず頭数に入れられた、労働力のための女性キャストでしかなかった。

「ご注文いただいたドリンクを、こちらのテーブルに運んでくるキャストがお客様の相手をいたします。ですがお客様には、あらかじめ店内にいる女性キャストを指名していただくことも可能です。その時は、定められた指名料をお支払いいただくことになっております。よろしくおねがいいたします」

ああ、こんな説明もスラスラ言えるようになってしまった。

「私共はこんな格好をしておりますが、お店が提供しているのは「飲食と会話」でございます。軽く身体に触れるだけなら問題ございませんが、それ以上の行為は別途料金がかかりますので、ご了承おきくださいませ」

「え、お金とるの?」とか言ってる客に、笑顔を向けて頷く。
取るにきまってるでしょーが!それが私たちの稼ぎになるんだから!

「それでは、最初のドリンクの注文を承ります。気に入った女性キャストの指名がありましたら、併せてお伝えくださいませ」

っていうやり取りの後、客のほとんどは助平顔で店内を見渡し、美女の中の一人を指さして「あの人がいいな(エヘェヘ」って返事をする。

という訳で、客を案内して、その注文を厨房に伝え、指名を受けたキャストに「あのテーブルです」と伝えて、ホールの雑用にもどる。
私の屍の上に、美女たちは夢見がちな客を手玉に取り、お店は繁盛していた。
一言でいってやってられん。