2025/04/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 目貫通り」にメイラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 目貫通り」にトリステラさんが現れました。
■メイラ > 王都マグメール 富裕地区 大通り
平民地区の市場に並ぶ商人とは違い、ここは店々が並び馬車が行きかう場所。
たまに歩く散歩気分の紳士や、連れ立つ淑女は思い々の時間を共有しているのだろうか。
治安も良く、衛兵が時折巡回しているのが見える。
要所要所で立ち止まる者の中には、店から心付けをすることで犯罪が起きないよう
多めに巡回か、その場にとどまる時間を増やす者もいそうだ。
「こうして共に出歩くのも、久しぶりな気分ですわね。」
普段誰かといることはあっても、今隣で腕を軽く絡ませて連れ立って歩く夫人とはどれくらい前だったか。
メイラはいつもの黒基調の洋服 短パンとロングスリット姿に、女執事に選ばせたワインレッドのネクタイを締めている。
四肢の先端にはいつもと同じく黒鉄装甲を帯びているものの、腰は珍しく身幅のあるショートソードが一つ、鞘に収まるだけ。
外出を重視しているせいか、普段よりもどこか大人しめに見える姿で雨続きだった後に晴れた空。
夏前の主張してこない日の光を浴びながら、気まぐれか元からか
珍しく見せる物欲を切っ掛けに出かけた連れ立って歩く姿は、それ自体もまた珍しく映るか。
香水を扱う店を前にすると、店内へと入室しながら鳴るドア・ベルの囁き。
店内は清潔さと、複数の淡い香りが混じりあっている。
■トリステラ > 暑い時、寒い時、晴れの時、荒天の時。
いずれにしても人気がなくなることはない大通り。
平民地区との色どりとはまた違うものの、様々な店が立ち並び、晴天ともなれば活気に溢れているのは治安が一定範囲維持されている証なのだろう。
当然表も様々であれば、裏の深さも多種多様な国である。
だからこそ裏の色が少ない大通り、特に表立った面に位置する場所は賑わいも一塩であり。
行きかう人々の様々さもまた多様であった。
「確かに…こんな日中に大通りに来るのは、久々だな」
礼装であり、戦いへの準備を常に終えていることを示す装備を携えた彼女に比べれば、並んで歩く姿は当たらさわりない一般人にも見えるだろうか。
時折吹き抜ける風に、髪の毛を、そしてスカートの裾を揺らめかせながら、周りの様子を警戒することもない。
ゆったりと歩調を合わせ、組んだ腕をしっかりと合わせながら進む姿は、この場所が一番安全だとでもいうかのようにも見えるかもしれない。
「それにしても…唐突に香水だなんて…旦那様にしては珍しい」
知識だけはある本の虫。
日陰の中に日々身をやつしながらも、しわなどもなく、ととのっている身の回りは彼女との買い物に対しての意気込みか。
知識は本であれども、其処まで普段化粧などの類に力を入れるタイプでなければ、彼女の誘い。
そして向かう先にはちょっとした新鮮さもあったのだろう。
見慣れぬ店内。
そして鼻をくすぐる独特な香りが混ざり合い。
さらに複雑な香りを織りなしている場に、目を細めるが、決して嫌な香りではない。
それだけでも質のいい香水たちが多数今か今かと選ばれるのを待っているのだろう。
店内を見回しながらも、一息つけば女は彼女へと視線を戻し。
一緒にあたりの様子を伺うことにしたようだ。
■メイラ >
珍しいと言われればそうだろう。
本領がタナールやアスピダなら尚の事
香水で悟られるような真似はしたくはないらしく
火の中 枯れ葉の渦 巨木の裏
潜んで 喰らいつき 突き立てる前に知らされてはたまらない。
故に欲しがったのは恋しくなったものがあるせいか。
といっても、と言うように化粧知らずでもない二人ながら、確かに場所でいえばつけることをほぼしないかと
隣の相手を見て納得している。
「わたくしの場合、髪を整えるものや浴槽に落とす香油を除けば、そうですわね。
―――偶に参加する社交程度でしょう。
それに、貴女にわたくしの好きなものを身に着けさせるというのも、悪くはなくってよ。」
片目を閉じた笑み
香りは恋しくなった でも、おそろいの香水が欲しくなった。
それが切っ掛けで始まった小さなデートだ。
日よけの帽子や傘を身に着けず、陽気な程よい暖気に包まれた外気
一度店内に入れば、勝手はあまりわからないという片割れ。
淑女の嗜み程度に目移りする者でもあるかと思えば、そちらにそろえてもよかったものの
意思は完全にこちらに合わせるらしいと読み取り、店内を軽く見まわしてからカウンターへいこうか。
「ごきげんよう 金木犀を纏いたいのだけれど、程良いものはありまして?」
葬儀でもないのに黒一色の身なりと赤い瞳、白く伸びたギザ歯
普段の血税を使うようなお高く留まった貴族とは違い、圧をかけることもなくほしいものを求めてきた
それだけしか主張しない貴族へ、店主は金木犀から精製した香水の内いくつかを提示する。
小瓶に詰められた中から、香りを確かめるように表面に纏うギヤマンの棒
ガラス板の上に一雫にもいかない触れた表面をいくつか提示し、目の前で揺らして香りを確かめる。
「外の仮 あの程度が一番好ましいの出れど。」
そうすると、幾分か近しいものらが。
■トリステラ > 希少な書物に香りを移さぬため、そして何よりも人の踏み入らぬ場所。
保管庫であり、補完するための設備はそろってはいるとはいえ、基本的に薄暗いのが資料などの保管室である。
彼女とはまた違う理由で香水というものを使うことに縁がなければ、実際に新鮮なものであることは間違いないだろう。
「私は社交会自体もあまりないな。
ヒトよりも紙を相手にしてる事の方が多いからだが…確かにそういうことなら」
着飾られるように並んでいる品々は、これでもまだ一部なのだろう。
形も様々であれば、色も様々にならぶ容器たちはそこだけ見ればガラス細工の店にも錯覚できる。
時折差し込む日差しによって、光を揺らめかせる様子を見れば、混ざり合う香りと相まって、少々幻想的な空間とも店内はなり得るかもしれない。
並ぶ品々の奥、カウンターの先にしまわれたもの達は、ものによってはちょっとした宝石のような価値さえ宿していそうなものであれば、そこは富裕地区。
事香水においても、種類の深さは簡単に底は見えぬものであるのだろう。
「金木犀…」
こういう場所での彼女頼もしさは、戦とはまた違う頼もしさであった。
戦場と書庫、どちらにしても色香とはあまり近くない場所で職務をこなすことも多い。
ともすれば、人目のある店で、年頃の女性のような様を見せる二人は知るものからすれば珍しく穏やかなひと時にも見えるかもしれない。
彼女と店員のやり取りを、傍らで静かに眺めれば、零れる注文は名前を聞けば、香りも思い出せる。
そんな特徴的な香りを持つ花のもの。
秋の気配と香りを強める夜の時間を思い出させるその花の名前は、香水に疎い女であっても、それなりに身近な花の香りでもあったようだ。
「同じ香水といっても…やはり差はあるのだな…」
犬など程はきかない。
けれども、彼女と同じく人ならざる鼻は夜目と同じく細かく香りを感じ取る。
見本として出されたわずかな雫であっても、ふわりと鼻をくすぐり。
店内の混ざる香りの中でも、存在を際立たせるものであれば、横から少し顔を出し。
そして鼻を利かせて、彼女の選定にゆだねつつも、ポツリと零していく。
本の知識だけではなく、知識を五感で触れて時間する。
こうして知識がより補完されていく感覚は女にとって楽しいようであり。
彼女との買い物、そしておそろいのものを選び合わせていく。
という時間も、好ましいものであれば静かに零れる笑みもまた柔らかなものであった。
■メイラ >
香水 金木犀。
秋と冬の間を示すような、冷え込みが増すと外で香る他にない甘い香り。
抵抗感のないするりと入ってくるような甘い香りの中で、二人で決めたおそろいの香水。
もし鼻先に香る濃さがキツいなら、それはそれで薄める為に、ブレンドさせてみても面白い。
「これなら貴女も身に着けられるでしょう?」
あまり濃いものは、と話の途中で出た意見。
こちらも同様ながら、あの秋冬の甘い香りが恋しくて始めている分薄すぎないように求めて
そしてそろった二つの香水瓶。
両手を素の状態に変えると、落とした一滴を手首の内側
重ねてこすり合わせるようにして香りを纏うメイラ。
項にもほんの少し 長い黒髪の内側で纏う香りは、体が発する熱が高いほど香りを発していくだろうか。
黒で包む襟の内側もきっと移るはず。
「ステラ ―――ん。」
目の前の調香師にかまわず、つけてあげるからと手首の内側へ一滴。
顎のラインとうなじに気持ちだけつける。
隣り合うときや抱きしめるときなど、直に鼻も慣れてしまうだろう甘い香り。
再びグローブと装甲をはめなおすまで手際のよいこと。
鋭い指先のはめ込む黒鉄を人差し指から小指まで流し。
「ありがとう、御店主 連れも堪能した様子で、わたくしも満足ですわ。」
代金を支払い、香水瓶自体は家に届けさせる。
今欲する分は、身に纏っているこの分だけでいいだろう。
外へ出るころには、甘い香りも少し慣れていたものの、一度外気がフッと互いの纏うそれを流すと
また発する香りから甘い香りを鼻先に感じることができるだろうか。
「一番に固執している貴女と共有すると、それなりに得るものがあったと思うのだけれど?」
マーキングしあったような互いの香水。
誰は誰のものなのか メイラのような自由度が高い身持ちだとステラも独占欲がまた沸いて満足気か。
■トリステラ > 薄い、濃い、それだけではない。
僅かな隠し味のように色々と技を入れる、調香師の技術。
これもまた職人故の技があるものであれば、その種類を実際にその鼻で感じるだけではない。
その目でその様子を見るのもまた、楽しいものともなるのかもしれない。
書物に刺し障りないもの。
その絶妙さは確かに調節を行えるのだろう。
「このくらいなら…そうだな…」
しずかな時間に文字通り花を添える。
書物に移らないくらいの、それでいてふわりと確かに存在を主張させ。
心地よく空間を華やかにする香り。
ちょっとした室内で炊くアロマのような趣きすら感じさせるそれは、確かに質の良さを実感させるものであった。
「ああ、ありがとう…」
流石に漬け方は知っているのだろう。
けれども、差し出す手。
そして寄せる身に合わせて、ほのかに纏うような香りを彼女の手ずから纏わせていくのは、自らつけるのとは違うまた心地よいひと時か。
先に香りを纏った彼女と重なる様に、纏わされていく香りは確かなもの。
二人で触れあっていればそれは香水としてしっかりと存在を主張するが、少しすれば鼻になれる濃さ。
一人でいればふとした時に、その香りを思い出させる。
そんな塩梅であれば、控えめでありながらもちゃんとそこにある。
確かなものであった。
「確かに…だけれど、それはお互いにじゃないか?
旦那様…」
届くのもまた楽しみの時間だろう。
軽く纏う香りは、近くを通り過ぎる人の花を軽く擽り。
僅かに秋を思わせる。
そんな繊細な塩梅であれば、風が揺れる外を歩いているだけでも、風の流れ一つでその香りを何度も慣れても、ふとした時にまた味わえる。
そんな香りとなって落ち着くことになった様だ。
もっとも、二人でいればその香りは確かなものとなり。
香りに敏感なものであれば、その意味合いを深く考えさせることにもなるだろう。
零される言葉に一つ、店主へと挨拶を重ね。
店を出て歩くままに笑みを携えた女は、そんな言葉を静かに零しつつ。
上機嫌な様子で彼女を歩を進めていくのであった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 目貫通り」からメイラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 目貫通り」からトリステラさんが去りました。