2024/11/18 のログ
ご案内:「城塞都市アスピダ 周辺」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 メイラは諦めと憤りが混ざり合った形を内包していた。
 それは原動力としては矛盾めいていて、しかし確実に心をかき乱す。
 数えきれない戦場で叩きあげた両腕が乱れることはない。

 心を燃やすだけで十分なら、忠義に添える程度でいい。
 こんな些末な憤りなど、と。
 そう、もう3度は過ぎたと思える冬を迎え始める兆し アスピダ戦線
 雨が降る度に空気が冷たくなる。
 この季節を白く染めさせるように、燃え上がる肺から吐かれる息は白くなっていく。
 黒い全身を包む姿 異形の女兜の奥では赤い瞳がギラついていて、握る剣柄。
 先で広がる鉄塊のような特大剣にも見落としない獲物を手に、会敵するたびに起こる戦闘。

 エイコーンはほぼ真面目に相手にする気がない。
 ペテンめいた障害物は、老人の群れに真面目に接した青年よりも酷く疲れる。
 それよりも、確実にアスピダ内の生体反応を削るとする。
 クシフォス以外全部出てきたらいい、と 引き籠りと結界と未だ許可が得られない内部戦争。
 その中を空っぽにしてやればいいと

 まるで女を目の前にした囚人
 美女を裏路地へ連れ込んだ賊
 寝床で傲慢に組み伏せた女を殴ることで発散する貴族

 のように、アスピダから出てくる全てに執拗なものを見せていた。


   「―――■■アァ゛ッァ゛ッ■ァ゛ァ■アア゛っっ!!」


 乱杭歯が外側へ反り返った両顎の兜。
 それが全開で狂吠しているかのような声で、メイラと狂気伝染が過ぎる一つの塊が蹂躙している。
 大剣丈が振るわれながら、胴体が泣き別れに赤と肉筒をまろび出させて、頭上で回り落ちるのももう日常的だ。

 それが左右から 一振り 一振り と間合いがつながる限り続く。
 背中を向ければ間合いの外にいた同輩らが串刺しにしてくる。
 叩き割られるか、追われ貫かれるか。
 ダンタリオの周囲はいつも“真面目”だ。
 

ご案内:「城塞都市アスピダ 周辺」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。