2024/11/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 クラブ」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 ―――王都マグメール 富裕地区 クラブ

 クラブと言う名は品の無い高級酒場というわけではない
 貴族や商人など、一定の層で入れる者らが顔を知らせ顔を増やし、将来的にも有効な活動ができる場所の一つ。

 そしてもう一つは、海賊がよだれを垂らしそうなブランデーやラムと葉巻を片手に、堅苦しい口うるさい者らから外れて
 一時の間だけ自分だけの息を入れる場所でもある。

 このくつろぎの場所で無駄に喧嘩も争いも、互いの格を落とすだけのせいか、至って静かで、和気藹々としたもの。
 メイラのような、見た目こそ常若のまま年を重ねている身でも何度も此処に入り込んでいる。
 住まいで従者の拵えた肉を存分に食べ、注いでくれた酒を飲み、整った寝床で体を休める生活を堪能しているからこそ
 こういった場所でも体を緩めているのか。
 戦場 物資 帰還 クシフォス・ガウルス
 メイラのやることが決まっているだけに、悩みは少なく、そして深い。

 足置きを含めて浸かれるゆったりとした一人用ソファ
 両足を伸ばし、組んで乗せ、ベストは脱がれ袖は七分までめくりあげられている。
 ワインレッドのネクタイは緩められ、傍には食べ掛けのサラミと刻んだ腸詰がたっぷりと乗った窯焼き生地。

 両の手は長い黒髪を纏うようにして後頭部で組まれ、すぅすぅ とした息は寝息か、吐息かはわからない
 なにせその赤い瞳と食いちぎりそうな白く磨かれたギザ歯はふんわりと織られた布一枚を顔にかけて
 大いにくつろいでいる最中なせいだろう。

 虎の昼寝 鰐の日光浴
 たとえ方はいろいろある物の、今のメイラは比較的安全だろう。
 何事もさえなければ。
 
 

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 クラブ」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

「──さーて、今日もブブイーンと張り切ってやりますか、ねぇッ……と」

その中の一室に腕をグリングリンと回しながらやってきたのは作務衣姿の金髪の男。
知り合いからの依頼という形で臨時のマッサージ師としてやってきている冒険者、という立場は今も変わらないのだが、
もうすっかりここの一員として馴染んでしまっていた。
そんな自分に時折疑問を持たないでもないが、男自身としてもなんやかんやこの仕事は
気に入っているのでまあいいか、とあまり深く考えないことにしたのだった。

「今日はどんなお客が来るかねぇ……」

ともかく、男は施術台の傍のスツールに腰掛け、腕組みしながら客待ちを始める。
出入り口のカーテンが開かれ客が現れるか、あるいは魔導機械の通信機を通して客室への
出張依頼が来るか。
いずれかの訪れが、今日の男の仕事の開始の合図となるのだろう。
もしかしたら、受付を経ずに紛れ込んで来てしまうような珍客が現れる、なんてこともあるかもしれないが。