2024/08/03 のログ
■影時 > 「あぁ、イイね。そういうものの考え方は悪くない。高得点だ……というと、少しは教師らしいかねぇ俺も。
酒はまだ早い、でもないか。外聞を気にして家で呑む位なら、少しは許してくれるんじゃねえかなあ」
そう、人間も人間に混じった竜も自然から遠ざかった、離れている生き物ではない。
文明を気取っても、離れられないものにどれだけ重みを置くか、敬意を持つかどうか、という話になる。
少女のものの考え方であれば、口酸っぱくなるような心配は要らないだろう。
引き篭もり癖については手順と場数を踏みつつ、少しずつ改善すべきでも、偶に外界に触れることはいい刺激となる筈。
さて。愉しむと言えば、己にとっては酒であり性の交わりである。
酒は生きる愉しみの一環とも云えるけれど、過ぎてしまうとどうなってしまうのか。単純だ。無くなってしまう。
お気に入りの酒の樽や瓶を倉庫に蓄えることは出来ても、特に希少なもの、思い入れのあるものは惜しむように呑みたい。
それが自分にとっての弁える一例だ。嗜み方とも云える。其れを少女が目の当たりにできるかは、いずれ何時かの話か。
「――おっと、すまん。ちとその辺り、言葉を選ぶべきだったか。
男の昔話ほど、語るとこそばゆいモンはないが……今は確かにそうだ。独りじゃあないわな。
って、こら。襟巻の中でもそもそすンじゃねえ。
兎も角、ともかく、だ。頼りにしてるぞ。その得物は、フィリ。もうお前さんじゃないと使えない代物だ」
おおっと、零しつつ小さく肩を上下させ、覆面代わりの襟巻きの中で笑う。
独りまたは一人。コトバとはつくづく難しいものだ。特に分身使いとなれば、ヒトリとは色々と意味合いを持ってしまう。
昔語りは好みではない。語る程華々しくもなく、出奔の経緯に至っては身勝手の極みとも云える。
とはいえ、辿り着いた先では独りではない。孤独ではない。様々な関係性、縁がある。
自分たちもいるぞ、と襟巻の中でもそもそもぞもぞする生き物が何か、というのも考えるまでもない。これも縁と云わずして何と言うのか。
――そんな縁、繋がりが続いて、現在に至る。
さて、今向かい合う敵が自分独りで掃討できない、とは言わない。だが、要素がこうも揃えば確実だ。確殺して恐らく余りある。
力の受け皿を器に例えるなら、常人よりも竜の方が明らかに大きい。皿よりも深皿、深皿より碗、鍋のように。
そんな器を穿ち、あるいは叩き砕く道具がここにある。ふたつも揃っている意味合いは非常に大きい。
土地から吸い上げる力の供給経路を乱し、さらに魔力喰らいの戦槌が驚異を振るい、致死の一撃が――今、ここに。
「…………最早、言葉は要るまい。もう眠れ。死者は目覚めぬもんだ」
歪な竜の陰、懐に這入り込み、背を向けた姿勢で赤き屠龍の太刀を差し込む姿が零し、嘯く。
心眼を凝らし、氣の経路を見切って急所を見抜く――までもない。なまじ肉体の活性が失われ、歪なお陰で急所は明々白々。
竜を屠る刃は下手な武具を弾き、防ぐ竜の鱗皮を容易く貫き通し、活動を止める。屍人を完全に死者と化す。
屍は朽ち果てる筈のものを朽ち果てぬままにせき止めたものが止まることで、本来の経年を思い出す。
塵は塵に。土は土に。ただ静かに、竜の形を象ったものが止まり、崩れて塵と化す。
ひょう、と風が吹いて散らし、外へと導いていくのは――猛き風と呼ばれた竜が贈る手向け、であっただろうか。
■NPC > 『…………そう、我れのものでは、ない。嗚呼、我れは……』
長く生きた、否、生き足掻こうとして、理を歪めた。そのつけがきた。故に致命の刃が此処に至る。
刃と槌の仕手たちにその認識はあろうともなかろうとも、因果は巡るのだ。
完全に屍と化しゆく神官の成れの果て、その脳裏に遠く響く咆哮は――幻聴か。それとも。
『――……嗚呼、風が、吹く。猛々しくも、心地よい、風だ……』
だが、そう思わせるように。風が吹いて、洞穴を洗って、天頂から吹き抜けてゆく。
塵として崩れた骸も、そこにあった筈の巨大な骨格も持っていったように消えて、失せて、残るのは先ず二つ。
ばさり、と。放り棄てられたように転がる魔本と。塵に少し汚れながら、赤い奇麗な光を湛える小さな珠だ。
そして、洞窟の奥に積まれながらも雑多に放置されたがらくたとも宝とも言えぬものたち。
■フィリ > 【継続いたします】
ご案内:「山窟寺院跡」からフィリさんが去りました。
ご案内:「山窟寺院跡」から影時さんが去りました。
ご案内:「不思議な空間」にアンノウンさんが現れました。
■アンノウン >
そこは不思議な空間。まるで牢屋のような空間。ベッドしかない不思議な部屋。
入り込む者は泣き声に誘われたか、何らかの興味本位か。
学校にいたか、王城にいたか。どこかのダンジョンか街を歩いていただけかもしれない。
そこにいるのは1人の存在。薄暗い暗闇の中ではそこにいるのが男か女かすら定かではない。
ただそれは膝を抱えたままとても寂しそうな声ですすり泣いていた。
牢屋の扉は堅く閉じている。だがこれ見よがしに牢屋の外には鍵がぶら下がっている。これで開けろとばかりに。
ご案内:「不思議な空間」からアンノウンさんが去りました。