2024/03/20 のログ
ご案内:「鎧都市グレイゼル」にラストさんが現れました。
ラスト > (―――――玉座へと座るのは、暫くぶりか
戦と闘争に明け暮れるばかりだった己が、其れでも
こうして真似事ながら領主としての役目を果たす為、この椅子へ戻る様になったのは
総べる者としての意味を、意義を、僅かながらも携えたからだろう

首を垂れる配下達を一瞥し、片腕を掲げる。
応じて、首を上げる者達の前で、手にしていた一振りの剣を、掲げて見せ。)

「―――隣国の無法者には過ぎた物だ。
仕置きついでに得て来た。 従軍した第一隊で、最も戦果を挙げた者への褒美としろ。」

(――業物だ、だが、己には不要な代物。
行軍の中で、より功績を挙げた者こそが受け取るに相応しいと
地位よりも実力主義の評価を下しながら、右傍の配下に其れを渡した。)

「―――――俺が居ない間の、領内の事を報告しろ。」

(――早々に問うのは、領内当地の状況について。
其れ以外にも、報告すべき内容が多く溜って居るのは目に見えている
己が不在でも領内当地に支障が無いとはいえ、あくまで領主は己だ
過程も結果も、放任では主とは言えぬ。 ――例え、戦の王だとても。

幸いながら、グレイゼルの治安は比較的良好な方だ、と言える
かつて、己が制圧する前の都市内も、良く統治された軍事都市で在った
其の流れを壊さぬ様に引き継ぎ、民草の生活を安定させるよう図ったのは
タナールに近いこの都市が、大局的に、大きな役割を果たす防衛線だからだ。)

「……治水施設の修繕は、優先して進めろ。
下水に住み着いた魔物の排除に、人員を増やせ。 今は城壁整備も落ち着いた、其方から割ける筈だ。」

(――言葉に耳を傾け、政を為す
暴力の化身では無く、支配者の一として、為さねばならぬ事)。

ラスト > (此れ迄のグレイゼルにおいて、最も重要だったのは
戦争によって損壊して居た都市外縁部の修復で在った
必要な資材は支配圏を広げる事で確保して行き
それでも足りぬ分は、戦いではなく政治による解決を望んだ領地から
武力による庇護と引き換えに、定量を仕入れる形で
漸く、凡そ、かつて己が蹂躙する前の姿を取り戻したと言える

なれば統治は次の段階、国力の強化へと進む
軍事的な意味合いの強い都市であっても、戦力強化に必要な土台は民の生活だ
無為な搾取など下策の下策であると、己は身をもって知って居る
――故に、居住環境の悪化は、何よりも避けるべき事
だが、水環境が悪化して行くのは、単に魔物を排除すれば良い問題でも無い
多岐に渡る原因の一つ一つを、確かめ、排除せねば。)

「――――……そういえば、ネヴェドは如何した?」

(ふと、其れ迄周囲に姿を見せなかった名を出す。
常に傍に居る事を命じた訳でも無く、自らの判断や意思で行動する事を良しとして居るが故に
この場に不在でも不思議は無いのだが。 ――側近の一人から、視察に向かったと言う話を聞けば
その土地の名を耳にしたことで、僅かに眉を跳ね上げる。)

「……ナグアルか。 ……着眼は悪くない場所だ、が…。」

(――ナグアル。 欲望の街と呼ばれる大都市。
ただ大都市と言うだけならば他にも存在する
だが、特徴的なのは、都市の共同支配に複数の魔族が関わって居ると言う事だ。
都市としては繫栄し、其の名は己でも知る所、だが

――支配者たる其の魔族達が、何よりもアクの強い者ばかりとも聞く
その魔族いずれかとでも、友好や同盟等、何らかの形で繋がりが出来れば有益なのは間違いあるまい
だが、其れは其れとて、単独で向かったのは。)

「―――――……信頼して居ない、と言う訳では無いがな…。」

(――あの女は、有能だ。 こと、政治や交渉については、寧ろ己よりも。
だが、其れは其れとして、魔族と言うのは時に道理の通じぬ相手でも在る

少しばかり、考え込む様に間が空いた後。 ――軽く、息を吐いて。)

「―――……もし、余りに戻らん様なら、其の時だ。
……タナールに喚ばれる事も暫くは無いだろう。
ナグアルの状況は、俺も倣うべき所は在るからな。」

(場合によっては、己が足を運ぶのも一興か。
無論――向こうに、歓迎されるとは限らない訳だが)。

ラスト > 「其の時は、勢揃いでの出迎えを期待したい物だがな。」

(――迎えに行くだけで済むならそれで構わないが
其れ以上、を相手が求めて来るとしたら、其の時は
相応の姿勢を示せば良いだけの事

とは言え、基本的には一任する方針に変わりはない
無事に戻ってくれば、其れに越した事は無いのだ
他にもすべき事は在る、政は、己だけでは回らぬ物
そういう意味では、今この場に集まって居る配下達は
其々、幸いにも優秀な者が集まって居る、と言う事かも知れぬ。)

「――暫くは動かん。 何かあれば、直ぐに知らせろ。」

(暫しは――この城に留まる。
次の闘争が訪れる其の時までは、今暫しは王としての振る舞いを為そう
再び奪い、新たな支配をする為に)。

ご案内:「鎧都市グレイゼル」からラストさんが去りました。