2024/02/21 のログ
■ムメイ > 「そこはまぁ、アレだよ。
自分の為したい様に為せ、って奴だ。
それも含めてお前さんだと、俺は思ってるからな」
(あくまで自分の意見と言うだけだし、そこまで感じるのは少数派かもしれない。
寧ろ、ある程度彼女に対して知らなければそうは思わないはずだ。
相手に対する知識の差、と言う形である)
「いんや、元々聞きてぇっつったのは俺の方だぜ?
それにまぁ、なんだかんだ俺も死んだのには関わる事も多い身なんでな。
だから、俺としても知っておきたいんだよ」
(そう言って返す、彼女に向き合う事を自分は選んだ。
それには救って貰ったのもあるが、もう一つ
単純に知りたくなったのだ、彼女を構成する要素を。
同じ「人で無し」と言うのもあるが、もっと純粋なもの。
興味であり、好意だ。
そうして、紡がれる言葉。
彼女が何故そうなったのか、結末に至る最初の一つ。
――だから、ああ。 と声を出して見せて。)
「俺も元は人間だが、結局んとこは足の引っ張り合いだよ。
蹴落とされる隙を見せたら落ちていく。
偶に貴族さんの護衛なんかもやっちゃいるが、昔から変わらん。
ああ、それこそ俺らよりよっぽどあの辺りは伏魔殿だわ」
(記憶がもう大分薄いが、これでも元人間だ。
大分古い時代だが、その時代からそういった事は起きていた。
そういった部分は、きっとどの時代でも変わらない。
やり方は変わっても、根っこの部分が変わらないのだ。
欲の儘に求め、何かを生贄に捧げる。
そんなやり方だ。)
「――ただ、それこそ最後の最後に運が良かったのかもな。
お前さんに逢えて、こうして残ってるんだから」
(数少ない良かった事として、彼女に対してそれを言った。
正直、彼女の性質は善性に見える。
人のルールから若干はみ出る事もあるかも知れないが、それでもだ。
そんな事を思いながら、ゆっくりとケーキを食べて紅茶を飲む。)
■ノーマ >
「あはは。うち自身……というか、うちの中身がどううまれたかは知らないけどさ。
半分は反抗でできたもんだから、うちらしい……っていうのは、どうなんだろうね。
まあでも、そう思われてるなら、そうなんだろうな。」
自分のことは自分ではわからない。
外から他人としてみてもらって、それでそれが自分らしい、というのならそういうものなのであろう。
「ああ、そういえばそういう系統だったもんねえムメイってば。
死者と対話、とかもできるの?」
そういえば、こいつ骸骨だったなあ、と改めて思う。
関わることも多い、となれば死んだ者同士、語り合ったりするのだろうか。
幽霊、とかそういう存在は知っているが、なにしろ食いではなさそうなのでまともに関わったことはない。
そっち方面は全く疎いのだ。
「やっぱそうだよねえ。おおこわ、ニンゲンこわ……
といいつつ、うちも姫さんの経験と記憶とがあるから知ってるだけで、
ムメイと違って実態なんかこれっぽっちもわかんないんだけどね。
でまあ、当の姫さんもさ。体の弱い引きこもりで。本だけがお友達。
読むのはもっぱら物語で、恋愛小説なんか大好きでさ。
いつか、白馬の王子様がきてくれたらな、なんて思うような子でさ。
そういう世界はさっぱり、なわけ」
そこまで話して、チーズケーキと紅茶を口にする。
これも供養、だろうか。
「それがまあ、ほら。前にうちが言った通り。
散々玩具にされて、壊されて。最期はうちの餌ってね。
……まあ、そりゃ?そのせいで形として残っちゃいるけどさ。
これって、運がいいのかねえ? 最期まで道具にされちゃったって気がしてならないよ。」
今の自分の根底にあるもの。
今の自分を作り上げたもの。
それは、憐憫、なのか。それともまた別の感情なのか。
「……あんま面白くない話になっちゃったかねえ?」
ケーキが不味くなるかな?と肩をすくめた。
■ムメイ > 「……んー、そこは考え方にもよる、んじゃねえかな。
ほら、俺が知り合ったお前さんは今のお前さんだろ?
で、お前さん自身でも今の自分がこうだ、ってのは判ってるだろうし。
それがどんな要因で生まれたものでも、否定だけはしちゃならねえよ。
自己否定とまでは言わないけどな、認めてやればいいさ。
それに、どんな形でも、一回出てきたものってのはな。
簡単に消えやしない、否定しても目を逸らしても消えやしないんだ」
(最後に呟いた言葉は、何処と無く実感がこもったもの。
或いは、自分自身に言い聞かせる様にも聞こえるかも知れない。
結局、主観と客観の違いではあるのだが。
それでいいんじゃねえか、なんて呟いて)
「対話、まではいかないが――そこに無念や残滓があるなら、読み取る事は出来る。
例えば、縁が深い場所だったり物だったりが起点にはなるけどな。
なもんで、一方的に残ったものを読める程度だよ」
(そもそも自我と自意識を持っている不死系の魔族なんて、本当に珍しいのだ。
世界は広いし探せば居なくはないとは思うが、残念ながら自分以外に出会った事は無い。
付け加えて、魔力こそ多いが魔法に対し疎い事もある。
要するに得意苦手の問題なので、そういう事が出来るのも居そうではある、とは付け加えて見せて)
「実感がある上で言うなら、関わりたくないって感想が出る。
――まぁ、そっちに比べたら笑い話にもならねえんだがな。
何時だったかな、三回目だか死んだ時だったか?
大昔の俺を殺した奴の残滓を拾った事があってな。
俺を殺したその後、妻になった国のお姫様と結婚。
めでたしめでたし、となる筈が――
お姫様は大臣に寝取られて、その武力から恐れられて
遂には大罪人として処刑されちまったそうだ。
目の前で大臣に、望んで抱かれるお姫様見せられながらな
絶望しきってたのがよく伝わったよ」
(――自分が人間を止める切っ掛け、殺された時の話ではなく
口から出たのは、そんな話だ。
大昔、魔王と呼ばれ暴れ回っていた彼自身を討伐した英雄の顛末。
逆に言えば、今の時代ですらこうなのだ。
昔も大差ないと思えばケーキをのんびりと食べ終わり)
「当時の彼女がどう思ってたか。
道具かどうかなんて、生きてる俺らにゃ原則として判らんさ。
ただな、都合よく後から解釈するのは、生きてる奴の権利だ。
だから言ったんだよ。 『最後にお前さんに逢えて運が良かったのかもな』って。
形が変わっても、お前さんは忘れてないし姿として残ってる。
自分に都合よく、受け取っておきゃいいんだよ」
(或いは、終わりすら自分で決められなかったであろうお姫様
それを明確に終わらせる事への、感謝か。
どちらでも好きなように、自分達で受け止めれば良い、と笑って)
■ノーマ >
「ん……そうだね、消えやしないんだよね。
どっかの誰かさんがいじって表に出させてたけど。
うちの奥にいるやつも……まあ、消えてなくなんないだろうし、ね。
はは、そっちもなんかありそうだねえ」
実感のこもる言葉、そしてどこか言い聞かせるような物言いに、つい言葉が漏れる。
お互い、苦労なんかもあるんだろうな、と思ってしまう。
「あー……ある意味、うちの記憶探ってるのと似たようなもんか。
うちも頭の中にある残り物を一方的に見てるだけだしね。」
相手の説明に、なるほど、とうなずく。
細かいことを言えば、色々と差異はあるのだろうが似たようなもの、と解釈する。
対話、とやらができればまた何か変わるのだろうか、お互い。
「……はあ、そりゃまた。
英雄サマですらその有様って、ほんと酷いねえ。
……いや、えっと。
今思ったんだけどさ。ムメイって元ニンゲン、なんだったよね。
答えたくなけりゃいいけどさ。
やっぱり、感覚というか、考え方って変わったりしたの?」
自分たちを救った相手すらも陥れる。
ケダモノ以下の所業に思わず、なんとも言えない顔になる。
それとともに。
ヒトであった者が、ヒトでない立場でそういったヒトの業を見てきたと聞けば。
そもそも、人で無しになった彼は、肉体だけではなくあらゆる意味で人で無しになったのだろうか、と。
ふと、思ってしまったのだ。
その答えがどうであろうと、ノーマには関係ないといえばそうなのだが。つい、気になってしまった。
「それもそうだ。他人が何を考えてるか、なんてわかんないしね。
まあもしかして、心が壊れてなかったら気持ちもわかったかもしれないけど。
……言ってもしょうがないか」
知らなければ、都合よく、どうとでも捉えることができる。
不義理かもしれないが、そのほうがお互いのためなのかもしれない。
「それはそれとして。
そんなこんなで、姫さん食べたらうちが産まれてね。
都合のいい道具として戦わされ続けるのは嫌だなってなっていったのが今のうちってわけ。」
軽く話を締めくくる。
本当に大雑把な話はこれでできただろうか。
「……なんか、どうなんだろう。
こんなんでいいのかなあ?」
話してはみたものの、これでいいのだろうか、という顔になる。
■ムメイ > 「表に出るか出ないかは、結局はコインの裏面だよ。
俺だってお前さんと話してる時は、偶に死んでる馬鹿な傭兵だろうが
それこそ昔の俺を知る奴にとっては、種族問わず滅ぼす魔王だろうしな。
それは内面でも変わらん、つーより目を逸らしても顔を背けても一緒なんだ。
――ま、そう言われて受け入れられる奴なんてあんまいねえけどな。
時間はかかるぞ、やっぱり」
(俺にも一つや二つはあるわな、とあっさり認めた。
その内容を語らない辺り、やっぱりそれなりに自分の比重に関わっているからで。)
「恐らくそんな具合だな、つっても割と聞こえる奴には聞こえるみたいだが。
聞いたら、無視したら悪いからな。 偶に聞いてやってるよ」
(こないだも死んだ後に家がどうなったか知りたい、と言っていた無念を晴らした。 なんて呟いて見せる。
対話の時点で、相手に知性が残っていなければ難しい。
つまり最低でも自分くらいの知性は必要なのだが、それはさておき。
彼女からの問いかけ。
人間だった頃と、今と。
変わってしまったか否か。
それに対して、一度口元に手を当てて考え。
ややあってから、口を開いた。)
「あくまで俺の感覚だが、根っこの部分は変わっちゃいねえ感じだな。
俺だったら闘争が第一に来てる、これは生前から傾向はあった。
こうなってから強まった気はしなくもねぇけどな。
嗜好がそういう意味では若干変わっただけで、大して変化はないな。
ただまぁ、ある意味で言えば『完成してた』からな、俺。
そのな……多分、この姿って人間で憶えてる最後より最低で三十は若いぞ?
死んだ時は憶えちゃいないが、まぁ殺されたんだろう」
(揺るがなかった精神性、ありもしないと判りながらも追い求めた武の頂き。
それを志した頃から、どれだけ現実を突きつけられても。
どれだけ自分の行いが無駄なのか判らされても。
ただ、諦めきれなかった。
子供みたいな夢を掲げて、ずっと走ってきた。
そして人ですらなくなって、それでも走っているのだ。
自分のユメを追いかけ続けた結果、とも言う。
そしたらこんなのが出来上がったが、まぁそれはそれだ。
昔からこうなのだ、と笑って見せて。
そうして、大雑把な締めくくりまで話を聞く。
それに対し、頷きを見せてやり)
「いいんだよ、そんなのでな。
自分がどうしたいか、何をしたいか。
それをお前さんはちゃんと選んで、今生きてるんだからよ
都合よく受け止めて前向きにやろうぜ。
答え合わせなんて、結局出来やしないんだからさ」
(ただし、とそこまで言ってから付け加えて)
「話でしか知らないが、俺は確かにその姫の話は憶えておくよ。
ほら、俺が憶えてるって事は――それこそ、永遠みたいなもんだろう?
死んでも生き返るからな」
(そう言って笑ってみせる。
死んでしまった後、忘れられた時が本当におしまいだ。
だから、自分が憶えておこう。
自分は、彼女からの伝聞であったとしても。
一人の女の子がいた、と言う事と目の前の彼女に逢わせてくれた。
この事を、しっかりと胸に刻んで)
「……さて、まだ時間あるか?」
(良いトコ行かね、と誘いの言葉を一つ向けてみた)
■ノーマ >
「うん、確かに。なにをどうしようと、変わらないものは変わらないか。
とはいえ。それで割り切れるんなら誰も苦労しないってのもそうだよねえ。
あはは、まあ気は楽になったよ。」
どうにもならないことはどうにもならない。
だからといってあっさり受け入れられるかといえば、それも無理。
人生まあそんなものだ、となればそれはそれで気が楽にはなる。
「そっか。あんま変わってないんだ。
……拍子抜け、といっちゃうと悪いかな。
それにしても。はー、バトル馬鹿の脳筋男だったかあ。
三十は若いって……うーん、見た目の年齢なんてうちはいまいちわかんないけど。
それでも、まあだいぶ長いこと馬鹿してたのは判るね。
いやいや、それはそれで才能だねえ」
どんなに馬鹿げだことだろうと、それに費やし突き進むのはエネルギーが要る。
それを成し遂げることができるのは、もはや才能と言っていいだろう。
思わず素直に感心してしまう。
「ないもんはないし、そうだね。
今、うちはうちとして産まれて生きてるんだし。
そいつをどうにか生きていくしかないよねえ。
いやまったく。久しぶりに真面目なこと考えたからつい、辛気臭くなっちゃったかね」
ははは、と笑う。
確かに、普段のゆるい感じとはかけ離れていたかもしれない。
それだけ、そこはカノジョにとって大事な点であったのかもしれない。
「……うん。
悪いけど、覚えていてくれたらありがたい。
それと、もしよければ。また今度どっかで別の話も聞いてくれたら。それもありがたい」
それはささやかな願いであり、わがまま。
別に叶わないのであればそれもやむない話。
「うん?まあ暇だよ?」
自分一人で生きていく分にはどうとでもなるので、仕事は適当にこなしている。
そんなわけで融通も効くので今日は一日空けてある。
……なんなら、特に用事があることもそんなにない。
そうして、誘いにはOK、というだろう。
■ムメイ > 「ま、話せるだけ気は楽になるからな。
要は気の持ちようだ、なんとかなるなる」
(なーるなる、ともう一度付け加える。
いつも通りの馬鹿みたいな調子で、彼女に笑って見せた。
本当に本体は骸骨なのか、と言われるような陽気さを見せていて)
「死ぬ前から俺はこんなだよ
結局、死んだって何一つ変わりゃしねぇんだ。
実例がいるんだから、参考になるだろ?」
(五十は過ぎてたな、とうっすら残っている記憶で返答。
それでもまだ胸を張って強い、とは言えない。
ありもしない幻想を、今でも追いかけている。
それが、自分の生だ)
「そうだな、聞かせてくれよ。
お前さんの話も、姫さんの話も。
俺は、もっと知ってみたいって今日思ったぜ?」
(改めてな、と言いながら。
誘いにOKを貰えれば、んじゃ行くか。 と軽く声をかけて。
店主に勘定を払ったのち、二人で何処かに向かう事となる)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 喫茶店」からムメイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 喫茶店」からノーマさんが去りました。