2024/01/16 のログ
ご案内:「王都富裕地区 裏路地」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 未知や冒険心をくすぐる人気の少ない裏路地側の何もない空間
 味があるなどと言われそうな場所も、人の気がないほど 光が少ないほど
 平民地区とその治安の度合いはさほど変わらず、見回りの質や脚が良くない限り
 その防犯の狭間と呼ばれる場所は何かが群れやすく想える。

 そんな裏路地に構えられた店の一角。
 メイラは一人 この寒さが募る日に黒い毛並みの外套を脱ぎ、黒のいつもの一張羅姿
 店内にて 自身が普段街中や王都周辺でのみ下げている愛刀を鞘事抜いてカウンターで話している。

 赤い瞳は抜かれた半太刀の、握る柄事反り返る具合のそれを眺めている。
 剣身の異様な空気と刃文 やや大振りな片刃の自己主張は強い。
 その性格は、自分さえよければ、後はどうでもいいと思わせるものか
 それとも、ひたすらに生真面目 実直で 妥協を許さない構えととるか。


   「相変わらず、いい仕事振りですわね。」


 肩に峰を乗せるようにしてその刃を眺め、石と水だけで研がれた鋼は本当に目に見えない細やかな粒が
 色の違う層ごとに重なって見えているかのよう。
 イーヴィア・ヴァルケスですら研ぐことを任せたことがない愛刀は、目の前のような“変態”
 異常な執着や拘り 年齢が作り上げた手指にしか任せていない。

 鞘にゆっくり納めると、不満げにチンッと小さく素っ気ない納刀音
 再会の喜びよりも、腰に居なかったことに対する抗議をしているようで、腰に差し直すその鞘を愛し気に撫でた。


   「また手入れが欲しくなったらお願いしますわ。
    では、ごきげんよう。」


 革袋に収めたゴルド貨幣の金が収まる小袋を渡し、店を後にする。
 戦場と王都の一定期間の往復 メイラは現在、再び王都の中にいる。

ご案内:「王都富裕地区 裏路地」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。